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BABYMETALに見るマネジメントの工夫

前の記事(BABYMETAL :「ブルーオーシャンは闇の中」あるいは「デカルチャー」)を書いてから色々調べていると、 BABYMETALにはマネジメントの工夫が色々ある様です。

適切な負荷

メインボーカル以外の2人がBLACK BABYMETALとして極を持っています。これはメインでない2人も歌わせることで、2人のやる気を引き出すだけでなくメインボーカルを休ませるという考えもあるのだと思います。メインボーカルのSU-METALのソロもある様ですから、交代で休ませながらライブの構成ができるのでしょう。
(参考:Wikipedia エクストリーム・プログラミング/最適なペースの仕事

リソースの確保

バックバンドも生演奏の神バンドのほか、カラオケの当て振りをするBABYBONEなどが用意されている様です。中学生や小学生のヴォーカルが相手では専任にできないのでしょう。エアーバンドを予め用意してリソースを確保しているのでしょう。
(参考:オプションを維持するためのアソビ - CCPMのバッファを考える -

裏方ながらリードする

BABYMETALのライブ公演中は「キツネ様」がメンバーに降臨している設定になっていて、KOBAMETAL氏だけが狐の神様の言葉が理解できて伝えるという、ちょっと面白いリードをされています。このあたり、 きゃりーぱみゅぱみゅをプロデュースした中田ヤスタカ氏が「手伝っているだけだ」といかにもサーバントリーダーシップだったのと違いがあって面白いですね。
(参考:サーバントリーダーシップで「和」(ハーモニー)を実現する

ゴールのためならトコトンやる

BABYMETALはMVもライブも完成度が高いと思います。特にライブでの巨大なマリア像や3匹の狐が配置されている様子は、新しい世界を確実にするためにとことんやっているのだと思います。
(参考:リーダーはゴールのためなら何でもする - ドクター先輩の個人指導 -

みんなで楽しむ

インタビューの動画を見ていると、3人とも楽しんでいます。もともと女性アイドルグループさくら学院のメンバーで、その時と「全然違う」とニコニコしていました。たぶん、みんなでワイワイ楽しむ勉強会のような「場」ができているのでしょう。
(参考:技術者には「場」が必要 - 勉強会に行く理由 -

敏感期を活かして学ばせる

少し古いインタビューで、海外に興味があると言ったら、中学生だからまず英語」と英語を学ぶように言われたそうです。最近の動画ではモノオジせず英語を話しているので、砂浜に水を撒いた様にドンドン吸収して成長したのでしょうね。ちょうど興味を持ったタイミングで学ばせるうまいやり方ですね。
(参考:[TiDD] プログラマの敏感期 - モンテッソーリ教育からTiDDを考える -

おわりに

あたり前と思われたかも知れませんが、少し調べただけでこれだけ色々と書けるのは驚きです。目先のヒットを狙うだけでなく、先のことを見据えていたからチャンスを生かせたのでしょうね。

仕事柄、ついつい目先のゴールに捕われがちになりますが、大切なことを見失わない様にしたいと思いました。

おまけ

BABYMETALの曲はアマゾンのプライムミュージックで聞くことができます。動画はyoutubeで見ました。

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BABYMETAL :「ブルーオーシャンは闇の中」あるいは「デカルチャー」

食わず嫌いでした。 衝撃を受けました。

BABYMETALのデビュー当時、ニュース番組で見た時には、色物とか、子供のお遊びかと思っていました。しかし最近になって、youtubeがお勧めするのでじっくり見てみました。すると、そこには新しい世界が広がっていました。

Wikipediaには「メタルとアイドルを組み合わせ」と書かれています。私には、戦闘シーンの中で透き通る歌声が響くマクロス劇場版 愛・おぼえていますか ~における対照的な組合せや、聞くだけで力が抜けていくちょっときいてなを彷彿させるメッセージ性のある日本語の歌詞が、グイグイ入ってきます。

「ブルーオーシャンは闇の中」

広くて穏やかな海を優雅に泳ぐ先駆者を見ていると、自分だって少し頑張れば同じような利益が得られる様に錯覚をしてしまいます。しかし、ブルーオーシャン・シンドローム等と言われる様に、世の中はそんなに甘くありません。

BABYMETALもWikipesiaの反響と批評にある様に多くの批判や誤解を受けた様です。それは既存の音楽でないという批判で、その批判こそがBABYMETALが新しい世界を開いたという賛辞でもあるでしょう。

ブルーオーシャンと言うと静かで穏やかな砂浜に広がる青い海を思い浮かべますが、簡単に行けるところにあるならば、すでに誰かが泳いでいるでしょう。一人でその海を独占するには誰も気付かない夜明け前に出掛けるか、誰もいなくなるまで待たないといけません。

「デカルチャー」

「デカルチャー」とは、前述のマクロスで最後に異星人が叫ぶ言葉です。「理解し難い」「信じ難い」「衝撃的な」等の概念に相当する(ニコニコ大百科)ことばです。異星人もそうでしょうけど、マクロスを見ている私も新しい表現に驚きました。

