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[#TiDD] チケット駆動開発がもたらすプロセス その3:チケット管理

続きです。

チケット駆動開発が根付きだすと、チケットの管理が必要になります。チケットの管理も個人とプロジェクトの2階層のプロセスになります。

ここで注意しなければいけないのは、チケットは個人に閉じるものと閉じないものがあるということです。

個人に閉じるものとは、作業を担当してからクローズまでを担当者が一人で実行できるチケットです。個人に閉じるチケットには、以下の二つがあります

  • 本人が発行した備忘録的なチケット
  • 分担したプロジェクトの作業(WBSの一部)

これらいずれにおいても、チケットの管理は基本的に本人が行います。チケットの期限や優先順位を考慮して、日々の作業を計画して実行します。もし、作業が期限内に収まらないときは、プロジェクトリーダにアラートを上げます。

個人に閉じるチケットであっても、個人に任せたままではうまくいきません。アラートが上がる前に作業の遅延を見つけて、問題を解決する必要があります。チケットを用いて朝会を行っているなら自然に見つかるでしょうし、口頭での報告だけであっても和やかな雰囲気であれば、容易に聞き出すことが可能でしょう。

また、実行漏れや閉じ忘れにも注視する必要があります。常にチケットを用いて作業を行っていることがわかっていればあまり気にする必要はありません。しかし、チケットの粒度が大きいときには忘れがちです。個人に閉じるチケットであっても、自主性を失わない範囲で、放置されているチケットがないか、時々は組織的に確認したほうがよいでしょう。

個人に閉じないチケットとは、このようなものです。

  • 結果がお客様や品質保証部などプロジェクト外に直接伝わるもの
  • リリース中の開発をワークフローで管理する場合

など、作業担当者以外がクローズする場合です。お客様の要望などプロジェクト外から生じたチケットであっても、エクセルシートなどチケット以外の伝達手段を用いているなら、担当者がクローズする個人に閉じるチケットとしても良いでしょう。

個人に閉じないチケットは、棚卸が必須になります。棚卸とは、週に一度など一定期間ごとに閉じられていないチケットを確認する作業です。作業が行われていないチケットと、確認作業ができていないチケットを明確にしします。必要なら、期限(マイルストーン)までに完了するように、作業の再配分を行います。

このようにチケット駆動開発は、個人とプロジェクトの2重プロセスになっています。明るく活気のあるプロジェクト運営をするコツは、個人プロセスの自主性を尊重することです。プロジェクト管理は重要ですが、ぎすぎすしない雰囲気作りが大切です。

プロセスとは入力と出力が決まっているその間の作業群です。許容可能な範囲にある限り、その実施方法はある程度自由が許されます。トップダウンで指示するだけでなく、自主性やメンバー間の助け合いを促せば、開発者も能力を発揮しやすくなるでしょう。

続きます。

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