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BABYMETALに見るマネジメントの工夫

前の記事(BABYMETAL :「ブルーオーシャンは闇の中」あるいは「デカルチャー」)を書いてから色々調べていると、 BABYMETALにはマネジメントの工夫が色々ある様です。

適切な負荷

メインボーカル以外の2人がBLACK BABYMETALとして極を持っています。これはメインでない2人も歌わせることで、2人のやる気を引き出すだけでなくメインボーカルを休ませるという考えもあるのだと思います。メインボーカルのSU-METALのソロもある様ですから、交代で休ませながらライブの構成ができるのでしょう。
(参考:Wikipedia エクストリーム・プログラミング/最適なペースの仕事

リソースの確保

バックバンドも生演奏の神バンドのほか、カラオケの当て振りをするBABYBONEなどが用意されている様です。中学生や小学生のヴォーカルが相手では専任にできないのでしょう。エアーバンドを予め用意してリソースを確保しているのでしょう。
(参考:オプションを維持するためのアソビ - CCPMのバッファを考える -

裏方ながらリードする

BABYMETALのライブ公演中は「キツネ様」がメンバーに降臨している設定になっていて、KOBAMETAL氏だけが狐の神様の言葉が理解できて伝えるという、ちょっと面白いリードをされています。このあたり、 きゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースした中田ヤスタカ氏が「手伝っているだけだ」といかにもサーバントリーダーシップだったのと違いがあって面白いですね。
(参考:サーバントリーダーシップで「和」(ハーモニー)を実現する

ゴールのためならトコトンやる

BABYMETALはMVもライブも完成度が高いと思います。特にライブでの巨大なマリア像や3匹の狐が配置されている様子は、新しい世界を確実にするためにとことんやっているのだと思います。
(参考:リーダーはゴールのためなら何でもする - ドクター先輩の個人指導 -

みんなで楽しむ

インタビューの動画を見ていると、3人とも楽しんでいます。もともと女性アイドルグループさくら学院のメンバーで、その時と「全然違う」とニコニコしていました。たぶん、みんなでワイワイ楽しむ勉強会のような「場」ができているのでしょう。
(参考:技術者には「場」が必要 - 勉強会に行く理由 -

敏感期を活かして学ばせる

少し古いインタビューで、海外に興味があると言ったら、中学生だからまず英語」と英語を学ぶように言われたそうです。最近の動画ではモノオジせず英語を話しているので、砂浜に水を撒いた様にドンドン吸収して成長したのでしょうね。ちょうど興味を持ったタイミングで学ばせるうまいやり方ですね。
(参考:[TiDD] プログラマの敏感期 - モンテッソーリ教育からTiDDを考える -

おわりに

あたり前と思われたかも知れませんが、少し調べただけでこれだけ色々と書けるのは驚きです。目先のヒットを狙うだけでなく、先のことを見据えていたからチャンスを生かせたのでしょうね。

仕事柄、ついつい目先のゴールに捕われがちになりますが、大切なことを見失わない様にしたいと思いました。

おまけ

BABYMETALの曲はアマゾンのプライムミュージックで聞くことができます。動画はyoutubeで見ました。

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「モノ書き」 - 山口 英先生をしのんで -

若い頃にJUSで発表していた(ISO-2022-JP)ので、たぶんシンポジウムなどでお見かけしていたと思いますが、山口英先生をキチンと認識したのは奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の1期生として入学してからです。

世の中では初代情報セキュリティー補佐官とかUNIXで有名だと思いますが、私にとって山口先生は、やはり先生です。

NAISTのハッカー

NAISTの1期生として入学した頃、大学は工事中で工事現場の中に作りかけの地球防衛軍のビルがあるような光景でした。新設の大学なので予算は豊富だった様ですが、ハードはあるものの細かな環境が整っておらず、色々と工夫する必要がありました。

そこで、旗を振られたのが山口先生でした。 学生に声をかけて環境を整備するボランティアを集められました。私もあまり貢献できなかったのですが参加していました。

フリーウェアのポーティングなど、自主的な活動や研究と絡めた活動など、どんどん環境が整いました。その後の学生さんたちが使われたツールもたくさんあると思います。

その集まりだったか、補習的な講習だったか、様々なレクチャーを受けました。LaTeXの使い方も教わりました(TeXも教えて欲しいというとLaTeXを使う様に言われた記憶があります)。

