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[#TiDD] チケット駆動開発がもたらすプロセス その5:リズム

これまで、チケット駆動開発のポイント、チケット駆動開発によるプロセスの変化チケット管理形式化と説明してきました。このような変化から生まれるのは、開発の「リズム」です。

リズムは、明確になったプロセスが繰り返されることにより生まれます。ここまで説明した2階層のプロセスには、以下のリズムがあります。

個人では、チケット一覧をチェックして、1日の作業範囲を決めて作業し、その日の終わりには進捗を登録するという日々のリズムがあります。

プロジェクトでは、朝会に始まる日々のリズムのほか、棚卸しのリズム、マイルストーンあるいはイテレーションというリズムがあります。

パターン化された繰り返しの中で、リズムが生まれます。同じことを繰り返す中で習熟し、見積もりが正確になります。また、チケットに関する運用ルールが守られる様になります。

このリズムの生まれ方、スピード、対象、はチケット駆動開発の大きな特徴です。CMM/CMMIの段階モデルの概念と比べながら説明してみましょう。

1.成熟の順

CMM/CMMIでは、反復可能となってから定義されたプロセスになります。チケット駆動開発ではチケットを用いることから、先に運用方法が定義されてから繰り返しが始まります。

これは一見難しそうに思えますが、チケット駆動開発をなぜ始めるかを考えてください。チケット駆動開発で解決したい問題にあわせて運用ルールを決めればよいのです。問題を解決できるように運用方法を決めれば、導入のきっかけになった問題は解決できるでしょう。

また、運用している中で使いにくい状況があまりに多いなら、途中で運用方法を変えてもよいでしょう。ただし、チケットの種類(トラッカー)を増やしてステータスやワークフローを変更すると、それまでのチケットと単純に比較できなくなり、統計的な管理が困難になるので注意してください。

2.成熟のスピード

CMM/CCMIでは数年毎に成熟しますので、効果が現れるまでにいくつかのプロジェクトを経なければなりません。チケット駆動開発は目の前の問題に対して導入するものですから、即効性があります。

また習熟するためにはハンフリーさんが「訓練、訓練、訓練」といわれているように、繰り返しが重要です。チケット駆動開発はリズムで説明した繰り返しプロセスが、多重に存在しますので、短い期間で習熟します。

3.対象プロセス

CMM/CCMIをご存知の方なら、ここまでの比較がフェアではないと思われる方もおられるでしょう。CMM/CCMIは組織のプロセスを対象とするのに対し、チケット駆動開発はプロジェクトと個人を扱うからです。

実はCMM/CCMIにもチームを対象としたTSPや個人を対象としたPSPがあります。CMM/CCMIもそうですが、これらの中から現状の問題を解決するプラクティスを導入すれば、より直接的にプロセスを改善することができるはずです(もちろん解決できる問題はチケット駆動開発と異なります)。

実際、CMM/CCMIのみを導入して成功している企業には、古くからQCサークルのような品質向上運動や徒弟的な技術移転を実現している様に思えます。この点、営業的な理由でレベル達成をゴールとした外国企業のソフトウェアの品質が必ずしも良くないことをあわせて考えると、納得がいきます。

オスターワイルさんが言われるように「プロセスもまたソフトウェアである」といえます。組織だけのプロセス成熟を考えることは、バグの多いライブラリを使い続けながら、システムテストでバグをつぶすようなものです。すべてのプロセスのベースとなる、個人のプロセスがしっかりしていなければ、全体の品質を向上させることはできないのです。

チケット駆動開発には、(1) 作業を管理して漏れをなくす、(2) 作業履歴を残してトレース可能にする、(3) ツールと連携して自動化する、という大きな特徴があります。しかし、それだけではありません。

  • 個人のプロセスからはじまり、プロジェクトのプロセスに「リズム」を与えて成熟させる

という大きな特徴があるのです。

続きます。

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