考えろ、理解しろ、整理しろ
渡辺幸三さんのブログ:設計者の発言を読んでいて感じたこと。
日々の仕事をする中で口うるさいと思われても、年長者の務めなのできっかけを見つけては指導している。色々と言っているが、だいたい以下の3つに集約できるだろう。
考えろ
指示されたままに仕事をしたり、いつも通りで良いと思っていないだろうか。
渡辺さんの「論理削除」ではなく「無効化」をやスタンプ属性や更新履歴テーブルの無駄っぽさを読んでいると、習慣ではなく考えて仕事をすることの重要性を感じる。
より良い方向を考えても、全体との調和の問題で実施できないかもしれない。しかし、きちんと考えてシステムを作り上げることはとても重要だ。次の仕事に活かせるからだ。
なぜかを理解しろ
学部の恩師の言葉で忘れられないのが「職人になるな勉強を続けなさい」という言葉(社内勉強会より社外の勉強会)。知っているだけではなく、きちんと理解していなければ技術者とは言えない。
人に聞いてわかったつもりで仕事に使い、うまくいったらそれでおしまい。それは技術者でも職人でもない。ただの人工(にんく)に過ぎない。
ものごとの原理は何なのか、その人はどうやって情報を知ったのか、広い目で深く理解していれば、自己流ではないより良い方法が選択できるだろう。
整理しろ
世の中のできる人を見ていると、常に考えて仕事をし、より深く理解しているだけでなく、情報を整理してコンパクトに理解している(できる人を観察して勝負する)
得た知識はそのままにしておけば忘れてしまうし、量が増えれば大変になる。知識を活かしてステップアップするには、これまでの知識との関連を整理しておく必要がある。
体系化できていればすべてを覚えておく必要はない。どの資料に書いてあるかを知っていれば、いつでも確認できるからだ。経験のインデックスを作るのだ。
おわりに
世の中には新しい情報があふれているが、実は似たような議論を繰り返していることも多い。
渡辺さんの議論も、コードクローン(リンク先は阪大井上研)は全て悪か、より良いバランスはあるのか、と言う議論に見えなくもない(普及しているオープンソースには一定のコードクローンが存在するらしい)。このようにマッピングできるのは、ものごとを考え、理解し、整理しているからである。
ここに挙げた内容は技術者にとって基本的なことであるが、実践は難しい。自分のことはともかく、若者の可能性を信じて意見するのが年長者の務めだと思っている。
« 刑事コロンボは東尋坊に関係者を集めない - 論旨の伝達に起承転結は不要 - | トップページ | 買って良かったキーボードPC(WP004)購入記 »
「ソフトウェア」カテゴリの記事
- One fact in one placeとチケット駆動開発 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.21)
- マルチスレッド処理と進捗管理・配員・作業分割/割り当て- Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- カプセル化と組織パターン - Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- 論文研修会(導入編)- 論理的思考のすすめ -(2019.12.01)
- デブサミ関西でNode-REDとペンギンと勇気の話をしました #devsumiB(2018.10.28)
「プログラミング」カテゴリの記事
- Greedy algorithmと2割8割の法則 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.12)
- 論理的に考え伝える – SEA関西「開発現場で役立つ論文の書き方のお話」 -(2021.05.09)
- 論文研修会(導入編)- 論理的思考のすすめ -(2019.12.01)
- スクリプト言語入門 - シェル芸のすすめ - 第2回クラウド勉強会(2019.01.27)
- デブサミ関西でNode-REDとペンギンと勇気の話をしました #devsumiB(2018.10.28)
「仕事術」カテゴリの記事
- 「任せて、任せず」「魚を与えるのではなく"釣り"を教えよ」(2021.08.16)
- BABYMETALに見るマネジメントの工夫(2016.05.24)
- 「モノ書き」 - 山口 英先生をしのんで -(2016.05.13)
- 懇親会は補習以上の価値がある - 勉強会だけではもったいない -(2016.05.05)
- 「なんで?」と「自分だったら」が属人化を防ぐ1 - 必要な時に、必要なものを、必要なだけ -(2016.04.27)
« 刑事コロンボは東尋坊に関係者を集めない - 論旨の伝達に起承転結は不要 - | トップページ | 買って良かったキーボードPC(WP004)購入記 »
コメント