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[#TiDD] 目指すべき組織文化にあわせたチケット駆動開発

チケット駆動開発ではチケットファーストという考え方があります。チケット駆動開発はRedmineやTracなどITSのチケットでタスクを管理する方法ですので、何かを始める前には必ずチケットを発行しましょうという考え方です。

チケットファーストが実現できていると、チケットによって、予定の共有、タスク管理、経験の蓄積が可能になります。

予定の共有では、チケットは未来を示します。それは上司が立てた計画を示すことや、メンバーが忘れそうな作業や課題を備忘録的に記録してリスクを見える化していることがあります。

タスク管理では、チケットは現在の状況を示します。障害、課題、タスクの作業指示や、自主的なコミットメントの状況を共有します。自動化ツールの実行結果をチケットにしている場合は、チケットを元に担当者を割り当てたり、各自が自主的に管理するでしょう。

経験の蓄積では、チケットは過去を示します。実施した作業の管理者に対するエビデンス(証拠)の場合や、 蓄積された履歴による経緯の確認や過去のノウハウの利用といった現場での利用の場合があります。

これらのチケットの利用方法を、規律を重視するトップダウンと、自律・協調を重視するボトムアップに分類すると以下のようになります。

トップダウン
ボトムアップ
予定の共有
WBS、ガントチャート
備忘録
タスク管理
作業指示
コミットメント
経験の蓄積
エビデンス
履歴

トップダウンによる指示や確認の場合は、内容が明確でメンバー間の競合が起きにくい反面、管理的です。組織の規模が大きい場合や、高信頼性が要求されるなど、規律ある組織活動を目指す場合に有効でしょう。

ボトムアップによる自律的な活動は、内容が整理されていない反面、議論が容易で、協調的です。組織の規模が小さい場合や、新しいアイデアが必要な場合など、自律的な組織を目指す場合に有効でしょう。

この表は検討が容易になるように分類したものですから、いずれかだけを選ばないなくても構いません。管理を重視しながらも起票を自由にすることで、現場の自律的な活動を容易にできます。また、現場の自律性を重視しながらも、時々はチケットの棚卸しをすることで作業漏れを管理することもできます。

まず、現状の問題を見極めて、どのような組織文化を目指すべきかを検討してください。そうすれば、どのようなチケット駆動開発を実施すべきかがわかるでしょう。


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