新技術に踊るなかれ!
熊とワルツを踊ってしまうエンジニアたちは、新しい技術に出会うと小躍りして喜んでしまいがちです。
この記事は面白いですが、これはアジャイルだけの話ではないと思います。
記事中にもUMLが出てきますが、同じようなことは、開発標準、メトリクス、CMMなどのブームにもありました。ソフトウェアの新技術が登場して、新しいブームが起きると、こんな人たちが現れ出します。
・知ったかぶり
やったことがないのに、評論家気取り
・妄信
これこそ、待ち望んでいたものだ。これしかない
・これさえやれば(銀の弾丸)
今までとは違うんだ。過去の技術は捨てるんだ
・標準化
みんなやりなさい。ルールだからと押し付ける
・教条主義
本に書いてあるじゃないか、手抜きをするな
・守破離と言いながら
まず守らなければ良さはわからないと、守らせ続ける
・とにかくやれ
反論は許しません。俺に従え!
・まだ不十分だ
効果が出ないのはきちんとやってないからだ
・ごまかし(データの改ざん)
この結果はおかしい。こんな報告はできない
人間はついつい過ちを犯してしまうのです。プロセスを変更する際は、問題を見極めてそれにふさわしい技術を導入しないといけません。
しかし、危険なのはこのようなブームに踊るのが、技術者だけではないことです。技術者と同じ様に仕事を発注する側の人たちも、間違いを犯すことがあります。新しい技術なら、より安く、より良いものができるに違いないと思ってしまうのです。
こうなると、発注する際の条件や優遇のポイントにしてしまいます。開発側も、仕事が請けられるなら、会社としてはそれなりに利益が出ることから、会社の方針として新しい技術を持ち上げたり、表面的に実施するようになります。やがて、向き不向きに関係なくブームがブームを呼び、わけもわからず、社会現象になってしまいます。
ソフトウェア開発をする上で、長期的な視点で新しい技術への試みは必須です。しかし、流行りだからと導入するのでは、うまくいくはずがありません。正しく理解した上で、その技術を取り込む必要があるかどうか、冷静に判断する必要があるでしょう。
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