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[Windows10]コア限定で古いソフトを動かす- Wave SplitterでLPのCD化 –

はじまり

昔からある便利そうなソフト(Wave Splitter 1.02)を新しいPCLenovo Yoga Slim 750i 82A100GSJP)にインストールしたら動かない機能がある。これは互換モードだ!と互換モードで動かしても改善しない。大体は動いて部分再生はできるのに、普通の再生や録音ができない。

仕方がないので、録音をHDREcorderで行うと、ファイル分割の処理に使っていた。しかし、慣れてくると結構高機能なことがわかり、これで録音と再生ができればとても便利だということに気づいて、再検討することにした。

コアの限定

調べていると、昔は複数コアがなかったので、コアを限定すると動く場合があることを知った。そういえばスレッドを使っていると書かれていたので、メモリ共有しているならそれが原因で動かないのではないかと考えた。

CPUの限定はアフィニティ・マスクと言われ、いろいろな設定方法があるようだ。Windows Vista以降はStartコマンドでも指定可能で、ショートカットで指定すると良さそうだ。早速、Wave Splitterのショートカットのリンク先の先頭に「C:\Windows\System32\cmd.exe /c start "" /affinity 1 」と挿入した(最後の11つ目ではなく使うCPUを示す値の0ビット目が1という意味。実質同じだが)。

「動いた!再生できる!録音できる!」

だがショートカットのアイコンがcmd.exeで黒くて気持ち悪い。そこで所とカットのアイコンの変更で、Wave SplitterexeにあるCDのアイコンを使うことにした。これで完璧!

LPのCD化

そもそもやりたかったのはLPレコードのCD化だ。ソニーのレコードプレーヤAMAZON)のUSB出力を録音してCD化しようとしたのである。mp3の音も悪くないがやはりCDの方が音が良い。AACも検討したが、いずれ不満が出ると思ってCDにすることにした。

CD化の基本手順は簡単、きれいな音で再生して、録音して、CDを焼く。しかし、それぞれノウハウがある。

  1. きれいな音で再生

レコードにプチプチ音は付きものですが、スプレーして、クリーナーで拭いて、再生する。を繰り返すとかなり減ります。傷は治せませんが、接着剤の塊のようなものはしつこくスプレーしてクリーナーでこするととれました。内袋を変えた方が良いようですが、そこまではしていません(あまり聞かなくなるので)。

  1. 録音

Wave Splitterで録音します。パラメータを調整しながらAuto Splitします。大体曲数と同じになったら、トラックを結合したり分割して本来のトラックに分割します。曲間が短い場合は、手作業でうまく分割できないので、そのトラックだけパラメータを調整しながら再度Auto Splitするとよいようです。無音部分のカットがデフォルトですが、フェード・イン/アウトがあるのでチェックを外しています。

よくある波形を見ながらの編集ではないので手順は増えますが、やり直しが簡単なのでとても快適です。ノイズ除去などはできませんが、音を聞きながらの編集がお手軽で気に入っています。

  1. CDを焼く

Media Playerで音楽用CD-Rを使います。Media Playerにはで音楽用CD-Rを使います。Media Playerには書き込み設定(整理→オプション)でドライブに合わせて低速にしました。Musicフォルダ直下にファイルを置いてCD-Rに書き込んで、ファイルを削除しては「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Media Player\」の中の「*.wmdb」ファイルを全て削除しています(注:Media Playerを普段は使わないのでライブラリの登録をすべて消しています)。

音楽用CD-Rを使うのは、音楽用は上納金が入っていて著作者にお金が入るようになっているからです。データ用と値段が変わらないのが不思議ですし、引退した人や亡くなった方にお金が入らないかもしれませんが気持ちの問題です。

おわりに:テレワークの考慮不足

もともと圧縮せずにCDでやめようと思ったのは、テレワークなので持ち出すことを考えなくてよいことも理由の一つだ。さて、色々とCDに焼いてから気が付いたのだが、NASに置いておけばPCFolder Player)やスマホ(課金済みのOPlayer)で直接再生してやれば良かった。なんだ。。CDはバックアップにもなるのでまあ良いか。。