授業

いつの間にか国のお仕事をされていた山口先生ですが、とてもわかり易いネットワークの授業だったことを覚えています。

試験ではモバイルIPについて論述する問題があり、頑張って書いた記憶があります。試験会場で「汚くて読めない回答は0点にする」という主旨を言われましたがすでに遅く、とにかく思うところをいっぱい書いてやろうと答案用紙の裏側まで書きました。

とても読みにくい汚い回答でした。評価は期待していなかったのですが、頑張って読んでいただいたようで優をいただきました。指導は厳しくても、温情のある先生でした。

モノ書き

忘れられないのは授業中の言葉です。当時のモバイル神機であるGATEWAY 2000 HANDBOOK 486で宿題の期限を決めながら、自身のことを「モノ書きが仕事」と言われたのを覚えています。

当時、山口先生はUNIX関係の雑誌に記事を書かれていたので、あまり深くは考えなかったのですが、これが私にとって大切な言葉になりました。

疑問の解消

それまでの大学院は研究者のもので、企業で研究していれば大学でより深める、学生であれば先生に、というのが普通の認識でした。NAISTは私の様に一般の社会人を集めましたので、さてどうしたものかという疑問がありました。

ソフトウェア工学の研究は対象の特定状況で役に立つものですが、常に役立つとは限りません。特に規模の小さい開発では統計情報も使えず、会社に戻っても知識が活かせるとは限りません。

たまたまチャンスが得られて留学した私も、何年かすると陳腐化する知識をどう活かせば良いかと悩んでいました。そこで思い出したのが山口先生の言葉です。

「モノ書き」というのは複雑な内容を整理して人に伝えるのが仕事だと思いました。大学院では論理的思考を学ぶと言いますが、論文作業を通じて世の中の問題を整理し、解決法を示し、効果を示すのだと考えることができました。

大学院で得られる知識や人脈は時間と共に価値が下がりますが、「読み書きプレゼン」を通じて学んだ物事を論理的にとらえて伝える能力は、いつでも、どこでも役に立ちます。

大学院は「読み書きプレゼン」など(低レベルのこと)を学ぶ場でない。などと言われたこともありますが、このような基本的でどこでも役に立つことを学んだと認識できたのは、山口先生のおかげだと思っています。

おわりに

研究室でお世話になった訳ではないですが、私の人生に大きな影響を与えていただいた先生の一人なので書かずにはいられませんでした。

実は私の方が少し年上で、驚きと共に残念な気持ちでいっぱいです。分野は違いますが、学んだことを活かしながら社会に貢献したいと思います。

最後になりましたが、ご冥福をお祈りします。

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懇親会は補習以上の価値がある - 勉強会だけではもったいない -

補習というと、昔は成績の悪い子供が進級させてもらう代わりに基礎的な補習を受けるものでしたが、最近は進学に向けて高度な内容の受験対策の補習もある様です。

懇親会は補習以上の価値がある

勉強会の懇親会はその両方の特長があります。初心者は周りの人に質問できますし、内容を理解した人も発表者とお話しすることで、理解をより深めることができます。

逆に教えたり相談を受けた側も、勉強になります。人に説明すると自分の知識の曖昧なところがわかりますし、他の会社ではどうしているかなど、世の中の状況もわかります。

そして何よりも、懇親会に参加することでこれまで知らなかった人と知り合うことができます。仕事関係でない技術者と知り合える機会はめったにないでしょう。

懇親会はコミュニティのエンジン

コミュニティの勉強会では必ずといって良いほど懇親会があります。コミュニティは勉強会を開催するだけの無償のイベント会社ではなく、人と人をつなぐものだからです。

勉強会の内容を題材にお互いの理解を深め合う、そんな相互扶助がコミュニティの基本になります。勉強会では語り尽くせない内容を懇親会では提供してくれます。

懇親会では、次はどんな内容にしようかとか、誰にお願いしようか、など多くのことが話され、コミュニティの方向性が決まっていきます(もちろん、別に打ち合わせをすることもあります)。懇親会はコミュニティのエンジンなのです。

