標準化のトレードオフ その7 - リーンソフトウェア開発の考える仕組み -
スクラムはプロセスをフレームワークとして固定化し、プロダクトの開発に集中する仕組みですが、リーンソフトウェア開発のカンバンはプロセスを開発にさわせて最適化する仕組みです。
XPのタスクボードはプロジェクトの状況を見える化するものですが、リーンかんばんはWIP制約(作業の並列度を制限する仕組み)など、プロセスの構造も見える化します。
見える化とは「問題点が常に「見える」ようにしておく工夫のこと」(リンク先は日経BP)ですから、開発者も常にプロセスのことを考える様になります。
その様子は、リーン開発の現場(感想:その1、その2、その3、その4)や翻訳者のお一人である藤原さんの経験談で知ることができます。
リーンソフトウェア開発の考える仕組みはかんばんだけではありません。スクラムがフレームワークであるのに対し、リーンソフトウェア開発では原則とツールがあり、それに従ってプロセスを構成します。
組織的に導入する場合には一定の規律が生まれると思いますが、リーンソフトウェア開発の場合には「どのツールからどのようなプラクティスを導き出し、どの程度実践するかは状況に応じて行われるべきだ」(ITmedia)とされています。
標準化のトレードオフを考えたとき、このように問題を見つけ出し、プロセスを考えることが大切だと思います。
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