イマドキのレコードプレーヤー SONY PS-LX310BT

半年前に買ったこのプレーヤが、テレワークで役立っているのでご紹介します。

このレコードプレーヤーを買ったきっかけは、昔ファンだったアイドルの曲を聞きたくなったからです。レコードをCDに変換してくれるサービスは色々あるようですが、それなりの枚数があるので安いプレーヤを買ってみようかと思い立ったからです。

1万円ぐらいから再生とMP3に変換する機能のあるプレーヤはあるのですが、評価があまり良くなかったです。そこで、少し上のクラスを見ていると、このプレーヤは、Bluetooth対応でUSB出力端子もあり、上のクラスには負けるもののそれなりに音が良さそう なので選びました。

1.イマドキの機能
1-1 PHONOアンプ搭載
いきなりLINE出力が出ています。むかしはPHONOアンプが高いからと安いプリメインアンプを挟んでいたので、あまり良い音で聞けなかったものです。このプレーヤなら出力をPC用スピーカにつなぐだけでステレオになります。
私はBOSE Companion2 Series IIをつないで聞いています。(現行機種と違って)ピン入力なので直接つなぐだけでとて良い音で聞けてます。

1-2 Bluetooth対応
SBC/APT-X対応です。スピーカーがなくてもAPT-X対応のイヤホンがあれば、それなりに良い音で聞けます。最近は完全ワイヤレスブームで、対応イヤホンが一時的に減っているようですが、私はSONY MDR-EX31BNで聞いていました。
スピーカーの方が気楽で良い音だったり、枚数の多いアルバムはリッピングしたものの方が扱いが楽だったりしますので、イヤホンのアダプタをスピーカにつないでいることの方が多いです。

1-3 USB出力端子搭載
買うまでは謎でしたが、PCにつなぐとUSBオーディオとして認識してくれます。対応しているものなら標準の録音ソフトでも何でもよくて、取り合えずバックアップのつもりで午後のこ~だの最高品質で録音しました。これがなかなか良い音なのですがiTunesでは再生できないので、iPhoneのOPlayer Lite(無償期限切れで広告がうざいので購入済)で再生しています。
OPlayer Liteは画面ロック中も再生できて悪くないのですがプロセスが終了すると忘れたり、すべての曲の再生位置を覚えていたりするので、良く聞く曲は少し品質を落として再度録音して、mp3DirectCutで無音部で曲を切り出しました。
標準で録音するとレベルが低いので、録音時だけ高出力設定にしています。

2.使ってみて
2-1 音が良い
むかしCDが出たころにレコードの方が音が良いという人がいて??だったのですが、スプレーとクリーナーでプチプチ音を消せば、良い音源のレコードはとても良い音で聞くことができます。

2-2 ポモドーロテクニック風に
ポモドーロテクニックは25分ごとに休みますが、レコードの片面が大体20-24分ぐらいなので、音のなっている間に集中するようにして、音がなくなれば休憩すると良い感じで仕事が進みます。

2-3 ブックオフ万歳!
まるで文庫本のようにアルバムもシングルも100円とか200円で売られています。
有名なモノが多く、欲しかったのに我慢したモノがまとめ買いできてしまいます。中には細かな傷のあるものや少し反ったものもありますが、概ね良品でした。

3.おわりに

買って良かったです。
むかし聞いていた曲が、昔より良い音で、扱いやすく聞けてとても幸せです。しかもメジャーな曲は安価に、手に入れにくいものは中古販売で手に入れることができます。
ポモドーロテクニックで作業を効率化したり、ひと時の息抜きにするなど、テレワークにもお勧めです。

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答えだけを聞いて満足するな!

世の中にはスゴい人がたくさんいます。仕事で問題が発生して解決できないと、ついついスゴい人に聞いてしまいます。スゴい人には優しい人も多いので丁寧に教えてくれます。

世の中が複雑になるにつれ、鍵となる知識を持っているかどうかを問われることが多くなってきました。うまくgoogle先生に尋ねられるかどうかが問題解決の成否に関わることも多いでしょう。

うまく検索できない時にスゴい人や検索のうまい人に尋ねると、問題を解決できます。しかし、その人がいないと問題を解決できない人になってしまいます。

「なぜそれを知っているのですか?」「どうやって検索したのですか?」尋ねてみると良いでしょう?