お酒が飲めなくても

懇親会ではお酒が出ることが多く、お酒の苦手な方は敬遠されているかも知れません。しかし、体調我悪かったり車に乗るからなど飲めなくても参加される方はおられます。

それは、懇親会でないと得られない情報や人脈があるからです。資料には書きづらい内容や仕事と関係ないからこそ聞ける内容があることを知っていますし、何より仲間と話すのは楽しいからです。

ただ、ノンアルコールだと割り勘負けするかも知れませんので、気になる方は食べる方で元を取ってください。

おわりに

初めはタイトルを「 懇親会は補習」としていましたが、書いているうちにそれ以上に価値のある内容になりましたので書き直しました。

興味のある勉強会を紹介されて、勉強会に参加しても懇親会に出ない人がおられます。とてももったいないと思います。勉強会の内容は資料を読めばだいたいわかるからです。

懇親会に参加すれば、資料ではわからない色々なことがわかりますし、知り合った仲間と学んだ内容をより深く楽しめます。ぜひ、懇親会に参加してください。

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「なんで?」と「自分だったら」が属人化を防ぐ1 - 必要な時に、必要なものを、必要なだけ -

珍しく社内でお話しする機会がありました。

社会人になって32年。20世紀と21世紀を半分ずつ過ごしてきました(正確には21世紀は2001年からなので少し短い)。

今の会社を知ったきっかけは先輩が残業が多いと愚痴りにきたからで、「残業代は多いけどシンドイ」と聞いて、結婚資金を貯めたかった私は興味を抱きました。

調べてみると最初に商用としてUNIXを導入したとか、面白そうだったので会社に入りました。

当時は「モーレツ社員」とかいう言葉に代表される様に、イケイケドンドン、フォードの自動化に象徴される大量生産大量消費の時代でした。

20世紀の末になるとトヨタ生産方式に代表されるような効率化が求められる様になり、米国が日本の技術を参考にリーンやTOCといった無駄のない方法が考えられる様になりました。そして21世紀は根性論ではなく、無駄のない効率が求められる様になりました。

残念ながら、世の中がそのように変化している中で属人化を無くす方法は、資料を整理したり、勉強会を開く、など昔ながらのまとまった時間をかける方法が行われています。

しかし、よく考えてみると、そのような方法を取らなくてもリーダーは大事なところは把握していますし、トラブルが生じるとここがおかしいのではないか、などと言い当てています。

リーダーの様に 日々の仕事の中で、「なんで?」と疑問を残さず、「自分だったら」と考えれば、もっと効率的に属人化を防ぐことができます。

それは生涯学習の方法であり、アクティブラーニングであり、機械学習にも似たケース・ベースド・リーズニングの方法で、障害が予測されるフォルトプローンを知る方法です。

それは大変に思えるかも知れませんが、情報量の定義を利用して全てではなく大切な情報を見極めて常に整理していれば、意外と楽にできることです。

真面目に頑張ることが正しいとは限りません。「なんで?」と「自分だったら」を活用して、属人化を防ぎましょう。

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ザ・ゴール2 コミック版:TOCの思考プロセスは、ツール、知識、考え方から

TOCの思考プロセスには3つのツールが登場します。“ものごとのつながりを考える「ブランチ」、意見の対立について考える「クラウド」、目標を達成する方法を考える「アンビシャス・ターゲット・ツリー」”(教育のためのTOC 日本支部)の3つです。

TOCfE(教育のためのTOC)勉強会でのモヤモヤ

これらのツールについては引用元のTOCfE勉強会が関西でも開催されていて(facebook)、そのワークショップへの参加を通じてだいたい知っていました。

でも、正直なところ少しモヤモヤしていました。それは、どのような局面で使うのか、問題をモデル化しても結局はアイデア勝負ではないのか、そのモデルは正解なのか、といった疑問です。

しかし今回、 ザ・ゴール2 コミック版を読んでようやくすっきりしました。まずは3つのツールから説明します。

意見の対立について考える「クラウド」

前作のザ・ゴール コミック版 でもCCPMに繋がる家族のストーリーがありましたが、今回は親子の対立をクラウドで解決します。

クラウドでは対立する意見の理由(なぜ)に共通する同じ目標をモデル化します。共通の目標と考え方の違いを明確にすることで、互いの理解が深まり、対立を解消する解決策を考えることができます。

