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映画「沈黙」 - ダメな自分を受け入れてたくましく生きる -

映画「沈黙 - サイレンス -」を見ました。遠藤周作さんの告解(赦しの秘跡、いわゆる懺悔)共言える原作を読んでいたので、過激なシーンがないかと少しドキドキしていましたが、良い感じで遠藤周作さんの思いが表現されていました。

ソフトウェア業界ではメンタル面で問題を抱える人が増えています。その根底には主人公のロドリゴの苦しみに繋がる問題があると思いました。

ストーリー

徳川の時代になって禁教令が出た頃、音信不通になった神父を追って日本に宣教に来た神父ロドリゴ、踏み絵を踏んでマニラに逃げ延びたキチジローを案内として神父ガルベと共に日本に忍び込み、隠れながら宣教活動をします。

しかし、キリシタンに対する弾圧は激しさを増し、最後には捕まってしまい、棄教を迫られます。ロドリゴは神に祈りますが神の声は聞こえず、棄教しないと他の人間が殺されていまいます。

踏み絵を踏む事を迫られてついに棄教しようとした時、ロドリゴは神の声を聞きます。

遠藤周作さんに必要だったもの

実話を元に描かれたロドリゴは、宣教師としては失格でしょう。この姿は自ら「ぐうたら」と称する遠藤周作さんの人生の写像の様です。教会からフランスに留学させてもらったものの、結核で帰国。しかも、フランスでは婚約者のいる女性と恋仲になるなど、自慢できない過去がありました。

そんな遠藤周作さんが求めたのは、ダメな自分をゆるして、次に進む力を与えてくれる優しい神様でした(注参照)。そのような信仰が遠藤周作さんに世界から賞賛される作品を生ませました。

これは自己肯定感と言われているものです。

次に進むための自己肯定感

信仰に関係なく、人には自己肯定感が必要です。もし自己肯定感が無いなら、理想の自分とのギャップに苦しむことになります。

その結果、自分の責任ではないと犯人探しをして責任転嫁や言い訳をするか、自分はダメだと自己嫌悪から落ち込む事になります。何れにしても現状を受け入れていないので次に進む事ができません。

プロジェクトをより危険な状態にしてしまう

自己肯定感は個人の問題ですが、その影響でプロジェクトの問題をさらに悪化させ、より危険な状況にしてしまいがちです。

責任転嫁をする人は自分は悪くないと思っていますので、批判しかしません。他の人にたしなめられても受け入れる事ができす、かたくなな姿勢で問題解決に向けた行動を取ろうとしません。

逆に落ち込む人は、迷惑をかけるとか、怒られるからと、問題を報告しないでもう少し自力で何とかしようとしがちです。でも、そもそも問題の原因があまり理解できていないことで問題が顕在化したのですから、問題は大きくなるばかりです。

自分は一人じゃない

「沈黙」の神様は最後の最後にならないと声を聞かせてくれませんでした。しかし、プロジェクトは会社という組織活動ですので、一人ではありません。

わからない事は聞けば良いですし、困った時は相談すれば良いはずです。それができないのは、自分や現実を肯定できないからです。

(もちろん、逃げ出さざるを得ない時もあるでしょうが、そのような状況なら、一人で努力するだけ無駄です)

より良い未来をめざす!

現実を受け入れた後の未来は、理想どおりではないかも知れません。しかし、合理的で、自分一人で悩むよりもより良い未来です。

人の助けを借りても負い目を感じる必要はありません。今度は他の人を助ければ良いのです。そうすれば、幸せの輪がどんどん広がります。責任逃れをしている自分、情けないほどにダメな自分を認めれば、人に優しく、社会に貢献できるのです。

ダメな自分を受け入れてたくましく生きましょう。映画「沈黙」を見て、その思いを強くしました。


遠藤周作さんまでのキリスト教は、明治時代の内村鑑三を初めとする厳しいキリスト教でした。キリスト者として生きる事が神の証であり、悪い事をせずに清く生きる事が求められました。

しかし、現実には戦時中に「父と子と聖霊と天皇陛下万歳!」と言わなければ、教会を存続できませんでしたし、闇市に依存するなど法律を破らなければ生きていけない時代だったようです。

そのように誰もが罪の十字架を背負っている時代を踏まえて、遠藤周作さんは傍にいる神の愛と赦しを信仰の中心としました。より愛を重視する考え方は世界的にも注目され、「沈黙」は多くの国で翻訳されて読まれることになりました。

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