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[#xpjugkansai] 失われつつある企業文化をアジャイル開発に学べ - XP祭り関西2014 -

失われつつある企業文化は、アジャイル開発に生きていました。XP祭り関西2014 (togetter)に参加して、そう思いました。

今回は、ライトニングトークをさせていただきました。テーマは「 リーダー諸君!アジャイル開発を学び未来への道を切り開こう」です。

失われつつある企業文化

「昔はこうじゃなかった」とおじさんは思うのです。そりゃ大変なこともありましたが、みんなで助け合い、育て合い、知恵を出し合って開発していました。

リーダーは段取りを決めますが、強権的でなく、メンバーも意見を出しました。おかしなことを言うメンバーにそっと同僚がアドバイスしてくれることや、関係の悪くなった同僚との間をリーダーや上司が取り持ってくれることがありました。

変わってきたのは会社が株主のもの、と言われるようになってからかもしれません。会社の利益が重視され、責任を果たしていることを株主に示すかのように標準プロセスの遵守が求められました。

大規模開発向けに作られたプロセスは、役に立つ内容もたくさんありました。しかし、利益が重視される反面、以前よりも管理作業が増え、リーダーはそのゴールの達成に必死になってしまいました。

そのようなリーダーに育てられた世代は、プロジェクトの暖かみをあまり知らないのかもしれません。周りのアドバイスを得られずに育った人たちが、目先の目標達成に必死になって、より厳しく管理してしまうのは仕方がないことかもしれません。

日本の企業文化がアメリカ経由で帰ってきた

コミュニケーションを取って協調して開発することは、目先の生産性や利益を考えると無駄に思えるかもしれません。しかし、プロジェクトの反省会で必ず問題にされるほど、コミュニケーションは重要です。

昔の日本企業では様々な現場でカイゼン活動が行われ、社内勉強会や組合活動など仕事のあり方を考える場がありました。しかし、米国流のトップダウンのプロセス改善や利益優先の考え方によって、多くの企業文化が失われました。

米国でもプロセス改善は行われましたが、それは信頼性が最も重要とされる国防や航空等が中心でした。一方、新規ビジネスを立ち上げる場合などは、チームで同じゴールに向かった、知恵を出し合い、助け合う漸増的な開発法が行われました。

それはアジャイル開発と呼ばれ、日本発のSECIモデルを活用したスクラムや、トヨタ生産方式の流れを汲むリーン開発など、日本の企業文化を取り入れたものです。

XP祭り関西2014

XP祭り関西2014でも、これらに繋がるお話がありました。

前川さん、西河さん、細谷さんの「わかりやすいアジャイル開発の教科書 ~ 教科書の向こうに何が見えてますか? ~」では、成長できるアプローチがアジャイルの良いところ、打ち合わせの際にアメを置くだけでも場が和やかに変わる、とされました。

会社は、仕事という義務を果たすだけでなく、仕事を通じて成長し、仲間と共に歩むのだと思いました。

あきぴーさんの「KPTによるプロセス改善~あなたはPDCAを回したことがありますか?」では、同じ景色がどう見えているかを認識することや、タックマンモデルのように雨降って地かたまる場を作ることが大切とのお話がありました。

本当に腹を割って話すことは重要です。考えは違ってもみんなで目指すゴールが同じなら、互いに尊重して助け合うことが可能です。

失われつつある企業文化をアジャイル開発に学べ

XP祭り関西で話したかったのは、西河さんらが言われていた「緩やかに危なくなってるけど、やり方を変えないといけないことに組織が気付いていない」という危機感です。

プロジェクトという短期ゴールだけを見ると、ガミガミ言うことで乗り切れてしまうかもしれません。しかし、それではいつまでたってもそのままで、リーダの限界がチームの限界です。

あきぴーさんによると、「改善」は一度だけ、「カイゼン」は継続する意味が含まれているそうです。今を乗り切るだけでなく、チーム全体が成長することが未来に繋がると思います。

日本から失われつつある企業文化は、アジャイル開発の中に生きています。アジャイル開発を学んで、未来への道を切り開きましょう!

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