目標を達成する方法を考える「アンビシャス・ターゲット・ツリー」

コミック中では「前提条件ツリー」と呼ばれています。これは、目標を達成するために必要な「中間目標」をはっきりさせるためのツリーです。

まず、目標を達成しようとするときの障害を挙げ、その障害をかわせる中間目標を考えます。そして、現在から中間目標をたどり目標まで論理的につなげることで、障害をかわして中間目標を達成する手順を考えていきます。

ものごとのつながりを考える「ブランチ」

UDE( Undesirable Effects: 好ましくない現象)を明確にして、因果関係から現状ツリーを作成します。問題の全体像を示して「何を考えるか」をはっきりさせます。現状ツリーができれば、全てのUDEの原因がわずか一つかふたつの根本(コア)となる問題がわかります。

現状ツリーのUDEをひっくり返してDE(Desirable Effects: 望ましい現象)を考えて図式化し、「何に変えるか」を考えるために 未来現実ツリーを作ります。

現在から未来に向かって実行していく移行ツリーを作る例や、 アンビシャス・ターゲット・ツリーを使ったお話も出てきます。

知識と考え方

この本ではツールの使い方がストーリーで示されています。そこにはワークショップではわからない、知識や考え方にポイントがあると思いました。

まずは知識の重要性です。今回は財務のスペシャリストの女性が問題を整理していましたし、家族の対立の際も子供がどのような考えを持つかを大人が知らなければ理解が進まなかったでしょう。

次に「コア」根本の問題を見つけていることです。表面的にはたくさんの問題があっても、まず解決しないといけないのはそんなに多くはありません。セーフウェアの根本原因やなぜなぜ分析にもつながるポイントだと思いました。

最後にUDEからDEに反転させていることです。論文の書き方でも同じようなことをしています。物事を裏側から見ると意外とシンプルになりますし、考えも広がります。

つまり思考プロセスというのは、物事を知り、現実を深め、アイデアを広げることで、3つのツールはそれを支援している。なので、ツールはあくまでも考える道具なので、本業の腕を磨き、考えを深め、広げる際に、必要に応じて使えば良いと思いました。

思考プロセスが単なるツールではないと理解したとき、この本がより素晴らしく感じました。

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考えろ、理解しろ、整理しろ

渡辺幸三さんのブログ:設計者の発言を読んでいて感じたこと。

日々の仕事をする中で口うるさいと思われても、年長者の務めなのできっかけを見つけては指導している。色々と言っているが、だいたい以下の3つに集約できるだろう。

考えろ

指示されたままに仕事をしたり、いつも通りで良いと思っていないだろうか。

渡辺さんの「論理削除」ではなく「無効化」をスタンプ属性や更新履歴テーブルの無駄っぽさを読んでいると、習慣ではなく考えて仕事をすることの重要性を感じる。

より良い方向を考えても、全体との調和の問題で実施できないかもしれない。しかし、きちんと考えてシステムを作り上げることはとても重要だ。次の仕事に活かせるからだ。

なぜかを理解しろ

学部の恩師の言葉で忘れられないのが「職人になるな勉強を続けなさい」という言葉(社内勉強会より社外の勉強会)。知っているだけではなく、きちんと理解していなければ技術者とは言えない。

人に聞いてわかったつもりで仕事に使い、うまくいったらそれでおしまい。それは技術者でも職人でもない。ただの人工(にんく)に過ぎない。

ものごとの原理は何なのか、その人はどうやって情報を知ったのか、広い目で深く理解していれば、自己流ではないより良い方法が選択できるだろう。

整理しろ

世の中のできる人を見ていると、常に考えて仕事をし、より深く理解しているだけでなく、情報を整理してコンパクトに理解している(できる人を観察して勝負する

得た知識はそのままにしておけば忘れてしまうし、量が増えれば大変になる。知識を活かしてステップアップするには、これまでの知識との関連を整理しておく必要がある。

体系化できていればすべてを覚えておく必要はない。どの資料に書いてあるかを知っていれば、いつでも確認できるからだ。経験のインデックスを作るのだ。

おわりに

世の中には新しい情報があふれているが、実は似たような議論を繰り返していることも多い。

渡辺さんの議論も、コードクローン(リンク先は阪大井上研)は全て悪か、より良いバランスはあるのか、と言う議論に見えなくもない(普及しているオープンソースには一定のコードクローンが存在するらしい)。このようにマッピングできるのは、ものごとを考え、理解し、整理しているからである。