意外と単純な答えが返ってくるかも知れません。

  • 「XXという本に書いてたよ」(本は持っていたのにきちんと読んでいなかった)
  • 「YYはZZとも言うのでそれで調べたんだよ」(一般的な表現を知らなかった)
  • 「リファレンスマニュアルに載ってたよ」(古い解説記事氏か読んでなかった)

案外、できる人は普通に答えるでしょう(できる人を観察して勝負する[#TiDD] プロフェッショナルは本物で確認する)。

私も以前、同様の質問をスゴい人に尋ねてrebuiled.fmを教えてもらい、それから聞いています。

日々の仕事をこなすだけでは成長できません。成長するにはちょっとした工夫と努力が必要だと思います。頑張るだけでも成長できません。答えだけを聞いて満足してはいけないのです。

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SRA Advent Calendar 2016 に参加します

Advent Calendarというのは、クリスマスが来るのを待ち望むためのカレンダーのことです。最近はアドベントカレンダーにあわせて、みんなでブログを書くイベントになっています。

様々なコミュニティで行われているほか、比較的オープンな会社でもカレンダーを作る様です。

SRAでもだれか言い出さないかと思っていましたが、なんと隣の席の人が言い出してくれました(わーい)。

ということで、今年は SRA Advent Calendar 2016 に参加予定です。みなさん見てくださいね。

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セミオープンという選択肢!ヘッドホン PHILIPS Fidelio L2BO

高級ステレオで良い音をガンガン鳴らして楽しみたいものですが、そうもいかないのでヘッドホンの部屋聞きで楽しんでいます。

と言っても普段使いのカナル型のインナーイヤホンは、断線する可能性のある消耗品と考えて程々の品質で我慢しているためか、圧迫感を感じて長時間だと疲れるので、いわゆるヘッドホンを使っています。

以前使っていたヘッドホン

気楽に聞くのでオープンエアーが圧迫感が無くてベストでした。大体1万円ぐらいから良い音になり、2万円ぐらいになると個人的にほぼベストの音で聞けます。とはいえ、いつかは壊れたり、劣化するので、コストパフォーマンスから中間の1万5千円程度のaudio-technica ATH-AD700を使っていました。

このヘッドホンはいわゆるドンシャリではなく、スーッと抜ける感じで音が広がって、耳への当たりも優しくお気に入りでした。でも、リビングの家族の近くで仕事をしながら音楽を聴いている時は音漏れが大きくて不評でした。

装着時の負担が少なかったので、あきらめがつくほど長期間使っていました。しかし、あるとき、片側の音が出なくなりました。ユニットの中で断線した様です。

密閉型の試聴

そこで、新たなヘッドホンを探す事になったのですが、オープンエアー型はお気に入りだったもののもう少し音漏れの少ないものを探す事にしました。

量販店で色々と聞いてみました。密閉式の数万円のものはとんでもなく良い音がしましたが、安価なものは少しこもったようなは感じのものが多い様でした。

1万5千円程度の中ではオーディオテクニカ USBヘッドホン ATH-D900USBが程々に良かったです。メーカーに愛着もあったのですが、本来はPCと接続するためのヘッドホンなので、使わない機能が気になって今回は見送りました。

セミオープン型

自宅で色々と調べていると、セミオープン型が目に留まりました。名前は知っていたのですが、実物は聞いた事がありませんでした。

セミオープン型は商品が少なかったので順番に見ていると、PHILIPS Fidelio L2BOは音の解像度が高いと良い評価でした。前のヘッドホンがオープン型で抜ける感じが気に入っていましたので、興味がわきました。

悪い評価としては、低音が弱め、苦手な曲がある、との事でしたが、点数はさほど悪くなく、買う事にしました。

かなり良いヘッドホン

商品が届いたので開封すると、オス・オスのヘッドホンケーブルが長短2本ついていました。ヘッドホンにはイヤホンと同じ形状のジャックがついていて、外出時にはリモコン付きの短い方を使う様です。

