社内内弁慶を社外勉強会に参加させる方法
社内勉強会をする様に言われて拒否する(社内勉強会より社外の勉強会)のは私だけではないようです。ただ、結論が異なるので、私が社内の人向けに社外の勉強会をすすめている方法を説明しましょう。
ブログ書いた。頑張りたいと思っていた時期もありました。→社内勉強会をやらない理由 - 勘と経験と読経 bit.ly/13tUzLV
— Kent Ishizawaさん (@agnozingdays) 2013年5月13日
社内内弁慶
そもそも社内勉強会をする様に言われるのは、社内内弁慶がいるからです。それなりに技術力があって、社内では威張るのに、社外に出て新しい知識を得ようとしない人たちです。
「この人たちをなんとかしたい」ということで、社外で活動している人たちに依頼がくる訳です。この「なんとかしたい」には2つあって、
- 今のままでは使い物にならなくなるので、何でも良いので技術を身につける様にしたい。
=>社内なら勉強会に参加するのでは
- そろそろ技術的に賞味期限を迎えそうなので、次のステップに進ませたい。
=>特定の技術力を身につけさせたい
後者の場合は@agnozingdaysさんの様に研修にすると言うのは良い方法です。仕事なので出てくれるはずです。
問題は前者です。みんな疲れていて、未来への希望を失いかけている。そこまでは行かなくとも、社内に活気がないのでなんとかしたい。お前は社外でも色々やってるから、社内でも勉強会ぐらいできるだろう。そんな感じです。
社内勉強会
そこで、社内をなんとかしたいと思う人から依頼がくることになります。社内勉強会で社外の人に依頼できる事はまずないので、社内の人が聞いた内容や、本で読んだ内容を話したり、議論したりすることになります。
このような情報は、時間の経過した、間違いを含む可能性のある、表層的な知識なので突っ込んだ質問や議論ができません。
もちろん講師になれば、人に説明する訓練になりますし、知識も身に付きます。また、社員同士でないと話せない議論もできるでしょう。
少し工夫して、論文や英語の書籍を読めば、それなりのアドバンテージも得られるでしょうし、意識の高い人同士であれば続くかもしれません。
しかし、本来の目的である。閉塞感を感じつつも打開できないエンジニアは、そんな時間はない、必要なことはすでにやっていると思うでしょう。
なぜ、時間がないと考えるのか?
そう言う人に社外の勉強会を勧めても、「時間がない」と言って参加しないでしょう。なぜ、そう思うのか、そこがポイントです。
逆に勉強会に行く人は暇かと言うと、忙しい人の方が多いでしょう。でも、勉強会の参加に必要な数時間を捻出しても良いぐらいに、勉強会が必要だと考えているから、何とか調整して参加するのです。
それは、純粋にそのテーマに興味があるのかもしれませんし、講師に興味があるのかもしれません。また、参加者でワイワイとお話しするのが好きなだけかもしれません。
実際に、勉強会にくる人は勉強目的の人だけではなく、講師のカリスマ性への憧れ、あるいは、仕事にストレスを感じていたり、世の中の動向に興味のある人が多い様に思います。
そのような人と比べて、社内内弁慶の人は勉強会の優先度が低いのです。それは、意識が低いと言うよりも、勉強会そのものを知らないからです。
もちろん、家庭の事情や、大切な趣味、仕事に対する考え方もあるでしょう。では、こんな事は知っているでしょうか?
- 勉強会がどのようなものか?発表させられたらとかおもっていませんか。懇親会に愚痴を言いに来ている人なんて想像できないでしょう。
- どんな勉強会があるか?ITカレンダーなんて知らないでしょう。
- 最近のブームは?雑誌やWebの記事を読む人でも、どのイベントにどの程度来ているかはあまり知らないでしょう。
- その技術が世間でどの程度理解され、実践されているか?勉強会の発表や質問を聞いていれば、自分のポジションがわかるでしょう。
このように、社内内弁慶に知らない事を伝えれば、氷山の一角だった社外勉強会への参加者を増やす事ができると考えて、実践しています。
参加者も応援する人も楽しもう
社内への勉強会の案内は、以前にもした事があります。SEA関西の世話人をしているので「こんな 分科会 があります。よかったら、どうぞ!」と言ったビジネスでも違和感のない感じです。しかし、たまに参加する人がある程度で、それほど効果はありませんでした。
そこで、今回はカジュアルに、技術者の仲間としてメールする事にしました。私自身も少し抵抗があったのですが、勉強会の雰囲気を伝えたかったのです。何しろ上司から社内のMLを使う様に言われたので、何でもありだと考えました。
表面的な説明だけでなく、 他の技術と絡めて個人的にどう考えているか、講師のすごいと思う所、技術者としてこうありたいから勉強している、といった思いをアツく説明しています。
そんなこんなで、少しずつですが、社外勉強会の参加者が増えています。そして、社内勉強会をする様にと言った上司もついに参加する様です。
やはり、社内内弁慶は食わず嫌いの状況で、みんな知らないから勉強会の優先順位が低かったののだと思いました。
社内勉強会だと、講師も参加者もどことなく義務的になりがちです。でも、社外の勉強会なら、興味のあるテーマを選び、都合の良い時に、最先端の情報を得る事ができます。
また、他の技術者とお話しすれば、それぞれに苦労をしていることや、先駆者のノウハウ、楽をする方法も知る事ができるでしょう。社内への情報提供も親しい友人としてお話しすれば、ワイワイできる仲間が増えると思います。
まだまだ始めたばかりですが、既に良い感触を得ています。タイミングや状況、社内の雰囲気に合わせて、仲間を増やしてみてください。
そうそう、うちの会社の人が参加したら、よろしくお願いします。
(続編を書きました。「技術者には「場」が必要 - 勉強会に行く理由 -」)
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