「ちゃんとやれ!」では改善しない。
ソフトウェア開発でトラブルが発生した時、「ちゃんとやれ!」と言っているだけでは、改善できません。
原因を確認する
そもそも、なぜトラブルが発生したのかを考えるべきだと思います。
- テストが不十分
- レビューしたが漏れた
などなど、確かにちゃんとしていないことが直接の原因なのかもしれません。しかし、よくよく聞いてみると、
- 開発法に改良の余地がある
- 技術的に問題がある
のかもしれません。その場合は、注意するのではなく、指導した方が良いでしょう。
「考えろ!」
このような場合「考えろ!」と注意される方もおられるかもしれません。しかし、既に考えているなら「そんなことを言われても、、」で、終わってしまうかもしれません。
そこで、ポイントだけ教えて、詳しくは調べさせるとか、関連するコミュニティや検索の仕方など、勉強に役立つ方法を教えるのが良いと思います。
そもそも
実は品質向上策を取りたいのに、そもそも
- 予算(工数)がない
- 見積もりが間違っていた
などの理由で網羅的な品質確保の作業が難しいのかもしれません。その場合、追加の予算確保が難しいと思われますので、別の対策が必要です(特にプロジェクトが小規模であるほど、費用の捻出は難しいでしょう)。
この場合も、注意するのではなく、指導した方が良いと思います。予算交渉や行積の方法は別途教えるとして、今を乗り切るためのポイントを教える必要があります。
危機を脱する方法
限られたリソースで最大の効果を得る方法は、最も効果のある方法から実施することです。特に信頼性が問題になっている場合は、問題の発生の可能性と被害が大きいところから、つまりリスクベースで優先順位を付けます。
こうすれば、限られた予算の中で効率よく改善できます。いわゆるパレート(2割8割)の法則によって、最大限の効果が得られるのです。
現実を受け入れろ!
このような方法は「きちんとしろ!」からイメージできることと大きく異なります。きちんとできない現実を受け入れて、その中で最善を尽くすことによって実現できる方法だからです。
「考えろ!」というのも現実を受け入れていないでしょう。考えるために必要な知識を提供し、どのように考えれば良いかを提供すべきなのは、多くの場合、注意している人の仕事だからです。
偉そうにしない
「偉そうにする」という言葉は、上に立つ人のあるべき姿ではなく、使えない上司を表していると思います。ボスの仕事はチームの能力を最大限に発揮させることだからです。
上の立場だからこそ、技術や人の育て方をきちんと学び、チームをより良い方向に導く責務があると思います。「その責務に手が回らないほど忙しいのは、責務を果たしていないから」と思うのはひねくれ過ぎでしょうか?
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