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[#TiDD] ツール・技法の導入法

メトリクスと同じように、ツールや技術もゴールからスタートすれば、必要なものだけを効率的に導入できます。

問題の明確化

ツールや方法論を導入する場合は、まず現在の問題点を明確にします。そして明確になった問題が解決できるように導入します。とはいっても、問題が明確ならすでに対策が講じられているでしょうから、問題を見つけ出す事から始めないといけません。

その第一歩は調査です。関連がありそうなツールや技法を調べます。良さそうなものが見つかれば、それが最初の候補です。しかし、まだ導入してはいけません。

善し悪しの見極め

候補となったツール・技法で解決できる問題を考えます。そして、その問題が解決できれば、効果がどの程度あるのかをざっくりと考えます。

チケット駆動開発なら、進捗の見える化や情報共有が期待できますが、過去のどのような問題が解決できるかを考えてみてください。その効果は、案外少ないかもしれません。

逆に地味に感じる履歴の検索の効果は、意外に大きいかもしれません。バグを解決する際に、複数の関係者に問い合わせて過去の経緯を確認したり、時間をかけて類似の不具合を探すことが良くあるからです。

このようにツールや技法の善し悪しは、冷静に、具体的に、 多面的に検討すると良いでしょう。

ツール・技法の選定

よほど特殊なものでない限り、類似のツールや技法があるでしょう。チケット駆動開発でも、様々なツールの組合せや、タスクボードなど、複数の方法を比較すると良いでしょう。

問題点が明確なら、より効果の得られるものを選ぶことが基本です。しかし、ツールや技法には長所だけではなく、短所もありますので運用方法を含めて検討しましょう。

過大な期待はしない事が重要です。ポイントを絞って導入すれば、問題は解決できます。もし、パレートの法則に従って2割8割になっている問題なら、大きく改善されます。

しかし、すでにプロセスに習熟して最適化されている場合、習熟したプロセスを変更する事で効果が薄れる、あるいは逆効果になることもありますので、注意が必要です。

実施

問題、ツールや技法の善し悪しが明確になり、実施方法が決まったならいよいよ導入です。この時に、一度に組織全体に導入しては行けません。リーンスタートアップを参考にスモールスタートして、予定通りの効果が得られないなら方向転換します。

導入は補完型チケット駆動開発のように既存のプロセスに従うなら、こっそりはじめる事もできます。しかし、なるべく上司のコミットメントや協力者を得て進め、プロセスチャンピオンを育てながら、徐々に広めると良いでしょう。

おわりに

上記の内容は一度に実施できないので、行きつ戻りつ繰り返しながら進める事になるでしょう。

チケット駆動開発のコミュニティで、どうすれば良いか、 イメージできない、なぜできないか、と言う質問が出る事があります。ツールや技法も様々で、プラグイン、改造、運用の工夫も色々ありますが、実施する人がイメージできないものはうまくいきません。

良さそうだからとやってみるのではなく、問題を明確にして、成功のイメージできるまで考えてください。

また、答えが単純でない場合も考慮してください。世の中にはそもそも難しい問題や、そのツールや技法に向いていない問題があります。そのような場合は、全面的な導入をあきらめてピンポイントに導入する方が良い場合があります。

次回は難しい問題の例として、大規模な並列作業における変更を考えてみる予定です。


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