[#TiDD] チケット駆動開発は従来型開発とアジャイルの隙間を埋める
従来型のウォーターフォール開発とアジャイル開発のWin-Winプロセスについて語ってきましたが、結論は20年以上前から変わっていません。
ソフトウェア開発に銀の弾丸はない(リンク先はWikipedia)ということです。暴れる狼男なら銀の弾丸を撃ち込めば撃退できますが、ソフトウェア開発に絶対のプロセスなどないのです。よりふさわしいプロセスを参考に、アプリケーションの要件、開発組織の文化、開発メンバーにあわせて、プロセスはテーラリングしなければならないのです。
これまでは、従来型の開発プロセスでは、ビジネスの変化、技術の変化、より高度な要求に答えるのは、難しいと思っていました。しかし、最近は顧客重視のマインドを持っているならチケット駆動開発で何とかなるのでは、と思っています。
もう、半年以上前のことになりますが、とある居酒屋であきぴーさんとチケット駆動開発を方法論にする方法を議論したことがあります。タスクを管理するだけでなく、ストーリーカードに相当する内容をどのようにチケットにするかを議論しました。その内容の一部はプログラマーの思索に載っています。
チケット駆動開発では、従来型のエビデンスを必要とするプロセスであっても、必要な情報をチケットやその関連として残しておくことで、既存のルールに対応できます。これまではアジャイル開発でないと難しかった、変化への対応やスコープの変更を支援してくれます。
かつてXPJUG関西でCMMIのプロセスに、XPをあてはめる努力がなされました(さかばも少しだけ参加しました)。チケット駆動開発は、そのようなアジャイルの実践が困難な組織での解決法の一つになりうると思っています。
チケット駆動開発は、このように従来型プロセスでの有効な開発法であると共に、アジャイル開発に様々なツールを取り込んでいく上でも役に立つものです。また、他組織と連携する際のコミュニケーションツールとして、Win-Winプロセスの実現にも役に立つでしょう。
アジャイルだとかウォーターフォールという2言論的な捕らえ方は、その概念が普及する上では役に立ちましたが、もうその時代は終わりつつあると思います。様々な開発法がある中で、どのようなプロセスで開発するか、具体的な実践技術が求められていると思います。
来月発売の「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」では、そんな思いで従来型プロセス向けに、さかば担当で書いきました(あきぴーさんはアジャイル向けの部分を執筆されています。分量的にはあきぴーさんの執筆が大半です)。
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