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反復型開発の混乱 - Iterative and Incremental あるいは 繰り返し -

「反復型開発」混乱しやすい言葉です。

言葉の定義

「ああ、あの本ね」という方もおられるでしょう。Wikipediaによれば

反復型開発(はんぷくがたかいはつ、Iterative and Incremental Development)とは、より古典的なウォーターフォール・モデルの弱点を克服すべく開発されたソフトウェア開発工程の手法。反復型開発の中でもRADとDSDMは良く知られたフレームワークである。反復型開発はエクストリーム・プログラミングや他のアジャイルソフトウェア開発フレームワークの基本的要素でもある。

とされています。「えっ」と思われた方もおられるでしょう。混乱する理由には3つあり、順に説明します。

2つの言葉を1語で表す

反復型と言いながら、Iterative and Incrementalと2つの言葉を表しています。Iterativeだけでも、Incrementalだけでもありません。まず、これが混乱の元になっています。

広い定義と狭い定義がある

情報マネジメント用語辞典によると「狭義にはアジャイル開発と区別されるが、広義には含まれる。」とされています。狭義ではアジャイル開発以前の反復型開発を示すので、「アジャイル開発と反復開発の落とし穴 (1/3) - @IT」といった表現も成立してしまいます。

繰り返し型開発ともいう

スパイラルモデルのような反復型開発は「繰り返し型開発」と呼ばれることもあります。たとえばIPAの非ウォーターフォール型開発WG活動報告書(PDF)には「アジャイル以前の繰り返し型開発を、IID(Incremental and Iterative Development)と総称することもある」と書かれています(個人的にはこちらの方が聞き慣れています)。

おわりに

翻訳による混乱はfault (原因)とfailure(結果)が 欠陥と障害だったり、その逆に訳されるなど、昔からあって注意が必要です。反復型開発に関しては上に挙げた3つの混乱があるので、特に注意して使いたいと思います。

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