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[#TiDD] チケット駆動開発に含まれるアジャイル要素

 チケット駆動開発はアジャイル開発と親和性が高く、電子化によってアジャイル開発を効率化できるほか、従来法にアジャイル要素を加えることも可能です。ここでは、チケット駆動開発にどのようなアジャイル要素が含まれているかをご説明します。

1. プラクティス

 チケット駆動開発にはアジャイル開発のプラクティスそのものが含まれています。

1-1) 電子カンバン
 チケットやその一覧であるレポートやグラフなどは、電子化されたカンバン(もしくはタスクボード)です。アナログな方法は俯瞰が容易ですが、電子化することで分散開発が可能になるほか、担当者や需要度など特定条件での表示や検索が容易になります。

1-2) イテレーション管理
 マイルストーンやバージョンを用いると、各イテレーションのチケットを管理できるほか、複数のイテレーションのロードマップを管理できます。

1-3) ストーリーカードとタスクカード
 チケットはストーリーカードやタスクカードとして利用できます。これらに親子関係をつけることできます(Redmine backlogsのように便利なプラグインもあります)。また、過去のカードの検索や再利用も容易です。

2. 価値

 また、チケット駆動開発は以下のようなアジャイル開発で語られる価値を生み出します。

2-1) コミュニケーション
 チケットやその通知(メールやRSSなど)を利用して、コミュニケーションが活発になります。

2-2) リズム
 チームと個人、イテレーションと日次という2重構造で、チケットに対する確認-計画-実施-更新と一連の作業が行われます。この周期がプロジェクトのリズムを生みます。

2-3) 集中
 日々の担当作業が明確になるほか、イテレーションやデイリーミーティングなど、割り込み作業を受け入れるタイミングができるので、混乱を防ぎ、作業に集中できます。

3. モチベーション

 チケット駆動開発はアジャイル開発に求められるモチベーション(動機)を満足させます。

3-1) ライトウェイトプロセス
 オンラインのホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)により、管理業務を軽量化します。また、確認や承認のワークフローを自動化します。

3-2) ツールによる自動化
 タスクの管理と構成管理の関連付けや、CIツール実行時のエラーチケット発行など、ツールによる自動化を推進できます。

3-3) 管理チームから現場への大政奉還
 より良い製品を効率よく生み出すには、保証すべき品質は実装後に確保するのではなく、開発の初期から作り込まないといけません。これは、管理チームから現場への大政奉還です。

 品質保証に限らず多くの管理作業を現場で実施することで、自律的な組織ができます。組織的な改善活動だけでなく、プロジェクトに合わせた現場からの改善が可能になります。やらされ感をなくしてチームの最大限の能力を発揮できるでしょう。

4. まとめ

 このようにチケット駆動開発はアジャイル要素を多く含んでいます。チケット駆動開発によってアジャイル開発を実践すれば、効率化できる可能性があります。また、従来のソフトウェア開発に適用すれば、アジャイル要素を取り込むことが可能です。このほか、一度にアジャイル開発に移行できない場合に、アジャイル開発へのファースト・ステップとして利用することも可能です。

 対象のプロジェクトをどのように改善すべきか、ポイントを絞って始めれば、大きな効果が得られるでしょう。

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