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言葉と技術とビジネス、そしてスーパーニッチ

ソフトを他人に作らせる日本、 自分で作る米国」の続編とも言うべき谷島さんの記事「記者の眼 - 150年経っても解決できない大問題に向けた極めてささやかな対策:ITpro」が公開されました。今回はささやかな対策が示されているところが興味深いです。これは、

IT勉強宴会では拙著を出版した意図を話し、出席者の感想を聞いた後、質問に答えた。出席者から「なぜ日本人はグランドデザインを描くことが苦手なのか」と質問が出たが、東京に戻る新幹線の最終発車時刻が迫っていたこともあって「宗教の違いです」と乱暴に答えてしまった。

とされていたことに対して、今回は

「言葉を大切に扱う。」

とされています。大賛成ですが前回と同じように最後の判断は読者に任されているので、言葉について考えました。

技術には論理的思考が必要

技術を積み上げるには論理的思考が欠かせません。論文はもちろんのこと、仕様書においても言葉は重要です。言葉の定義は必要ですし、論理的な矛盾は赦されません。欧米と技術で戦うには言葉を大切にしないと行けません。

しかし、言葉が大切に扱われてもビジネス指向とは限りません。大手企業や国に近いところでは論文や技報が書かれますし、組織内のコミュニケーションも論理的に矛盾のない説明が求められます。しかし、言葉を大切にされているのですが、欧米に比べると新しいビジネスは少ないように思います。

道具としての言葉

では、ビジネスに必要な言葉とは何でしょう。欧米と言うと思い出すのは、ディベート(リンク先はWikipedia)が教育されていることです。言葉を道具として、論理的思考を身につけ、問題を整理し、自分の意見をアピールし、主体性や協調性を身につけます。

そのように書くと教育の違いだと思われるかもしれませんが、それは結果だと思います。本質的な減員は、多様な民族ではないでしょうか?色々な価値観を持つ民族間で、自分が生き残るには、 正確に意見を交換し、主張すべきところは主張しないとi
けないからです(宗教もそのような背景から結果として選ばれたと思います)。

大切なのは、長所と短所を見極めて、それぞれの戦力(戦略、戦術)からゴールを決めることだと思います。ビジネスモデルキャンバスやリーンキャンバスのように、自らの強みを認識することが大切だと思います。

ビジネスの拡大はスーパーニッチを狙え

ここで日本の企業を考えると、論理的な思考はできているし、個人では少ないかもしれませんが、企業の強みと弱みは見極めているはずです。すると、単に言葉を大切にするだけではなく、自身の強みを見極めるだけでもない、何かが必要なのだと思います。

それは、スーパーニッチの市場を作るという戦略ではないでしょうか?かつて論理回路(TTL)の74シリーズなど汎用チップで有名だったTI社が、あるときカスタムチップに舵を切りました。その時の説明では、汎用品では競争になって未来がないのでスーパーニッッチを目指すという説明でした。

同じような話は、世の中が流通在庫を減らそうとする中、豊富な在庫で買う楽しみを実現した100円ショップ、ロングテールをねらったアマゾンなどもあります。当時はニッチと思われたこれらも、その後の発展を見るとスーパーニッチと言えるでしょう。

(個性を生かす発想は、タレントの語源になった聖書のタラントンのたとえに見る事ができます。しかし、上述の100円ショップのほか日本初の企業も多数あり、多様性を認めてアイデアをつぶさなければ、宗教は関係ないと思います。)

このようにピンポイントで顧客ニーズをつかみ、戦略的にビジネス市場を作り出すことが必要だと思います。それは「スーパーニッチ」「買う楽しみ」「ロングテール」といったシンプルな言葉で伝えられます。

おわりに

他国のマネをするなら、前提が異なるのでおかしくなるでしょう。しかし、国民性や地域性を考慮して、ピンポイントで勝てるところで勝負すれば良いと思います。その際には再発明するのではなく、外国で整理された技術から使えるものを活用する。といった発想が必要なのではないでしょうか?

その際に何が我々の強みで何が弱みか?何が使えて何が使えないのか?言葉で説明できないといけません。他所がやっているからうちもやる、うまくいきそうだからやってみる、ではなく、きちんと言葉にして勝てる戦略を立てることが、うまくいく秘訣だと思います。

米国と日本の比較からこの議論は始まりました。しかし、比較して追いつこうとするだけではいつまでたっても同じです。違うことが問題ではなく、違うことを活かス戦略がないのが問題ではないでしょうか。

最後にスクラムでは米国に勝てなくても、チケット駆動によるアダプタブルウォーターフォール開発でなら勝てる分野もあるはず。と言っておきます。


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