Redmineは帳票ワークフローシステム?
Redmine本やチケット駆動開発の本を共著させていただいた@akipiiさんと知り合って長いですが、未だにピュアな感性が魅力的な方です。古くはチケット駆動開発を@akipiiさんから聞いたとき、「説明がよく分からない。一層の事チケットはタスクカードと言うのならわかる」と苦情を言ったところ、たいそう気に入っていただいたようで「チケットはタスクカードのようなもの」がアジャイル型チケット駆動開発の説明になりました。
今回は「Redmineは色々なものに使えますけど、一体何なんでしょうね?」と問われて、苦し紛れに「帳票のワークフローシステムじゃないですか」というと、ブログに書いていただけました。
どちらも正直な気持ちで嘘は無いので、光栄な事です。ただ、帳票のワークフローシステムという考えは説明が必要だと思いますので、まとめておこうと思います。
ベースは障害票のワークフローシステム
Redmineがスプレッドシートと違うところは、データが正規化されているところです。スプレッドシートでは一覧の中に障害情報がまとまっているだけですが、Redmineではそれぞれのチケットが帳票として独立していて、一覧で参照したり、コメントを追記していく事ができます。
また、スプレッドシートでは誰でも状態を変更できますが、Redmineでは予め設定されたワークフローで許されたユーザだけが次のステータスに変更する事ができます。
また、Webだけでなくメールを使って参照や更新ができますので、遠隔地からも利用する事ができます。
プロジェクト管理ツールへ
ここまでは、昔から障害管理ツールでできた事です。これがtrac以降のITSとかプロジェクト管理ツールと呼ばれるツールでは、Wikiを内蔵しているほか、バージョン管理ツールと連携する事ができます。
Redmineのチケットは障害だけでなく仕様変更も管理できますので、バージョン管理ツールと連携する事で、障害管理、変更管理、構成管理、ができる様になります。この3つが連携する事でトレーサビリティが大きく向上します。
Redmineではさらに独自機能としてプロジェクト管理が容易な様に、ガントチャート、階層的なプロジェクトとチケット、REST API、LDAP認証、などの機能で柔軟に管理できます。
汎用的な帳票ワークフローシステムとしてみると
ここで、Redmineを汎用的な仕組みとしてみると、基礎となる帳票ワークフローシステムが大きく拡張されている事がわかります。もちろん、プロジェクト管理に有用な機能ですので限界はありますが、汎用的で柔軟な仕組みになっています。
最近はプロジェクト管理だけでなく、カスタマサポート、資産管理、創薬管理、などなど、プロジェクト管理に限らず、色々な業務に使われる様になりました。そんな様子から、Redmineに詳しい@akipiiさんの「Redmineは色々なものに使えますけど、一体何なんでしょうね?」という問いに繋がったのです。
業務システムにも使われているRuby on Rails上の、良くできた帳票ワークフローシステムですので、簡単なものから色々な業務に使ってみると良いと思います。
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