完璧なプロジェクトなんてない
サブリーダーをやり始めた若い人に「完璧なプロジェクトなんてない」と話したら目が点になっていたので、こちらの方が驚きました。
結果的にうまくいくことはあっても、どんなプロジェクトもそれなりに苦労する事はあるものです。こうすればうまくいく、なんていう王道はなく、その時点、その時点で、ゴールに至る道のりをイメージして、順に課題を解決していくしかないと思います。
完璧を目指す?
完璧を目指すということは理想のプロジェクトがあり、それとのギャップを埋めていく事になるのでしょう。しかし、理想のメンバーが集まるとは限りませんし、理想のメンバーが揃っていても仕様が変わったり、ミドルウェアのバージョンアップ等で問題が生じる事もあるでしょう。
そもそも理想のプロジェクトの状態になったなら、力を抜いて開発するのでしょうか?それはおかしいでしょう。余裕があるなら速く完了すれば良いですし、そもそもそんな事はめったにないので、効率的な開発が求められる事がほとんどでしょう。
完璧を否定する管理法の参考になるものにCCPM(Critical Chain Project Management)があります。CCPMが従来の開発法を非効率だとするのは、計画通りの開発を実施しようと、様々なバッファを持とうとしてしまう点だとされています。
プロジェクト全体で共通のバッファを持てば十分です。その上で、なるべくバッファを使わずに済む様にリスクを低減すれば、よりプロジェクトを効率化できるでしょう。
計画的という言葉の妖しさ
計画的というと良い事の様に思えますが、必ずしもそうではありません。計画的に進める事で生じる問題もあります。
- 達成が目標になり、状況の変化に気付きにくくなる
- メンバーが従順になり、考えなくなる、言わなくなる
- より多くのバッファをとろうとして、改善しなくなる
このような問題を防ぐには、完璧を目指さない事です。
- 管理は必要最低限のものにする:標準プロセスで必須とされているものを基準に、ないと困るものだけ実施します。
- リスクに合わせて管理方法を変える:問題になりそうなポイントを見極め、他チームとの連携を強化する、チーム内の情報共有ルールを決める、などします。
- インフォーマルコミュニケーションが活発になるような環境を作る:お菓子を置く、食事会や飲み会を実施する、などコミュニケーションの環境を整えます。
基本的な考え方はこのようなものですが、実際にどの程度までするかは一概に言えません。状況を見ながら、規模や対象業務、メンバーによってバランスを変えてください。
完璧なプロジェクトなんてないのですから、、
« [#TiDD]ウォーターフォール開発をアダプタブルにする(チケット駆動開発) - SQiP2015チュートリアル - | トップページ | 意外と難しい進捗報告 - 進捗報告で気をつける事 - »
「ソフトウェア」カテゴリの記事
- One fact in one placeとチケット駆動開発 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.21)
- マルチスレッド処理と進捗管理・配員・作業分割/割り当て- Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- カプセル化と組織パターン - Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- 論文研修会(導入編)- 論理的思考のすすめ -(2019.12.01)
- デブサミ関西でNode-REDとペンギンと勇気の話をしました #devsumiB(2018.10.28)
« [#TiDD]ウォーターフォール開発をアダプタブルにする(チケット駆動開発) - SQiP2015チュートリアル - | トップページ | 意外と難しい進捗報告 - 進捗報告で気をつける事 - »
コメント