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刑事コロンボは東尋坊に関係者を集めない - 論旨の伝達に起承転結は不要 -

日本の学校では国語の授業で起承転結を習いますが、論旨が伝わりにくいので技術文章やビジネス文章としては良くない書き方です。 起承転結は後半にならないと結論がわからないからです。

Wikipediaによると、英語圏ではパラグラフ・ライティングが一般的とされています。そして、「パラグラフ・ライティングでは、結論にあたる主張が、文章全体の最初のパラグラフ (段落) に書かれる」とされています。

今回は、初めに結論が書いてあって、その後に説明が続く構造のメリットを考えてみます。

刑事コロンボは東尋坊に関係者を集めない

外国ドラマの「刑事コロンボ」では初めに犯人を示しておいて、刑事コロンボが犯人のトリックの矛盾を示していきます。日本の推理ドラマの様に、誰が犯人かわかりにくくする話をはさんでおいて、最後に東尋坊の断崖絶壁で関係者を集め、犯人を明らかにするということはありません。

刑事コロンボは犯行シーンから始まるので、見ている人に犯人は明らかです。誰が犯人かドキドキする必要はなく、犯人がどのように追い込まれていくかをじっくりと楽しむことができます。探偵や刑事の心境だけではなく、犯人がどのように考えているかまで推測することができます。

圓蔵(元円鏡)さんは先にオチを言う

日本でも、圓蔵(元円鏡)さんの落語は、同じような構造になっています。落語というと最後のオチがどうなるかを楽しみに聞くものですが、先にオチを言ってしまうのです。そして、どうやってそのオチに持っていくかを楽しませる落語をされます。

そもそも古典落語の常連はオチを知っていて、話の膨らませ方や話術を楽しんでいます。圓蔵さんは先にオチを言うことで、初めて聞く人にも、常連のような楽しみを与えているのでしょうね。

論理的な構造や内容に集中できる

刑事コロンボは論文や技術文書と似ています。結論を知ることで、論理的な展開や周辺の事情が見える様になります。

結論を初めに持っていくと言いたいことが予めわかるので、読者は論理的な構造や内容に集中できます。これは論文にふさわしいだけではなく、技術文書にも適切な構造です。

早めに考え始めることができる

もう一方の圓蔵さんの落語はビジネス文書に似ています。何が言いたいかわからない文章をダラダラ読まされることなく、結論がわかるからです。

判断を求められている時に結論がわからなければ、考え始めることができません。結論を先に示しておけば、その結論をどう判断すべきかを考えながら読むことができます。

エグゼクティブサマリ

もし長い文章を回覧するなら、エグゼクティブサマリ(偉い人向けの事業計画)のような概要を付けましょう。社会人のためのシンポジウム発表入門 リーン論文作法 のスライドに書いた様に、概要は具来的なエッセンスで書くことができるからです。

そして、許可をお願いする時もダラダラと話すのではなく、結論とエッセンスを先に話しましょう。きっと業務がはかどるでしょうし、上司のイライラがなくなって良い結果が得られるでしょう。

論文投稿はアクティブラーニング

大学では論理的な思考を教育すると言われていますが、実は論文投稿を通じて論理的な構造の文章作成や発表のアクティブラーニングの場です。実践を繰り返す中で、物事を論理的に整理することができ、新たな論理も組み立てられる様になります。

それは大学でなくてもできることです。日々構造を意識して文書を書く、シンポジウムに論文を書いて議論するということが、そのような繰り返しになります。そのような実践を通じて、技術者はより能力を高められる様になるのです。

おわりに

技術文書やビジネス文書は論理的な情報を端的に伝えるものです。論旨を明確にするには起承転結は不要で、初めに結論を示すべきです。

初めに結論を示せば、内容が明確に伝わり、読み手に考える時間を与えます。これは、会話や発表でも有効な方法です。

文書は構造を考えることでその価値が高まります。ぜひ一度、結論を始めに書いてみてください。難しいならエグゼクティブサマリを付けてみてください。

#キャッチーなタイトルのつもりが、古すぎたかなぁと思いつつ、、

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