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(更新)プログラマが知るべき、たったひとつの大事なことがら - デブサミ2011 その2 - #devsumi

Developers Summit 2011の講演で最も印象的だったのが、和田卓人さんの講演でした(j7400157さんのブログ記事が詳しいので、詳細はぜひそちらを見てください)。

2011/2/25追記:スライドが公開されましたので追加しました。

このお話に惹かれたのは、以前からエンジニアはどう生きるかということが気になっていたからです。

1.手配師になるか技術屋で生き残るか

一緒にチケット駆動開発の本を書いたあきぴーさんのブログを、何かの時に見ようと思って検索したとき、
手配師になるか技術屋で生き残るか

というエントリーが目につきました。これは「コンサルタントのつれづれ公開日記」の2つの記事

をもとに書かれています。最近の大手ベンダーのSEは、「手配師」っぽくなっているという話です。元記事には

「ひとつポイントとなるは、「手配師」をよしとするか、否かだ。ここの価値判断が問われそうだ。」

とありますが、そんなものなのかと思って、手配師をWikipediaで調べてみると

「手数料を取って人材を周旋する者」

とありました。たしかに、ソフトウェアの仕事は、そんな風に見える局面もありますが、どちらかというとそのあとの、

「請負師といった場合は、仕事を請け負い、自らは労働や作業をすることなく、必要な人材(職人)や材料を手配し、かかった手間賃や材料費に利益を上乗せして稼ぐ者のことも指す。」

の方がまだ近いように思います。そこで、「請負師」で検索すると「建設の陰と陽」というサイトに

大手請負師とは、現在のゼネコンのことです。

とありました。そこまで行くと技術をするか管理をするかという一般論になってしまうようにも思えます。その観点で考えると、確かに二者択一のようではありますが、どうも違うような、少なくとも自分はそんな生き方はできないように思っていました。

2.和田さんの講演

そのようなことを考える中で、和田さんの講演「プログラマが知るべき、たったひとつの大事なことがら」は、思いめぐらしていたことをすっきりさせてくれました。

和田さんはTDDで有名な方ですが、「プログラマが知るべき97のこと」という本の監修をされています。この本は、原著の97人+日本の10人が少しずつ書かれた本なので、その内容をすべて話すことはできず、色々な方と相談されたようです。その結果、本をベースに「自分にしか話せないこと」を話そうと決められました。

そして、和田さんは人生を語られました。

a)脱完璧主義

元々はオブジェクト指向の完璧主義だったそうです。それが、TDDを知ることで、

 失敗(Red)=>動くコード(Green) =>リファクタリング=>失敗

という黄金の回転によって、いきなり完璧を目指すのではなく、まずは動くように開発して、徐々に開発するというようになったそうです。

b)出会い

TDDを学んだのは、まさーる(石井勝)さんからだそうです。とても親切に教えてくださったそうです。このまさーるさんとTDDによって完璧主義の呪いから救われたそうです。

その後、石井さんは福知山線の事故で亡くなられました(石井さんはSEA関西やXPJUG関西にもよく出られていたそうです。残念ながら私はあまり記憶がないのですが、当時、周りの人は大きなショックを受けていました)。

c)情報発信

その後、和田さんは教わったことを情報発信される様になりました。

「アウトプットするとインプットが増える。ブログや講演をするとさらにインプットが増える。オファーがきたりする。」

この言葉、パソコン通信の時代から「情報を得るにはGIVE&GIVEだ!」という様な言葉で言われていますが、実際に実践されている方の言葉だと重みが違います。人に情報提供することで、関心を持つ人が集まって、情報が集まるのです。

d)僕がどういう事ができるか?

講演の中で最も私の心に響いたのは、どうしてアジャイルでなくTDDかというお話で出た

「僕がどういう事ができるか?」

という言葉でした。はやりの技術やこだわりではなく、自分の立ち位置をどういう事ができるかから考えることは、とても重要だと思いました。

3.自分の人生を生きていく

この講演を聞いて、最初にあげた

「手配師になるか技術屋で生き残るか」

という問題で、ひっかかっていたことがわかったような気がします。自分が「どのように生きたいか」というこだわりは誰しもあると思います。しかし、技術志向で生きていこうと思っても、思っているようなプロジェクトに当たるかどうかはわかりませんし、担当作業の割り当てて自分だけおいしい仕事をするわけにもいきません。自分が技術力を向上できる仕事が好きなだけに、ついつい

「おいしい仕事は若い人に」

と思ってしまいます(それを、ややこしいところだけ任せられると思われてショックを受けることもありますが、、、)。

無理にこだわるよりも、チケット駆動開発のBTSみたいにプロジェクトに大切な人になって、プロジェクトを成功させたいと思ってしまいます。結局、

「手配師でもなく、請負師でもなく、コンサルでもなく、研究者でもなく、プロジェクトを成功させる人でありたい」

と思います。より、一般化するならば、何かにこだわって生きるのではなく、

「手配師でもなく技術屋でおなく、自分の人生を生きていく」

ことが大事なのだなぁ~、と思いました。


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