[#TiDD] チケット駆動開発の本質は任せる(楽をする)こと
平鍋さんの「リーンの本質は考えること」という記事を読んで、アジャイルの第一人者である平鍋さんの言葉に、確かにリーンではどのようなリスクで、どのように対処するか考えることが大切だ。などと思いながら、シンプルな言葉で説明することの重要さを感じました。
そこで、チケット駆動開発の本質を考えたところ、
「TiDDの本質は任せること」
だと思いました。チケット駆動開発には様々なバリエーションがありますが、基本は任せることです。
- 忘れそうな作業を覚えることを任せる
- 抜けなく確認する段取り(ワークフロー)を任せる
- ソースを作業と関連付けることを任せる
- 日々の作業の一覧表示を任せる
- プロジェクトの見える化を任せる
- 各種ツールとの連携を任せる
などです。チケット駆動開発はこのように、不安になることや、難しそうなこと、大変そうなことを、RedmineやTracといったBTSを中心としたツールに任せて楽をするのです。
ツールに任せて楽をするのですから、ミスが減り、信頼性が向上し、生産性が向上するのはあたり前です。
私が初めてチケット駆動開発を始めたときもそうでした。仕事に趣味は持ち込まない主義ですので、私が入るまでの開発方針で進めていましたが、どうも危ない、大変そうだ。これだったらチケット駆動開発を入れるほうが良い、と判断して始めました。
当時はtracを使いましたが、その環境も会社が用意してくれるものを使って導入工数を減らし、絶対うまく行くとの自信を持って始めました。今から考えれば、工数をかけてRedmineを入れても十分元が取れましたが、楽をするのが目的ですので、それでよかったのです。
ポイントは、トータルで楽ができることです。無理なチケット駆動開発は不幸を生む可能性があります。はじめのうちは、許された範囲で、広い目で考え、思い込みをせず、に実施するのが良いでしょう。
具体的には、以下の点に注意すべきだと思います。
1.ルールを守る
仕事として行うからには、勝手なことをしてはいけません。上司の許可を得て、客先との契約上の問題にならない範囲ですべきです。
2.局所解に陥らない
ソフトウェアの寿命は長いものです。開発リポジトリの維持の考慮しなくてはなりません。目先の利益だけでなく、広い視野で、ツールや運用方針を決めなくてはなりません。
3.非忠誠
リンク先の平鍋さんの記事をぜひ読んでください。非忠誠とは、頑固な原理主義ではなく、現実を見つめた柔軟な対応をすることです。どこかでうまくいったからといって、それがそのまま通用するとは限りません。何をツールに任せるべきか、どうすれば楽になるか現実的な解決法を選ばなければなりません。
意地を張ったり、目先のことだけを考えて、勝手なことをするのではなく、正しく理解した上で、信じられるものに任せることが大切なのだと思います。
# Turn away from your sins and believe the Good News!
# Mark 1.13 (T.E.V.)
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