[#TiDD] チケット駆動開発はプロジェクト成功の3C(Commitment、Communication、Collaboration)を実現する
かつて、研究開発を目的として小さなチームのリーダをしていたときのことです。ちょうど、アジャイル開発の第1次ブームの頃でした。イテレーティブな開発をはじめとして、いくつかのプラクティスを取り入れました。しかし、それなりに開発は進むものの「すごい」とか「これだ!」と言う感じはありませんでした。
その理由を考えると、明確な顧客がいなかったなど、他の理由もあると思いますが、一番大きかったのは、
- エクセルシートをタスクボードとして使った
ことだと思っています。
タスクボードと言うのは、カード化されたプロジェクトのタスク(タスクカード)を貼っておくボードです。残念ながらそのボードを置く場所がなかったので、最初の列にタスク、残りの列に、予定、実施中、完了のステータスを示したものでした。
見た目の機能的にはタスクボードと変わらないのですが、これが大きな間違いでした。今から思えば、このような状況でした。
- シートを更新するのはリーダの作業になってしまった
- メンバーがシートを見るのは、週次のミーティングだけだった
- タスクの粒度が大きかったので、作業に緊張感がなかった
- 開発者はプロジェクトの状況を把握していなかった
- 担当作業以外に興味を持たず、他のメンバーに協力しようとしなかった
もちろん、すべてのメンバーがこのような状況ではなかったのですが、なんとなくサラリーマン的で、どうもうまくいきませんでした。
プロジェクトと言うのは「みんなで攻めている」という感じが大切だと思います。みんなで、「いけるぞ、やったるぞ、まかせとけ」、といった雰囲気があれば、大変なプロジェクトでも最高のパフォーマンスを出すことができると思います。
もちろん、精神論でどんなプロジェクトでも何とかなるわけではありません。しかし、みんなが後ろ向きになっているプロジェクトがうまくいくはずがありません。与えられたリソースで、最高のパフォーマンスを出すのがリーダの仕事ですから、メンバーのやる気を引き出すことが大切です。今から思えば、その観点が不足していたのだと思います。
チケット駆動開発はプロジェクト成功の3C(Commitment、Communication、Collaboration)を実現します。チケットはタスクカード、BTSはタスクボードです。BTSのチケットをタスクマネージメントに用いれば、プロジェクトの状況をみんなで共有することで、以下のことが可能になります。
- 担当作業に責任を持って実施する(Commitment)
- プロジェクトの状況を把握する(Communication)
- お互いに協力する(Collaboration)
チケット駆動開発の良い点は、難しくないことです。容易に導入し、これらのことを簡単に実現できます。それは、アジャイルでも従来型の開発でもかまいません。
# I will put my instructions deep within them,
# and I will write them on their hearts.
# Jeremiah 31:33 (New Living Translation)
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