BABYMETALにしろきゃりーぱみゅぱみゅさん(サーバントリーダーシップで「和」(ハーモニー)を実現する)の時も、ニュースで少し流れたときに「なんじゃこりゃ」と思いました。しかし、それはまだ夜明け前だったからだったと思います。

ただ、そこにはプロデュースへの熱い思いが感じられました。思い描く姿があって、それに向かって、とことんやり抜く。その姿勢があったからこそ、その後に繋がったのでしょうね。

おわりに

何か新しいものを作り上げるには、応用力だけでなく基礎力や学習意欲が必要です。素人が札束でできることは真似事です。しかし、基礎力があるか必要な知識を貪欲に得ようとする学習意欲があれば、努力によって他の人にはできないものを作り上げることができるでしょう。

また、仲間というものも大切な要素だと思います。昔書いた論文も、XPの実践者のほか、英語ができる人、ネイティブの協力者を得て、ソフトウェア工学でもっとも権威がある国際会議と言われるICSE'06にも採録されました。

暗闇で未来を描く熱い思いのほか、基礎力、応用力があり、仲間が居れば、夢が実現できるに違いない!と思います。BABYMETALが成功した背景にも、そんな条件が揃っていたのではないでしょうか。

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「モノ書き」 - 山口 英先生をしのんで -

若い頃にJUSで発表していた(ISO-2022-JP)ので、たぶんシンポジウムなどでお見かけしていたと思いますが、山口英先生をキチンと認識したのは奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の1期生として入学してからです。

世の中では初代情報セキュリティー補佐官とかUNIXで有名だと思いますが、私にとって山口先生は、やはり先生です。

NAISTのハッカー

NAISTの1期生として入学した頃、大学は工事中で工事現場の中に作りかけの地球防衛軍のビルがあるような光景でした。新設の大学なので予算は豊富だった様ですが、ハードはあるものの細かな環境が整っておらず、色々と工夫する必要がありました。

そこで、旗を振られたのが山口先生でした。 学生に声をかけて環境を整備するボランティアを集められました。私もあまり貢献できなかったのですが参加していました。

フリーウェアのポーティングなど、自主的な活動や研究と絡めた活動など、どんどん環境が整いました。その後の学生さんたちが使われたツールもたくさんあると思います。

その集まりだったか、補習的な講習だったか、様々なレクチャーを受けました。LaTeXの使い方も教わりました(TeXも教えて欲しいというとLaTeXを使う様に言われた記憶があります)。

授業

いつの間にか国のお仕事をされていた山口先生ですが、とてもわかり易いネットワークの授業だったことを覚えています。

試験ではモバイルIPについて論述する問題があり、頑張って書いた記憶があります。試験会場で「汚くて読めない回答は0点にする」という主旨を言われましたがすでに遅く、とにかく思うところをいっぱい書いてやろうと答案用紙の裏側まで書きました。

とても読みにくい汚い回答でした。評価は期待していなかったのですが、頑張って読んでいただいたようで優をいただきました。指導は厳しくても、温情のある先生でした。

モノ書き

忘れられないのは授業中の言葉です。当時のモバイル神機であるGATEWAY 2000 HANDBOOK 486で宿題の期限を決めながら、自身のことを「モノ書きが仕事」と言われたのを覚えています。

当時、山口先生はUNIX関係の雑誌に記事を書かれていたので、あまり深くは考えなかったのですが、これが私にとって大切な言葉になりました。

疑問の解消

それまでの大学院は研究者のもので、企業で研究していれば大学でより深める、学生であれば先生に、というのが普通の認識でした。NAISTは私の様に一般の社会人を集めましたので、さてどうしたものかという疑問がありました。

ソフトウェア工学の研究は対象の特定状況で役に立つものですが、常に役立つとは限りません。特に規模の小さい開発では統計情報も使えず、会社に戻っても知識が活かせるとは限りません。

たまたまチャンスが得られて留学した私も、何年かすると陳腐化する知識をどう活かせば良いかと悩んでいました。そこで思い出したのが山口先生の言葉です。

「モノ書き」というのは複雑な内容を整理して人に伝えるのが仕事だと思いました。大学院では論理的思考を学ぶと言いますが、論文作業を通じて世の中の問題を整理し、解決法を示し、効果を示すのだと考えることができました。

大学院で得られる知識や人脈は時間と共に価値が下がりますが、「読み書きプレゼン」を通じて学んだ物事を論理的にとらえて伝える能力は、いつでも、どこでも役に立ちます。

大学院は「読み書きプレゼン」など(低レベルのこと)を学ぶ場でない。などと言われたこともありますが、このような基本的でどこでも役に立つことを学んだと認識できたのは、山口先生のおかげだと思っています。

おわりに

研究室でお世話になった訳ではないですが、私の人生に大きな影響を与えていただいた先生の一人なので書かずにはいられませんでした。

実は私の方が少し年上で、驚きと共に残念な気持ちでいっぱいです。分野は違いますが、学んだことを活かしながら社会に貢献したいと思います。

最後になりましたが、ご冥福をお祈りします。

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懇親会は補習以上の価値がある - 勉強会だけではもったいない -

