[TiDD] 出版裏話1:没になった原稿 - なぜ「チケット駆動開発」と呼ぶのか -
来月発売の「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」の「はじめに」は、実は第2バージョンです。
最初の「はじめに」は、若干ドラマ仕立てになっていました。
1.チケット駆動開発を始めて聞いたときは「ネタ」だと思ってたこと
2.あきぴーさんが「アジャイルがわかった!」と興奮していたこと
3.実際にやってみると良かったこと
と書いていたのです。
しかし、あきぴーさんに確認したところ、たぶん2の「興奮」という描写についてだと思いますが、かなり脚色が入っていることもあって「恥ずかしい」とのこと。力作はあえなく「ボツ」になりました。
このボツ原稿の内容で、書いておきたいのは、
なぜ「チケット駆動開発」と言うのか
ということです。例えば、こんな名称も考えられるでしょう。
・チケット・ベースド・マネージメント
・BTSによるプロジェクト管理
・タスクカードの電子化
本当のところは提唱者のまちゅさんに聞かなければわかりませんが、ライトニングトークなので、若干のウケ狙いでもあったのかも知れません。今一度、まちゅさんのチケット駆動開発の最初の発表を見てみると、チケットが障害管理、構成管理、コミュニケーションや作業分担、進捗管理の中心になっていて
・チケット中心開発
と言ても良さそうな印象も受けます。実際、あきぴーさんとSPESの論文を書く際には「チケット駆動開発」以外の名前を検討するべく提案しました。
しかし、あきぴーさんの答えは明確で「チケット駆動開発」は譲れないとのこと。当事は、しぶしぶながら承諾しましたが、この理由は、のちに私がチケット駆動開発を実践してみて、ようやく分かたのでした。それは
チケットがプロジェクトをテンポ良く推進してくれる
ということです。本の中では「リズム」と言う表現をしていますが、チケット駆動開発を実践していると、
朝:チケット一覧を見て、作業計画を立てる
昼:チケットの作業を順にこなしていく
夕:チケットの進捗を登録する(完了チケットのクローズ)
という、開発パターンに体がなじんで、プロジェクトがリズミカルに進んでいきます。これは、体験してみないと分からない感覚でした(もし、チケット駆動開発を実践しているのに感じられないなら、備忘録のような細かなチケットをもっと発行してみてください)。
この「リズム」を感じる個人のプロセスは、チケット駆動開発のアジリティとも関係する大切なものです。ぜひ、チケット駆動開発を実践して体験してみてください。
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