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[#TiDD] コミュニケーション - ソフトウェア開発で重要なこと その2 -

ソフトウェア開発で重要なこととして、コミュニケーションほど古くから言われている言葉はないでしょう。ソフトウェア開発の神話(人月の神話)には、旧約聖書からバベルの塔の話が引用されて、コミュニケーションの重要性が語られています。旧約聖書ですからコミュニケーションの重要性は数千年前から認識されていたことになるのでしょう。

重要性が語られる一方で、これほど色々な意味でつかわれる言葉もないでしょう。仲良くする、あいまいにしない、詳細に説明する、情報共有、など色々なイメージを思い浮かべられると思いますが、最も重要なのは、コンセンサスを得ること、それとコミットメントでしょう。

コンセンサスを得るというのは意見を一致させて合意するということで、コミットメントというのは責任(感)を伴う約束です。プロジェクト内で共通の理解に達すること、その合意に従って責任を持って約束をしてきちんと達成すること、それなしにプロジェクトは運営できません。

プロセスもソフトウェアであるオスターワイル氏は言いましたが、多くのオブジェクトが正しく連携して動くには、各オブジェクト間のインタフェースが正しく実装・認識され、正しく動作しなけれあなりません。同じようにプロジェクトもコンセンサスが得られずにコミットメントもなければ、一つのチームとして協調作業ができないのです。

さて、先日のスクラムワークショップで教わった内容には、このコンセンサスとコミットメントの仕組みがありました。一つは意思の表明による多数決、もう一つは計画ゲームです(きっと、他にも色々あると思います)。

アジャイルというと、過去の開発法をのアンチテーゼのようにとらえられる方もおられるかもしれませんが、このように昔から重要と言われたものが大切に実現されている面もあるのだと思います。

逆にいうと、コミュニケーションという価値を実現するには必ずしもアジャイル開発である必要はありません。リーダーが勝手に見積ってメンバーに強制するのではなく、メンバーと共に見積もったり、レビューしてもらう、計画の感想を聞いた上で、それを参考にプロジェクトを運営する、とったことでコンセンサスを得ることができると思います。また、進捗にばらつきが出たときに、どうすべきかの判断を求めた上で自主的に担当を変更ができtなら、コミットメントを得たことになると思います。

コミュニケーションというと見える化や情報共有を思い浮かべがちだと思います。コンセンサスやコミットメントを得ることを考慮すると、やらされ感を減らしてより自律的なプロジェクト運営に近付けるのではないでしょうか。


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