いびつにとんがれ! - スーパーニッチの人生戦略 -
景気が良くなりそうな気配ですが、ランチェスター戦略でいうチョキの後はグーです。誰もが失われた20年は勝ち目のないビジネスをやめて利益の出るビジネスに限定するチョキの戦略を取りがちでしたが、これからは、一点集中で攻めていくグーの時期になるでしょう。
もしかするといきなりバブルになって、パーの戦略で頭数を揃えれば儲かるようになるかもしれません。でも、簡単に儲かる分野は競争が激しく、儲かる間に撤退できなければ大きな損害を被ります。
スーパーニッチ
スーパーニッチという言葉を初めて聞いたのはTI(Texas Instruments)社がTTL(Transistor-transistor logic)から撤退した時です。パソコン黎明期の計算機の論理回路はトランジスタでできていて、TI社の74LSシリーズが業界のデファクトスタンダードでした。
そのTI社が撤退すると聞いて、とても驚いたのを覚えています。汎用部品が儲からなくなったので、当時としてはニッチな市場だったカスタムチップを中心に、スパーニッチを目指すと報道されていました。
TTLは競合他社からもライセンス料が入るので、利益を取り合うよりも強みのある新しいビジネスを始めて、ビジネス戦略を広げようと言う判断もあったのかも知れません。
人生のリーンキャンバス
このスーパーニッチという考え方は人生戦略にも活かせます。江川達也さんの「まじかる☆タルるートくん」やアラジンの「完全無欠のロックンローラー」はマーケティングから生まれたヒットです。また、東進ハイスクール林修さんは、数学が得意だったのにライバルの少ない国語の先生になられたそうです。
こだわりを捨てて、冷静に自分の力を見極めて勝負する。このような考え方は人生のリーンキャンバスと言えるかもしれません。
いびつな人になる
2008年に松江市で開いたソフトウェアシンポジウムの基調講演でRubyのまつもとさんは「棚卸をしていびつな人になる」と言われていました。その後に話題になったリーンキャンバスを先取りしたようなお話でした。
まつもとさんはリーンキャンバス的な棚卸しをした上でいびつになる事、つまり「差別化重要」「機嫌重要」「継続重要」「行動重要」と言われていました。
まつもとさんの講演記事を見直して驚いたのですが、同じような事を最近つぶやいていました。
若者よ本を読め!若者よ外に出ろ!若者よ仕事を楽しめ!
— さかば (@sakaba37) 2013, 12月 27
きっと、心の奥底に残っていたのでしょうね。ここで言いたいのは、本を読み、基礎力を高めること、そして、社内内弁慶を社外勉強会に参加させる方法に書いたように外に出て、その理解を確認すると共にあたらし刺激を受けないといけません。
でも「好きこそものの上手なれ」というように、義務感からでは続きません。仕事をポジティブにとらえて、好きなところを見つけたら理解できるまでとことん学ぶ事です。
そのような事を繰り返していれば、自然と自分の考えや得意な事がわかってくるはずです。そして、[#agileto2012] 『チェンジ!』の考え方 ~マネしやんと!~ に書いたように戦略的に攻めれば、きっと世界は変わるはずです。
2014年もまだまだ挑戦していきます!
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