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日本は遅れているのではなくやられている - いつ追いつくねん! -

古くから日本は米国に5〜10年遅れていると言われていました。現在もその差は縮まった様には思えません。しかし、よく考えると遅れてるのではなくて負けている、いや、やられているのではないでしょうか?

日本は遅れているか

ここ20年ぐらいを振り返ってみると、CMMブームやアジャイルブームなどがありましたが、CMMが出てきた時は日本のある企業がだいたいレベル3だと記事を書かれていましたし、スクラムやリーン等は日本の技術を参考にしたと言われています。

日本ではそれぞれの企業文化があったにも拘らず、まじめにレベルを1つずつ2−3年かけて上がろうとして、いわゆるレベル3の壁にぶちあたり、企業文化もつぶしてしまいました。

その間にインドは数年でレベル5を達成し、オフショアビジネスが成功しました。アジャイルの源流になった日本の技術や、アジャイルとの向き合い方も同じようにやられている感じがします。

むかしは国際会議でも日本企業の品質管理は高い評価を得ていました。ただ、日本の技術は企業内での技術にとどまり、世界に向けてアピールや標準化、技術をビジネスに活かすのが下手だったと思います。

「ソフトを他人に作らせる日本、 自分で作る米国」を読んでという記事のスライドにあるように、 ハンフリーさんの「ソフトウェアでビジネスに勝つ 」にはリリース済みのソフトウェアが、20欠陥/KLOCだったとされています。50行ごとにバグがあるソフトをリリースするなんて日本ではあり得ないと思います。

アジャイル開発の比率が低いのは遅れているのか

アジャイル開発しか考えられない人には遅れている様に感じるかも知れませんが、

米国IT業界に過去あった多重下請構造、それが破壊された理由 - プロマネブログ

にあるように、英語圏ではCMMブームの後にオフショアブームがあって、プロセスの品質が保証できる海外に従来型のビジネスが流れました。結果的にオフショアが困難なビジネス直結型の開発が残ったと言えるでしょう。

遅れているとすればオフショアですね。

なぜやられているのか?

CMMの時はこれまでのやり方は古い、標準プロセスで組織全体を改善してレベル達成だ!と頑張った企業も多かったので、すぐにカイゼン文化を捨ててしまいました。そうこうするうちにCMMIになって段階的でなくて良いなどと言われ、仕切り直し。ブームには良い点もありましたが、日本の企業はかなり疲弊した様に思います。

真面目に頑張っても、オリンピックのようにルールを変えられます。スクラムガイドも初めは優先順で、書籍「アジャイルと規律」にある他のアジャイル開発法のようにリスクベースでないと使えないと思っていたら、次の版では表現が変わりました。どうやって優先順で開発するのか頑張らなくて良かったと思いました。

日本人は真面目なので、良いものと言われると「守破離」よろしく、まずは完全に実施しようとします。でも、ビジネスにレベル5が必要だからそれを達成すると割り切れば、インドよりも早くレベル5を達成できたのではないかと思います。

このように振り回されない方法は、ルールを決める側に立つことです。すでに多くの日本企業が規格委員会に入るなどされていますが、もっと多方面でアピールする必要があると思います。

可能な戦略

とはいえ、多勢に無勢だったり、ビジネスとのつながりや、リソースの問題もあって正攻法が正解とは限りません。やられないには工夫が必要です。

【別の道を進む】
同じ土俵にたたない方法です。遅れていると言われようがビジネスが成り立つなら、それはそれで勝者です。トコトン極めて最後に残れば、誰にも負けない存在に慣れるでしょう。希少価値が出るかも知れません。今さらCOBOLと言われていたのに、2000年問題ではかなり儲けた方もおられるのではないでしょうか。

【使えそうなところを取り込む】
技術には想定する対象がありますので、そのままでは使えないなら、必要な所だけを取り込めば良いと思います。デザインパターンや組織パターンでさえもパタンランゲージ([#agileto2014] コーディネートは全体で - Agile Tour Osaka 2014「パタン特集」 -)の考え方の一部を利用したものである事を知ってから、特にそう思う様になりました。

【追いつき追い越せ】
とはいえ流行りの技術には、最新の技術が集まります。そのまま適用できるなら部分的でなくしっかり使うのも良いでしょう。ただし、受け身にならないで得意分野だけでも貢献すべきだと思います。情報発信すれば情報は集まります(情報を得るには Give & Give - 発表のモチベーション -)。いずれ追い越す事も可能でしょう。

おわりに

遅れているからやらないといけない。なぜなんでしょうね。変わらないといけないのは問題がある時です。そうでなければ、少しずつ改善すれば良いのではないでしょうか。

人が存在価値を発揮するは、その人の能力を発揮した時です。ブームに乗っても能力が発揮できないなら、意味がありません。社会貢献(ビジネスを含む)ができる得意分野があるなら、そこで能力を発揮して楽しめば良いと思います。

これ以上やられちゃったら嫌なので、、

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