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[#Agile] 組織的改善から現場改善へ #JaSST_Kansai

JaSST関西2013に参加しました(togetter(私的まとめ))。このところ考えていた事に、最もフィットしたのが細谷さんの基調セッション「実験的アプローチによる現場改善」です(資料はこちらで公開されています)。

組織的改善

従来の組織的なプロセス改善では、パイロットプロジェクトを実施して評価した上で、標準プロセスを変更して、組織全体を改善していました。

そこには、情報収集の開始から実プロジェクトへの適用までにかかる時間とコストが大きい、撤退の 選択をしずらくなる、という問題がありました。また、最初のパイロットで、未経験の手法を実践しながら自 分たちのコンテキストに合うように適用して、良い結 果を出さなければならない。という難しさもありました。

実験的アプローチによる現場改善

細谷さんの実験的現場改善のアプローチでは、以下の3つの原則を重視します。

  • 改善のスコープをきわめて小さくする
  • 実践の結果を素早く得る

  • 結果を評価して、(やめる事を含めて)軌道修正する

講演を聴いてイメージしたのは「リーンスタートアップ」です。リーンを考える - 無駄と必要なアソビ -に書いた必要なアソビを設けると共に、組織全体で行動するというムダをなくしているのだと思いました。

現場主義、実践主義、全体最適

この方法は3つの特長があると思いました。

一つ目は、従来の改善方法は組織の視点が中心でしたが、現場から改善を進めていく点です。これは「プロジェクト改善」やQCサークルにつながると思いました。

2つ目は、技術を知識としてだけでなく実践している事です。これはSECIモデル
で示されるように、形式知と暗黙知の両方が必要だという事だと思います。

最後は、全体主義でなく全体最適を目指している事です。従来の祖式的改善では管理の視点から見ると組織全体で共通のプロセスある事が望ましく、全体主義的な面があります。

しかし、部分最適である現場の改善を他のプロジェクトにすりあわせながら展開して組織の改善につなげます。これはて素早くムダなく改善する、いわば全体最適といえる方法だと思います。

このような方法が必要になってきたのは、従来の組織的改善法の前提が崩れたからだと思います。

前提の変化

従来の組織的改善法は、多くのソフトウェア開発は(少なくとも組織内では)共通部分が多いので標準プロセスを構築でき、プロジェクトによる違いは小規模なテーラリングでカバーできると考えられていました。

標準プロセスは、以下の考え方がベースにあります。

  • 標準プロセスは安定しているので、 訓練の繰り返しによる長期的な改善活動が可能
  • 収益を低下させるのは、ソフトウェアの品質(信頼性)低下による手戻り工数増加
  • ソフトウェアの信頼性を低下させる最も大きな問題は、必要な作業を実施しない(ショートカットする)こと

しかし、この前提は以下のように変化しました。

  • パラダイムシフトによって多様性が増加した
  • ビジネスのスピードアップによってソフトウェアの信頼性よりも適時性が求収益向上につながるようになった
  • 繰り返し開発、テスト駆動開発や自動化など、逐次的に信頼性を向上させる事で、信頼性低下に伴うビッグバンを押さられるようになった

まとめ

上で述べたように、細谷さんの方法は現場主義、実践主義、全体最適という特長があると思います。そのうち全体最適は、リーンスタートアップを思い浮かべさせるものでした。

20世紀末から「いかに抜けなく作業するか」という視点の改善が続きました。そろそろ「いかにムダなく成長させるか」という視点で、改善活動を見直す時期になっているのではないかと思いました。


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コメント

プロセスの標準化や共通化はもともと幻想ではないですかねえ?
そうでなければ、これほど、現場から押し付けというような批判が出てうまくいかないということはないように思います。
細谷さんの主張はHBAの安達さんの提唱するSaPIDにも通じるように思います。
この時期、似たような主張が二つも出てきたことに面白さを感じます。

組織の理論だけで「属人性を排する」と強制するからだと思います。底上げとしてはそれなりに意味があると思います。

「組織の理論だけで「属人性を排する」と強制する」

そんなことは昔からきちんとしたプロセスコンサルも、QAも言っていなかったはずですよ。

トップダウンは属人性を排除する傾向がありますが、欧米流のトップダウン一辺倒のSPI導入の弊害ではないですか?

人間の数だけ、組織の数だけ、案件の数だけ、プロセスの実装は無数にありえます。

それをフレキシブルに変化させられるのは、SEPGでもQAでもなく、現場を担う技術者たちですから。

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