補習というと、昔は成績の悪い子供が進級させてもらう代わりに基礎的な補習を受けるものでしたが、最近は進学に向けて高度な内容の受験対策の補習もある様です。

懇親会は補習以上の価値がある

勉強会の懇親会はその両方の特長があります。初心者は周りの人に質問できますし、内容を理解した人も発表者とお話しすることで、理解をより深めることができます。

逆に教えたり相談を受けた側も、勉強になります。人に説明すると自分の知識の曖昧なところがわかりますし、他の会社ではどうしているかなど、世の中の状況もわかります。

そして何よりも、懇親会に参加することでこれまで知らなかった人と知り合うことができます。仕事関係でない技術者と知り合える機会はめったにないでしょう。

懇親会はコミュニティのエンジン

コミュニティの勉強会では必ずといって良いほど懇親会があります。コミュニティは勉強会を開催するだけの無償のイベント会社ではなく、人と人をつなぐものだからです。

勉強会の内容を題材にお互いの理解を深め合う、そんな相互扶助がコミュニティの基本になります。勉強会では語り尽くせない内容を懇親会では提供してくれます。

懇親会では、次はどんな内容にしようかとか、誰にお願いしようか、など多くのことが話され、コミュニティの方向性が決まっていきます(もちろん、別に打ち合わせをすることもあります)。懇親会はコミュニティのエンジンなのです。

お酒が飲めなくても

懇親会ではお酒が出ることが多く、お酒の苦手な方は敬遠されているかも知れません。しかし、体調我悪かったり車に乗るからなど飲めなくても参加される方はおられます。

それは、懇親会でないと得られない情報や人脈があるからです。資料には書きづらい内容や仕事と関係ないからこそ聞ける内容があることを知っていますし、何より仲間と話すのは楽しいからです。

ただ、ノンアルコールだと割り勘負けするかも知れませんので、気になる方は食べる方で元を取ってください。

おわりに

初めはタイトルを「 懇親会は補習」としていましたが、書いているうちにそれ以上に価値のある内容になりましたので書き直しました。

興味のある勉強会を紹介されて、勉強会に参加しても懇親会に出ない人がおられます。とてももったいないと思います。勉強会の内容は資料を読めばだいたいわかるからです。

懇親会に参加すれば、資料ではわからない色々なことがわかりますし、知り合った仲間と学んだ内容をより深く楽しめます。ぜひ、懇親会に参加してください。

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口説くか、待つか、勧めるか、それとも聞くか - 求められる適性とオブジェクト指向 -

GWのタイムラインに気になるツイートが2つ流れてきました。

どちらも根本は同じで、「業務の違い」だと思っています。

口説くか、待つか、勧めるか、それとも聞くか

あなたに好きな女性がいたらどうしますか?

自分についてこいな人は口説くでしょう、女性に積極性を期待する人は待つでしょう、様子を見ていてあなたに必要なものはこれでしょうと理解者になろうとする人もいるでしょう。

でもさっぱりわからない不思議ちゃんには聞かないとわかりません。つきあい始めてもやっぱり不思議で、いつも聞いては理解を深める必要があるかも知れません。

実は

この話題、実はソフトウェア開発と同じだと思っています。パッケージなら口説くでしょうし、お客さんが主導権を持たいなら説明を待つでしょう。業務システムならある程度お客様のお話を聞いて提案するでしょう。

でも、組み込みの様に特殊な業務なら、納得いくまでとことん聞いて、設計するごとに発生する疑問もどんどん聞くでしょう。

もちろん開発者の個性もあると思いますが、業務によって開発スタイルが変わるのではないかと思っています。

オブジェクト指向前夜

オブジェクト指向の前の時代、いくつかの開発法がありました。

DB、データ構造、機能、状態遷移やシーケンスなど、どれを中心にするかは開発対象の業務によって違いました。それぞれに良し悪しがありましたので、適材適所で使われていました。

やがて、複雑で大規模なシステムの要求やWHATとHOWの断絶が少ないことからオブジェクト指向が注目される様になりました。

オブジェクト指向いろいろ

オブジェクト指向と言ってもモジュール化、モデリング、コードの効率や再利用性、記法など、それぞれの注目している視点で語られました。クラスとインスタンスの関係を表のカラム構成と行で説明している本もありました。

やがて、UML(統一モデリング言語)に記法が統一されほか、デザインパターンが登場しました。この頃にソフトウェア開発を始めた方は、これらこそがオブジェクト指向だと思われているかも知れませんね。

ということで

ソフトウェアの業務にあわせて色々な手法が生まれたのち、比較的オールマイティな言語としてオブジェクト指向が普及してきました。

オブジェクト指向には様々な技術が統合され、記法も統合されました。ある業務だけに注目すれば、全ての技術や記法は必要ありません。それぞれにふさわしいものを使えば良いと思います。

議論は尖った表現の方が盛り上がりますが、他を否定するよりは多様性を楽しみたいと思います。

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