装着感はATH-AD700に比べると強めですが、コンパクトなので周囲にぶつかる事が少ないです。最初はスピーカ部分を端まで伸ばしてしまって強い圧迫感を感じましたが、頭にあわせて短くすると程良い感じになりました。比較的頭が大きい方なので、よほど頭が大きい人でなければ大丈夫でしょう。

楽しみにしていた音はとても良くて満足です。解像度が高く、抜けるような感じです。いわゆるドンシャリの感じは無く、フラットに近いと思います。曲との相性はあまり感じません。ごくまれに低音が「トン」高音が「ジャリ」と感じる事がありましたが、すぐに慣れてあまり感じなくなりました。

良い音で音楽を聞きたかったので、とても良い買い物をしたと思っています。

おわりに

そもそも試聴にいく必要もなかったのかも知れませんが、色々と聞くと自分の好みの音がわかると思います。今回はその好みを基準として選んだので、自分にあった商品と出逢う事ができました。

このヘッドホンは音が良いだけではなく、ケーブルが取り外せるので断線の不安も少なく、長くつきあう事ができそうです。

Photo_2

おまけ:ケーブルレスでの利用

家の中でウロウロする時はL字コネクタとオス・オス変換コネクタを使ってBluetoothレシーバをつないでいます。

見た目はB級SFに出てきそうなデザインですが、ケーブルレスにできるので重宝しています。iPhoneを買い替えたら役立ちそうです(オス・オスのL型コネクタがあれば少しはマシかもしれません)。

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BABYMETALに見るマネジメントの工夫

前の記事(BABYMETAL :「ブルーオーシャンは闇の中」あるいは「デカルチャー」)を書いてから色々調べていると、 BABYMETALにはマネジメントの工夫が色々ある様です。

適切な負荷

メインボーカル以外の2人がBLACK BABYMETALとして極を持っています。これはメインでない2人も歌わせることで、2人のやる気を引き出すだけでなくメインボーカルを休ませるという考えもあるのだと思います。メインボーカルのSU-METALのソロもある様ですから、交代で休ませながらライブの構成ができるのでしょう。
(参考:Wikipedia エクストリーム・プログラミング/最適なペースの仕事

リソースの確保

バックバンドも生演奏の神バンドのほか、カラオケの当て振りをするBABYBONEなどが用意されている様です。中学生や小学生のヴォーカルが相手では専任にできないのでしょう。エアーバンドを予め用意してリソースを確保しているのでしょう。
(参考:オプションを維持するためのアソビ - CCPMのバッファを考える -

裏方ながらリードする

BABYMETALのライブ公演中は「キツネ様」がメンバーに降臨している設定になっていて、KOBAMETAL氏だけが狐の神様の言葉が理解できて伝えるという、ちょっと面白いリードをされています。このあたり、 きゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースした中田ヤスタカ氏が「手伝っているだけだ」といかにもサーバントリーダーシップだったのと違いがあって面白いですね。
(参考:サーバントリーダーシップで「和」(ハーモニー)を実現する

ゴールのためならトコトンやる

BABYMETALはMVもライブも完成度が高いと思います。特にライブでの巨大なマリア像や3匹の狐が配置されている様子は、新しい世界を確実にするためにとことんやっているのだと思います。
(参考:リーダーはゴールのためなら何でもする - ドクター先輩の個人指導 -

みんなで楽しむ

インタビューの動画を見ていると、3人とも楽しんでいます。もともと女性アイドルグループさくら学院のメンバーで、その時と「全然違う」とニコニコしていました。たぶん、みんなでワイワイ楽しむ勉強会のような「場」ができているのでしょう。
(参考:技術者には「場」が必要 - 勉強会に行く理由 -

敏感期を活かして学ばせる

少し古いインタビューで、海外に興味があると言ったら、中学生だからまず英語」と英語を学ぶように言われたそうです。最近の動画ではモノオジせず英語を話しているので、砂浜に水を撒いた様にドンドン吸収して成長したのでしょうね。ちょうど興味を持ったタイミングで学ばせるうまいやり方ですね。
(参考:[TiDD] プログラマの敏感期 - モンテッソーリ教育からTiDDを考える -

