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[TiDD] チケット駆動開発の生産性

チケット駆動開発で日々の作業をきちんと実施すれば、生産性が向上します。理想的なチケット駆動開発は、以下のように実施できます。

1)作業をチケットに登録する
2)期限を設定するならば、もっとも遅い締め切りを設定する
3)他のチケットよりも先に実施すべきチケットの締め切りは、それ作業の締め切りより必要な工数分だけ前に設定する
4)毎朝、チケットの一覧を確認し、必要となる工数とスケジュールから、その日に実施するチケットを決める
5)その日のチケットに書かれた作業をすべて実施する
6)完了したチケットを閉じる
7)作業中に発生した作業は、必要がない限り翌日以降に実施する

このようにその日の作業を決めてきちんとこなすことはチケット駆動開発の基本です。

かつて、小学校の先生が松下幸之助の仕事術を教えてくださいました。いくらやってもこなせないほど仕事がある社長業をこなすコツは、毎朝その日こなす作業を決めて、きっちりと終えることだそうです。そのような仕事術がチケット駆動開発には含まれています。

これらの実施法はいずれも重要ですが、1番の作業がチケットに登録されていること、そして7番の予定外の作業を増やさないこと、はチケット駆動開発の生産性を高めます。

この2つに実施法によってチケット駆動開発は、XPのプラクティスである「最適なペースの仕事」を実現するだけでなく、スクラムと同じようにプログラマの「集中」をまもることができます。

このうち、「集中」することがどのくらい重要であるかは、CMMやTSP/PSPで有名なハンフリー先生の本に載っている数値でわかります。

文献[1]のAllied Signal者の調査では、TSP導入時に当初6時間/週しか作業のための時間しかとられていませんでした。その後、手法になれて10時間/週に改善しまし、作業以外の時間を効率化して1年後に15時間/週、その後、支援を受けることでようやく16時間/週になりました。

しかし、マネジメントが外出して質問や情報収集をしないときは、なんと20時間/週を優に超えて作業をすることができたそうです。

[1] W.,S.,ハンフリー, ソフトウェアでビジネスに勝つ, 共立出版, pp.44-48, 2003.

作業に割り込みをかけないことは、このように生産性の向上を生みます。チケット駆動開発では、進捗の情報をチケットから得ることができますので、マネジメントが割り込みをかけることも少なくなり、マネジメントが外出したときのような作業効率が得られることになります。

チケット駆動開発で最適なペースを守り、より集中することは重要です。そのためには

「明日できることは明日して♪今日できることも明日して♪」

という冗談のようなことも、重要なプラクティスになりうるのです。

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