ここに挙げた内容は技術者にとって基本的なことであるが、実践は難しい。自分のことはともかく、若者の可能性を信じて意見するのが年長者の務めだと思っている。

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刑事コロンボは東尋坊に関係者を集めない - 論旨の伝達に起承転結は不要 -

日本の学校では国語の授業で起承転結を習いますが、論旨が伝わりにくいので技術文章やビジネス文章としては良くない書き方です。 起承転結は後半にならないと結論がわからないからです。

Wikipediaによると、英語圏ではパラグラフ・ライティングが一般的とされています。そして、「パラグラフ・ライティングでは、結論にあたる主張が、文章全体の最初のパラグラフ (段落) に書かれる」とされています。

今回は、初めに結論が書いてあって、その後に説明が続く構造のメリットを考えてみます。

刑事コロンボは東尋坊に関係者を集めない

外国ドラマの「刑事コロンボ」では初めに犯人を示しておいて、刑事コロンボが犯人のトリックの矛盾を示していきます。日本の推理ドラマの様に、誰が犯人かわかりにくくする話をはさんでおいて、最後に東尋坊の断崖絶壁で関係者を集め、犯人を明らかにするということはありません。

刑事コロンボは犯行シーンから始まるので、見ている人に犯人は明らかです。誰が犯人かドキドキする必要はなく、犯人がどのように追い込まれていくかをじっくりと楽しむことができます。探偵や刑事の心境だけではなく、犯人がどのように考えているかまで推測することができます。

圓蔵(元円鏡)さんは先にオチを言う

日本でも、圓蔵(元円鏡)さんの落語は、同じような構造になっています。落語というと最後のオチがどうなるかを楽しみに聞くものですが、先にオチを言ってしまうのです。そして、どうやってそのオチに持っていくかを楽しませる落語をされます。

そもそも古典落語の常連はオチを知っていて、話の膨らませ方や話術を楽しんでいます。圓蔵さんは先にオチを言うことで、初めて聞く人にも、常連のような楽しみを与えているのでしょうね。

論理的な構造や内容に集中できる

刑事コロンボは論文や技術文書と似ています。結論を知ることで、論理的な展開や周辺の事情が見える様になります。

結論を初めに持っていくと言いたいことが予めわかるので、読者は論理的な構造や内容に集中できます。これは論文にふさわしいだけではなく、技術文書にも適切な構造です。

早めに考え始めることができる

もう一方の圓蔵さんの落語はビジネス文書に似ています。何が言いたいかわからない文章をダラダラ読まされることなく、結論がわかるからです。

判断を求められている時に結論がわからなければ、考え始めることができません。結論を先に示しておけば、その結論をどう判断すべきかを考えながら読むことができます。

エグゼクティブサマリ

もし長い文章を回覧するなら、エグゼクティブサマリ(偉い人向けの事業計画)のような概要を付けましょう。社会人のためのシンポジウム発表入門 リーン論文作法 のスライドに書いた様に、概要は具来的なエッセンスで書くことができるからです。

そして、許可をお願いする時もダラダラと話すのではなく、結論とエッセンスを先に話しましょう。きっと業務がはかどるでしょうし、上司のイライラがなくなって良い結果が得られるでしょう。

論文投稿はアクティブラーニング

大学では論理的な思考を教育すると言われていますが、実は論文投稿を通じて論理的な構造の文章作成や発表のアクティブラーニングの場です。実践を繰り返す中で、物事を論理的に整理することができ、新たな論理も組み立てられる様になります。

それは大学でなくてもできることです。日々構造を意識して文書を書く、シンポジウムに論文を書いて議論するということが、そのような繰り返しになります。そのような実践を通じて、技術者はより能力を高められる様になるのです。

おわりに

技術文書やビジネス文書は論理的な情報を端的に伝えるものです。論旨を明確にするには起承転結は不要で、初めに結論を示すべきです。

初めに結論を示せば、内容が明確に伝わり、読み手に考える時間を与えます。これは、会話や発表でも有効な方法です。

文書は構造を考えることでその価値が高まります。ぜひ一度、結論を始めに書いてみてください。難しいならエグゼクティブサマリを付けてみてください。

#キャッチーなタイトルのつもりが、古すぎたかなぁと思いつつ、、

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意外と難しい進捗報告 - 進捗報告で気をつける事 -

進捗報告とはその名前のとおり進捗を報告することです。しかし、お客様や上長に報告する際は、朝会などの日々のミーティングで報告する内容(やったこと、やること、課題)とは異なります。

