坂本龍馬のリーダーシップ
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
どうも私が変わり者であると気づいたのは、高校生の頃でした。周りに集まる友人を見ていると個性的な、普通に言うと変わっている人間が多い事に気づき、これはきっと「類は友を呼ぶ」と言う現象に違いないと思ったからです(笑)。
結構変わっていると思いますので、私の思いが決して全ての人には当てはまらないと思います。また、全ての人が私の様に生きる必要もないと思います。しかし、自分と異なる意見は、参考として、あるいは、反面教師になる物ですから、私の思いをまとめておきたいと思います。
坂本龍馬について
そんな私が熱中したのは、坂本龍馬です。大器晩成を地でいくような、「べこのかぁ」(お馬鹿)が友人や新しい人脈を通じて、日本の未来を切り開く姿は、あまり成績が良くなかった私には目指す姿だと思えました。
坂本龍馬は土佐の郷士で、月形半平太のモチーフになった武市半平太(瑞山)と共に土佐勤王党にいました。しかし、英語の塾で民主主義を知り、黒船の話を知って、土佐を離れました。やがて、勝海舟に教えを受けて会社を起こし、内戦に向かう日本を大政奉還に導いて明治政府の方向付けをしました。
このブログでも、その戦略([#TiDD] アジャイルは戦略 - 「竜馬がゆく」にみる坂本竜馬のアジリティ -)や龍馬の習った北辰一刀流の教え([Redmine] チケット更新のチェック (Mylinの設定あり))を書きましたが、今回はリーダーシップについて触れたいと思います(龍馬については「竜馬が行く」の知識がベースになっています)。
世情が厳しくなる中で龍馬の事を語る人が増えていますが、本当の龍馬のすごさはリーダーシップです。大政奉還の大役を果たした時、明治政府で希望する役職を聞かれると「世界の海援隊でもする」と言いました。このことは龍馬のリーダーシップを表す物です。
坂本龍馬の志
最近知られる様になった「船中八策」は歴史で習う「5か条の御誓文」の元だと言われるものです。英語を勉強しようとして民主主義を知ってしまった龍馬は国家のあるべき姿を知り、その実現に奔走しました。
その実現は簡単な物ではなく、友人を捨て、故郷を捨て、攘夷の志を捨てる物でした。しかし龍馬は、土佐勤王党をやめ、脱藩し、勝海舟に教えを請うたのです。尊王攘夷の考えから許せないと思っていた悪人を殺しにいって、弟子になったのです。
明治維新の本質
明治維新は幕府の崩壊や王政復古と考えられがちですが、実は民主主義革命でもあり、身分制度との戦いでもありました。龍馬自身も商家の流れを汲む郷士の出身でした。郷士は 身分の低く、龍馬自身は豊かな家庭に育った様ですが、生活が苦しい者も多かった様で、それが土佐勤王党の力になりました。
また、長州においては身分制度を超えた徴兵によって立身出世を目指す志士が集められました。それは、生まれによる差別をなくす生きるための戦いであり、生まれで当然の様に武士になっていた幕府軍を圧倒しました。
脱藩浪士の様に志の高い者が集まったとき、あるいは、集まった者の志を高めないといけない時にどうあるべきか。その答えの一つが坂本龍馬だと思います。
大泣きする坂本龍馬
龍馬は雨の日に水練に行く際に「どうせ濡れるから」と傘を持たないような合理的な人でした。その一方で、人の個性を認め、大切にする人でした。
「竜馬が行く」には、「人切り以蔵」という人物が出てきます。以蔵は土佐勤王党やそのトップであった武市半平太に貢献すべく、佐幕派を多く手にかけました。それは龍馬のめざす理念からは許せない物でした。しかし、そのような以蔵を愛して、その死に泣きました。
また、土佐を離れたとき、それは単に友人である武市半平太を捨てただけでなく、結果的に友人を処刑から救えない事になり、山の中で、ひとり号泣する事になります。
龍馬のリーダーシップ
龍馬は日本初の株式会社(の原型)とも言われる亀山社中を立ち上げ、やがて土佐の支援を受けてのちの三菱財閥の基礎となった海援隊としました。それは、商家の血が目覚めた様にも思えますが、大志のために生活の糧を得るとともに戦の時に備えた決断でした。
それは大変だったと思います。国を変える事や尊王攘夷しか頭にない人間を、国家の未来のために雇い、働かせたのです。龍馬自身はトップでしたが、本当に望んでいたのかどうか。なすべきことをなそうと、ただただ必死だったのでしょうね。
当時のリーダーでは、血を吐きながら軍を率いた高杉晋作や、佐幕派から逃げながら長州を導いた桂 小五郎(木戸 孝允)など、愛すべき人が多くいます。しかし、私は坂本龍馬に惹かれます。成功だけでなく、間違いや失敗も認め、本当に 人を愛していたからです。
これからのリーダーに必要なこと
これからのリーダーに必要なこと、それは、人を活かしてコーディネートする力だと思います。
一通り、技術が発展し、今後はその応用が求められています。そこでは、優秀なクリエーターが求められるでしょう。その一方で、すごい人はそれほどおらず、みんなで協力する必要もあると思います。ある分野ではすごいが他は苦手な、そんなとんがった人を組み合わせてチームを作るのです。
「私が、私が」と言う人をうまくコーディネートする事が必要です。そこに求められるのは、「私が、私が」と言う人ではなく、サーバントリーダーシップを発揮できる人だと思います。
自分の思いを捨て、関わる人たちの能力を最大限に発揮して、大志のためにひたすら努力する。そのような人材が求められていると思います。
今年の志
かくいう私も坂本龍馬を目指せるかどうか、怪しい物です。友の思いを聞いて西南の役に倒れた西郷隆盛になりそうな気もします。その様にならないためには、目先を見ずに先を見ていいる必要があり、まだまだ勉強が足りないと思います。
今年はより多くの勉強をしないといけない年になりそうです。そこには厳しい現実が待ち構えているかもしれません。しかし、坂本龍馬にも神戸海軍操練所で勝海舟に教えを請う時期が必要だった様に、わたしにも学びが必要だと思っています。
さあ、ことしがどうなるか、今からワクワクしています。
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