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[#TiDD] プロセスプログラミング4 - チケット駆動開発 -

ここまで、プロセスプログラミングの歴史から、プロセスの設計方法と品質特性プロセスのインスタンスを進化させる技術について書いてきました。最後にプロセスプログラミングの開発環境としてのチケット駆動開発について考えてみます。

ソフトウェアの開発環境を考えたなら、パワフルで柔軟性の高い言語やフレームワークといった環境の導入が大切であることがわかると思います。便利なライブラリがそろっていて、思い通りにプログラムできる言語、簡単な設定だけで複雑なプログラミングが不要になるフレームワークがあれば、生産性が高まって楽にソフトウェアが開発できるでしょう。

プロセスプログラミングの歴史で述べたプロセスモデリングの研究の目的にも、プロセスの実行支援やプロセスの自動実行があります。プロセス間の制約や関連のパターンを用意しておき、簡単な定義によって、計画やその変更、実施を支援するものです。

BTSをタスク管理に用いるチケット駆動開発は、プロセスの実行支援や自動実行が特徴です。ウォータフォール開発の改善やアジャイル開発の改善のほか、多くの支援が可能です。

プロセスプログラミングの歴史で述べたように、ウォータフォール開発では、工程間の順序性が高いですが、工程内のタスクはリーダーに任されており、外乱に強い柔軟なタスクを構成することが求められています。チケット駆動開発ではタスクをチケットに記述することで、タスクの進捗管理が容易で、タスクの実施順序の変更時も容易に管理できます(もちろん、順序を容易に変更できるようにタスク分割しなければなりませんが)。

アジャイル開発で必要になるオブジェクトブラウザやトラッカーに相当する機能も、チケット駆動開発は支援しています。様々な視点でオブジェクト(タスクのチケット)をブラウズできますし、変更や議論の履歴が自動的に残ります。また、複数回リリースするアジャイル開発では、リリース後のソースと開発中のソースを2重管理する必要がありますが、チケットのワークフローという制約を簡単に定義することで、プロセスの実行を支援します。

この他にも、チケットのブロッキング関係も制約の定義と支援ですし、チケットの更新時にメールを送信するのもプロセスの自動実行と考えることができます。

このようにプロジェクトを実施することは、インスタンスを進化させるというプロセスプログラミングそのものなのです。プロセスプログラミングの視点で、その環境を用意するならばチケット駆動開発は大いに参考になるでしょう。また、チケット駆動開発の事例を集めることは、プロセスのインスタンスを進化させるノウハウそのものだと思います。

#このようにプロセスプログラミングをベースにすると、サーベイ論文がいくつか書けそうですが、どなたか一緒に書きませんか?

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