おわりに

あたり前と思われたかも知れませんが、少し調べただけでこれだけ色々と書けるのは驚きです。目先のヒットを狙うだけでなく、先のことを見据えていたからチャンスを生かせたのでしょうね。

仕事柄、ついつい目先のゴールに捕われがちになりますが、大切なことを見失わない様にしたいと思いました。

おまけ

BABYMETALの曲はアマゾンのプライムミュージックで聞くことができます。動画はyoutubeで見ました。

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BABYMETAL :「ブルーオーシャンは闇の中」あるいは「デカルチャー」

食わず嫌いでした。 衝撃を受けました。

BABYMETALのデビュー当時、ニュース番組で見た時には、色物とか、子供のお遊びかと思っていました。しかし最近になって、youtubeがお勧めするのでじっくり見てみました。すると、そこには新しい世界が広がっていました。

Wikipediaには「メタルとアイドルを組み合わせ」と書かれています。私には、戦闘シーンの中で透き通る歌声が響くマクロス劇場版 愛・おぼえていますか ~における対照的な組合せや、聞くだけで力が抜けていくちょっときいてなを彷彿させるメッセージ性のある日本語の歌詞が、グイグイ入ってきます。

「ブルーオーシャンは闇の中」

広くて穏やかな海を優雅に泳ぐ先駆者を見ていると、自分だって少し頑張れば同じような利益が得られる様に錯覚をしてしまいます。しかし、ブルーオーシャン・シンドローム等と言われる様に、世の中はそんなに甘くありません。

BABYMETALもWikipesiaの反響と批評にある様に多くの批判や誤解を受けた様です。それは既存の音楽でないという批判で、その批判こそがBABYMETALが新しい世界を開いたという賛辞でもあるでしょう。

ブルーオーシャンと言うと静かで穏やかな砂浜に広がる青い海を思い浮かべますが、簡単に行けるところにあるならば、すでに誰かが泳いでいるでしょう。一人でその海を独占するには誰も気付かない夜明け前に出掛けるか、誰もいなくなるまで待たないといけません。

「デカルチャー」

「デカルチャー」とは、前述のマクロスで最後に異星人が叫ぶ言葉です。「理解し難い」「信じ難い」「衝撃的な」等の概念に相当する(ニコニコ大百科)ことばです。異星人もそうでしょうけど、マクロスを見ている私も新しい表現に驚きました。

BABYMETALにしろきゃりーぱみゅぱみゅさん(サーバントリーダーシップで「和」(ハーモニー)を実現する)の時も、ニュースで少し流れたときに「なんじゃこりゃ」と思いました。しかし、それはまだ夜明け前だったからだったと思います。

ただ、そこにはプロデュースへの熱い思いが感じられました。思い描く姿があって、それに向かって、とことんやり抜く。その姿勢があったからこそ、その後に繋がったのでしょうね。

おわりに

何か新しいものを作り上げるには、応用力だけでなく基礎力や学習意欲が必要です。素人が札束でできることは真似事です。しかし、基礎力があるか必要な知識を貪欲に得ようとする学習意欲があれば、努力によって他の人にはできないものを作り上げることができるでしょう。

また、仲間というものも大切な要素だと思います。昔書いた論文も、XPの実践者のほか、英語ができる人、ネイティブの協力者を得て、ソフトウェア工学でもっとも権威がある国際会議と言われるICSE'06にも採録されました。

暗闇で未来を描く熱い思いのほか、基礎力、応用力があり、仲間が居れば、夢が実現できるに違いない!と思います。BABYMETALが成功した背景にも、そんな条件が揃っていたのではないでしょうか。

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「モノ書き」 - 山口 英先生をしのんで -

若い頃にJUSで発表していた(ISO-2022-JP)ので、たぶんシンポジウムなどでお見かけしていたと思いますが、山口英先生をキチンと認識したのは奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の1期生として入学してからです。

