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[#TiDD] ツールでできること

チケット駆動開発を検討されてる方にお話をした際に、あまりにも積極的な方に

「チケット駆動開発で解決できる問題がない場合や、イメージできない場合は失敗するのでやめてください。まずは障害管理から始めてください。」

とお話をしたことがあります。チケット駆動開発は、単に「BTSを入れれば開発が楽になる」といった類のものではありません。BTSを導入した上で、その機能を生かしてチケット駆動開発を実践し、プロジェクトの問題を解決しなければ、効果は得られません。

もちろんチケット駆動開発で解決できる問題が、存在していなければ効果はありませんし、よくわからないままプロジェクトに導入しても、改善できたかどうか、たぶんわからないでしょう。幸いなことに、もし障害管理ツールを初めて導入されるなら、それだけでも情報の一元化や情報共有、履歴の保存、構成管理ツールとの連携など、様々なメリットがあります。まずは障害管理ツールの導入から初めて障害管理ツールに慣れていただければ、チケット駆動開発の良さをきっと理解していただけると思います。

さて、先日のRyuzeeさんの記事「[Agile]アジャイル開発でツールを導入する5つのステップ」の最後にこう書かれていました。

「チームがアナログで出来ないことはデジタルで出来るわけがない」

この言葉は、私が上で述べたことにつながるもので、おおむね賛成できます。デジタルでできるものであれば、規模の制約や検索能力を除くとアナログでもできるからです。そして、本質的な問題の把握したうえで解決しなければ、プロジェクトの改善はできないからです。しかし、この言葉が表面的にとらえられて一人歩きするとチケット駆動開発に可能性を見出している私としては、困ったことになりますので、問題を整理しておきたいと思います。

私の思うに「アナログで出来ないことはデジタルで出来るわけがない」と言うのは、どちらにしろできない理由があるのだと思います。

どっちにしろできない理由
・問題意識がない
・問題が分かっていない
・解決法を知らない
・そもそも概念や目指しているもの、理論がわかっていない

このような状況では、何をやってもうまくいくはずがありません。試してみる以前の状況で、ごっこ遊びをしているだけです。明確な目的なしにプロセスを無理やり変えても、現場が大変なだけです。

これ以外にもツールから始めることで、失敗してしまう可能性もあります。具体的には以下のような場合です。

ツール(デジタル)から始めるとできなくなる理由
・ツールの利用が目的となり、目的と手段が入れ替わる
・規模の制約がないので、バランスが取れなくなる

アナログの良いところは、人に近い道具であることです。ツールを学ぶ負担も少ないので、ツールを学ぶだけで力尽きることもありません。ツールの先にある方法論に力を割くことができます。また、タスクボードやタスクカードのように制約があることによって、人間の管理できる範囲に情報がまとめられるという良さもあります。

その反面、アナログならではの難しい問題もあります。

アナログでは難しい問題
・規模の制約
・検索能力の問題

これは、BTSというツールが必須であるチケット駆動開発にはない問題です。アナログですと、まずはタスクボードが必要ですし、置き場所にも困る場合があるでしょう。さらに、大きさにも限界があって、管理できるタスクカードには限界があります。カードが増えてくると検索したくなりますが、配置や色などを工夫して探しやすくするぐらいが限界で、そこで表現できる情報にも限界があります。

この制約は、上にも述べたようにアナログの良さでもありますので「だからデジタルが良いのだ」などと言う訳では必ずしもありません。しかし、チケット駆動開発に限るならば、実践しなければ感じにくい良さもあります。

使ってみてわかること
・情報の一元化は重要
・チケットの抽出・並べ替えや検索は良く使う
・集中とリズム

情報関係の方なら、データベースの設計に正規化が必要なことはご存知でしょう。でも、社内文書になると、報告先や打ち合わせに合わせて似て非なる資料を作ることが多いでしょう。面倒とは思っても、情報の遅延という問題には必要悪だと思われていないでしょうか?チケット駆動開発を実践すると、すべてがチケットを中心に回ります。一覧やガントチャートなど、表現方法は色々あっても、そのデータは一つです。誰もが最新の情報を遅延なしに知ることができるのです。

また、チケット駆動開発は忘れずきちんとやる仕組みです。忘れてしまいそうな出来事が多いほど効果的です。そこで、何かあるたびにチケットを抽出して並べ替えたり、検索します。これをアナログの付箋で実現することは困難でしょう。

そして集中とリズム。これはやってみないとわかりにくいと思います。口頭での情報共有は朝会が中心で、それ以外はチケットで作業指示やQ&Aが行われます。朝会後にチケットを参照して予定を立て、作業が終わればチケットを更新する。その様な日々の作業の中で都合の良い時にチケットを確認する。そのようなリズムの中で、作業に集中できます。

これらのうち「抽出・並べ替えや検索」を除けば、アナログでも実感できるものです。これらはこだわるべきものではありますが、明確な問題として認識されていなければ、それを理由に新しい方法論を導入することは難しいかもしれませんが、チケット駆動開発ならほかの理由で導入して実感することができるのです。

結局、大事なことはデジタルとかアナログとかそういう問題ではなく、今、プロジェクトでどのような問題が起きているか、どのようにすれば解決できるかということです。効果が見込めないのに、ツールや方法論を導入しても無駄です。

チケット駆動開発には多くのメリットがあります。もし、チケット駆動開発で解決可能な問題がプロジェクトで発生しているなら、ぜひチケット駆動開発の導入を検討してください。チームのメンバーで問題意識を持って取り組めばきっと効果が出るでしょう。そうすれば、気づかなかった問題点やチケット駆動開発の良さに、気づかれるかもしれません。

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