イノベータに必要な能力
学会というと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、論文誌とちがって学会誌は研究成果だけではなく、コラム等のわかりやすい記事も載っています(例:ソフトウェア開発と時間 - 時の記念日特集寄稿コラム -)。
今月の電子情報通信学会の情報・システムソサエティ誌(19−1)の巻頭言「イノベーションを起こすのは誰だ?それは君だ!」(土井美和子(東芝)さん)も興味深く読ませていただきました。
巻頭言では以下のような内容が書かれています。
- 日本能率協会の調査によると2015年度の経営課題のトップが「新製品・新サービス・新事業開発」であり、時代がイノベーションを求めている
- 世界的に技術探求型から、ユーザの潜在的なニーズをくみ取り、技術やサービス等を組み合わせたビジネスモデルでの確信を実現する「ユーザ起点イノベーション」が重視されるようになってきている
- 経営者は「推進力」「構想力」「挑戦心」が新事業創造を索引する人材(経済産業省「フロンティア人材研究会報告」2012年3月)
- 真のイノベータに必要な能力は「利他精神」「自己管理力」「質問力」「捨てる力」(同研究会委員)
- 著者は「人を巻き込む力」を加えたい
として、行動展示で有名な旭山動物園で飼育員がワンポイントガイドで距離を縮めたことから「質問力」と「人を巻き込む力」 を、同じく行動展示で奇跡を起こしたおんねゆ山水族館をプロデュースした中村元氏がボランティアであったことから「利他精神」を説明されています。
そして「質問すれば気付きがあり、仲間が増え、イノベーション”ワォ”が生まれる」と結ばれています。グイグイ引っ張るのではなく、共に助け合い、不足するものがあれば紹介してもらい、色々な意見を聞く、といったアプローチです。
世の中が複雑になり、一人で革命を起こすことが難しくなりました。回りの人を巻き込んで知恵を出し合う、ある意味コミュニティ(勉強会のバリエーション)を作れるサーバントリーダシップが求められているのでしょう。
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