世の中では初代情報セキュリティー補佐官とかUNIXで有名だと思いますが、私にとって山口先生は、やはり先生です。

NAISTのハッカー

NAISTの1期生として入学した頃、大学は工事中で工事現場の中に作りかけの地球防衛軍のビルがあるような光景でした。新設の大学なので予算は豊富だった様ですが、ハードはあるものの細かな環境が整っておらず、色々と工夫する必要がありました。

そこで、旗を振られたのが山口先生でした。 学生に声をかけて環境を整備するボランティアを集められました。私もあまり貢献できなかったのですが参加していました。

フリーウェアのポーティングなど、自主的な活動や研究と絡めた活動など、どんどん環境が整いました。その後の学生さんたちが使われたツールもたくさんあると思います。

その集まりだったか、補習的な講習だったか、様々なレクチャーを受けました。LaTeXの使い方も教わりました(TeXも教えて欲しいというとLaTeXを使う様に言われた記憶があります)。

授業

いつの間にか国のお仕事をされていた山口先生ですが、とてもわかり易いネットワークの授業だったことを覚えています。

試験ではモバイルIPについて論述する問題があり、頑張って書いた記憶があります。試験会場で「汚くて読めない回答は0点にする」という主旨を言われましたがすでに遅く、とにかく思うところをいっぱい書いてやろうと答案用紙の裏側まで書きました。

とても読みにくい汚い回答でした。評価は期待していなかったのですが、頑張って読んでいただいたようで優をいただきました。指導は厳しくても、温情のある先生でした。

モノ書き

忘れられないのは授業中の言葉です。当時のモバイル神機であるGATEWAY 2000 HANDBOOK 486で宿題の期限を決めながら、自身のことを「モノ書きが仕事」と言われたのを覚えています。

当時、山口先生はUNIX関係の雑誌に記事を書かれていたので、あまり深くは考えなかったのですが、これが私にとって大切な言葉になりました。

疑問の解消

それまでの大学院は研究者のもので、企業で研究していれば大学でより深める、学生であれば先生に、というのが普通の認識でした。NAISTは私の様に一般の社会人を集めましたので、さてどうしたものかという疑問がありました。

ソフトウェア工学の研究は対象の特定状況で役に立つものですが、常に役立つとは限りません。特に規模の小さい開発では統計情報も使えず、会社に戻っても知識が活かせるとは限りません。

たまたまチャンスが得られて留学した私も、何年かすると陳腐化する知識をどう活かせば良いかと悩んでいました。そこで思い出したのが山口先生の言葉です。

「モノ書き」というのは複雑な内容を整理して人に伝えるのが仕事だと思いました。大学院では論理的思考を学ぶと言いますが、論文作業を通じて世の中の問題を整理し、解決法を示し、効果を示すのだと考えることができました。

大学院で得られる知識や人脈は時間と共に価値が下がりますが、「読み書きプレゼン」を通じて学んだ物事を論理的にとらえて伝える能力は、いつでも、どこでも役に立ちます。

大学院は「読み書きプレゼン」など(低レベルのこと)を学ぶ場でない。などと言われたこともありますが、このような基本的でどこでも役に立つことを学んだと認識できたのは、山口先生のおかげだと思っています。

おわりに

研究室でお世話になった訳ではないですが、私の人生に大きな影響を与えていただいた先生の一人なので書かずにはいられませんでした。

実は私の方が少し年上で、驚きと共に残念な気持ちでいっぱいです。分野は違いますが、学んだことを活かしながら社会に貢献したいと思います。

最後になりましたが、ご冥福をお祈りします。

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プレゼンテーションの時間を調整する方法

先日のredmine.tokyoの発表(裾野が広がるRedmine「チケット駆動開発導入のヒント - 自律と規律 -」)後に「時間を合わせるのはどうすれば良いか」と聞かれました。

当日は予定時刻までは良いだろうと勝手に考えて、持ち時間を過ぎて終了の鐘を連打された発表者です。偉そうには言えませんが私のやり方をまとめておきます。

基本的にはプロジェクト管理と同じです。単位当りの見積もりを積み上げること、そしてマイルストーンを決めることです。

単位当りの時間の基本は、スライド1枚当りの時間です。昔のOHPの頃は1枚3分と言われましたが、最近は見易いサイズの文字サイズなら、書いてある事だけを話すなら1枚1分、書いてない事も話すなら1枚2分ぐらいで見積もります。

