[#TiDD] 標準化のトレードオフ その8 - チケット駆動開発はソリューションライブラリ -
チケット駆動開発もリーンソフトウェア開発と同じ様に考えるプロセスです。チケット駆動開発を実践するには以下の実施方法を考えないといけません。
見える化
チケット駆動開発の見える化は、チケットの可視化で行われます。カスタムレポート/クエリと呼ばれるチケットの一覧です。タスクのチケット一覧の方法によって、問題を見える化できます。
見える化の必要な問題が、開発が安定しないことであれば緊急度順の一覧にすれば良いですし、仕様漏れであればトレーサビリティマトリクスのように親子関係を確認すれば良いでしょう。進捗が問題ならガントチャートが良いでしょう。
プロジェクトの情報
見える化の元になる情報を決めます。チケット、Wiki、関連ツール、ドキュメントをどのように利用するかを決めます。
バージョン管理ツールのリポジトリの構成やチケットとの関連付け、Jenkinsなどツール連携情報など、情報間の関連付けも考えます。
制約
情報にどのように制約を与えるかを考えます。作業や情報の抜け・漏れを無くすことができます。
段階を踏むべき作業が漏れるのであればワークフローを利用すると良いでしょう。構成管理とチケットが関連づけられていないのであれば、バージョン管理ツールにチケット連携の制約を付ければ良いでしょう。
チケット駆動開発はソリューションライブラリ
プロジェクトの直接的な問題には、状況が把握できない、 情報共有できない、 煩雑で能力が発揮できない、開発環境が不十分、などがあります。しかし、実際は上記のようにプロジェクトの情報をどのように扱うかが決められていないことが根本原因かもしれません。
これらを決める際には、現場主導で標準化のトレードオフを避けることも、管理を強化してプロセスを安定させることも可能です。現在のプロジェクトにどのような問題があり、どのように解決すべきか、それを考えることからチケット駆動開発が始まります。
チケット駆動開発は様々な問題に対する解決策の集まり、ソリューションライブラリです。プロジェクトの原則を整理し、プラクティスを作り、フレームワークを作ることができます。
ソリューションを知る方法
とはいっても、他の会社でどのように利用され、自分たちは何ができていないかを知らなければ、問題に気付くことも難しいかもしれません。書籍のほか、品川RedmineやRxTstudy(Redmineとタスクマネジメントを考える勉強会@大阪、facebook)といった勉強会に参加すれば、そのヒントが得られるかもしれません。
次回の品川Redmineは2月15日(土)です。「Redmine超入門」の出版を記念して、入門的な内容を中心に開催される様です。初めての品川区開催です。
次回RxTstudyは4月5日(土)で準備中です。「チケット&計測でITプロジェクト運営の体質改善」の神谷芳樹さんをお招きする予定です。もう一人のゲストもご期待ください。
#他の視点は、書籍「チケット駆動開発」12章にまとめています。
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