アジャイル開発における朝会は日々の作業のコミットしても、イテレーションのスコープの達成にはコミットしません(タイムボックスが終わればそこまでしかしない)。
#プロダクトオーナーの方に同じような苦労が集中するのでしょう。

しかし、従来型の開発では全体のスコープと納期にコミットしているので、その実現に向けての対策を説明しないといけません。また、進捗報告をきっかけに上長や顧客、関連組織は、問題の解決に向けてそれぞれの権限を行使しようとしますので、適切な報告が求められます。

進捗報告では(必要なら全体の中の現在の作業の位置づけを簡潔に説明したあと)、作業の状況(遅れ進み)とその理由を説明します。遅れていればそのリカバリ策とリカバリの見込みを説明します。

その際には、以下のような点に注意した方が良いでしょう。

必要以上に不安を与えない

課題の共有をする場合は、それが自分たちで解決できるか、それとも誰かの助けが必要なのかを明確にします。自分たちで解決できる事に上長や顧客が関与し出すと作業が遅れてしまいますのでお互いにメリットがありません。

逆に助けが必要な際は、手遅れにならない様に早めに連絡します。上長に掛け合ってもらいたいのに、出張に行ってしまってタイミングを逃すなんてことの無い様にします。対応の必要性が見えてきた状況で説明しておくと、相手もその準備ができるでしょう。

必要以上に不安を与えたり、手当が遅れない様にするには、状況説明の際にその理由をきちんと説明すると良いでしょう。

例えば、増員が2週間遅れたものが1週間の遅延までに取り戻したものを、単に「1週間の遅れ」と言うと不安をあおってしまいますが、「2週間の遅れを半分取り戻した。今月中にはリカバリできます」と言えば、不安はあまりないでしょう。

見積もりミスと思われない

予定よりも進捗が進んでいるからと、お客様に自慢げに話すのもよくありません。当初の見積もりに対してお客様は費用を払っているからです。きちんと説明する必要があります。

これから問題になりそうなリスクがあって、残業して少しでも前倒しにしようとしているなら、そのように説明すれば良いでしょう。本当に見積もりミスならお詫びするしかないですが、間違った理由は説明すべきです。

責任をなすり付けられない

複数チームで開発する際にありがちなのが、責任をなすり付けられることです。特にライバル会社がいる場合は、相手を出し抜こうとチョットした事でもとんでもない事の様に言われる事があります。

負けずに言い争っても何も解決しませんので、謝るべきは誤ってゴールに向けてどうすべきかを話します。責任を押し付けるようなチームは大抵は問題を隠していますので、結合時期を遅らせる等の譲歩を求めると意外と合意してくれるものです。

相手によって表現を工夫する

同じ状況でも相手によっては表現を工夫した方が良い場合もあります。長期的な視点からアピールする事も必要ですし、予算措置が必要になるなら早めに言った方が良いでしょう。

危機感をあおりすぎてもいけませんが、リスクは共有しないといけません。相手の立場や個性にあわせて、表現の工夫は必要です。初めてのお客様なら、周りの人の話し方を参考にすると良いでしょう。

嘘をついてはいけない

そのような場合でも守らないと行けないのは、嘘をつかない事です。一度、嘘をついてしまうと、状況が変わらない限り嘘に嘘を重ねることになります。

見積もりが甘かったのに嘘をついて残業以外の対策をとらないなら、いずれ破綻します。自分で解決できない問題は早めにデシジョンして、対策を取らないといけません。

多くの対策には調整が必要で、時間がかかるものが多いです。追加予算には稟議が必要かも知れませんし、仕様の削減ならステークホルダーに納得してもらわないといけません。タイミングを逃さず報告すべきです。

相手に合わせて表現を工夫しても、嘘をついてはいけません。

おわりに

若い人の指導を始めると色々と気になるものです。 自分ではそれほど経験値が高いと思ってなくても、それなりにあった様ですのでまとめてみました。少しでも参考になれば幸いです。

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