そして、見積もりに合わせてスライドの内容を調整します。話す事が多すぎるなら簡潔になる様に構成やテーマを見直します。性能や予算にあわせて、方式やスコープを調整するようなものです。

また、1枚当りの時間から所々にマイルストーンを決めます。◯枚目で何分ぐらいのはずと決めておき、進捗に応じて話すスピードを調整します。

時間調整には、あらかじめ時間調整用のスライドを入れておいて、時間がない時は飛ばす様にする方法もあります。逆に時間が余った場合にだけ話す事をきめておくこともあります。いずれにしろ、オプションを残しておいて調整する訳です。

なお、写真や図が多い場合や、LT並のペースでドンドン進める場合、デモをする場合などはある程度練習を積まないとなかなか安定しないかもしれません。そのような場合も、基本的な考え方は役に立つと思います。

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セレンディピティを阻害する3要素=リーダの成長を阻害する3要素

セレンディピティとは「偶然からモノを見つけ出す能力」「当てにしないしていないものを偶然にうまく発見する能力」あるいは「偶然または聡明さによって、予期しない幸運に出会う能力」などと呼ばれます。

セレンディピティに注目した理由

ノーベル賞を取るような大発明をした多くの人は目的としない事象、すなわち失敗の中から大きな発見をしています。このような発見は、セレンディピティを発揮したからと考えられます。

セレンディピティの語源は「スリランカ(セレンディップ)の3人の王子たち」という寓話から来ています(詳しくはリンク先をお読みください)。また、同名の映画「セレンディピティ」(Yahoo!映画)では、初めての出会いから偶然をたぐり寄せて再会に至るまでの様子が描かれています。

セレンディピティについて書こうと思ったのは、プロジェクトの運営がうまくいかない人の問題は戦略(効果的に対策を打つための5つの戦略)の問題だと思っていましたが、実際は現状を洞察できない、つまり想定外のことから問題点という宝物を発見できず、戦略的に考えられないのではないかと思ったからです。

リーダの成長を阻害する3要素=セレンディピティを阻害する3要素

そこで、なぜ現状を洞察できないかを考えてみました。すると、それはセレンディピティを阻害する内容そのもので、そのことによってリーダの成長をも阻害しているようでした。

散らかっている

トヨタ生産方式の基本は整理整頓と言います。これは、チリ一つない状況であれば、ネジが落ちていればすぐにわかるからです。

これと同じ様にわからない情報がたくさんある中でそれをを放置していたなら、普通じゃない(異常な)状況になっても、問題がどこにあるかわからなくなってしまいます。

できる人を観察して勝負するに書いた様に常に情報を整理しておけば、問題が起きればすぐに発見する事ができるでしょう(計算量でも説明できますね)。

興味がない

もし、イヤイヤやっているならプロジェクトの現状に興味が持てません。こんなもんだと思ってしまうでしょう。

また、少し気になったとしても、その内容にまでは踏み込まないでしょう。プロフェッショナルは本物で確認するに書いた様に、常に興味を持って状況を把握するようにしたなら、問題点を具体的に知る事ができるでしょう。

別のものにこだわっている

仕事のやり方はどんどん改善すれば良いのですが、自分のスタイル、いわゆる俺流にこだわっていると、目の前にあるヒントを活かせません。こだわる場合とこだわらない場合の注意点に書いた様に、ピンポイントでこだわるとうまくいきません。

また、恥ずかしがって聞かない人も、自分のプライドにこだわっているのでしょう。情報を得るには Give & Giveなのですから、積極的に情報発信しないと情報を得る事はできません。

おわりに

ここに挙げた内容は、偶然の中から幸運を見つけ出す場合にも、あるいは、問題点を見いだす場合にも共通の内容です。

問題を見つけだすことができれば、戦略的に攻略できます。ピンチはチャンスと言いますから、きっと幸せな出来事も見つける事ができるでしょう。

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