[TiDD] チケット媒体のバリエーションと特性
XP祭り関西2010ではチケット駆動開発(TiDD) のバリエーションに触れましたが、ここではチケットとして使う媒体のバリエーションとその特性について述べます。
TiDDはBTSの利用形態が発展して生まれたものですから、BTSのチケットが本来の姿です。しかし、チケット駆動開発のめざす価値が実現されていれば、媒体は何でも構いません。ただ、チケット媒体の特性は理解しておくほうが良いと思います。
ということで、まとめてみました。あくまでも個人的な感覚ですので、気になるところがあればコメントをお願いします(プラグインなどをあまり使わないという前提です)。
情報共有・同報通知
BTS>メール>スプレッドシート、Wiki、付箋
pullよりもpushの方が同報通知が強力、BTSは両方を兼ね備える
並べ替え(優先順位、その他)
BTS>メール>スプレッドシート>付箋>Wiki
メールはソート条件が限られているが使いやすい。チケットが独立している分だけ付箋のほうがWikiよりも並べ替えがしやすい。
抽出(全体・担当、その他)
BTS>スプレッドシート>メール>Wiki>>>付箋
BTSは抽出したViewが作成できる。スプレッドシートも可能だが難易度大、メールは検索機能が使えるが毎回設定が必要。Wikiは頑張れば可能かもしれない。付箋は抽出が破壊的になるので論外だが、一つの属性だけでよいなら色分けするという方法もある。
マイルストーンと集計
BTS>スプレッドシート>Wiki>>>メール、付箋
BTSでは標準でマイルストーンと集計がサポートされている。スプレッドシートは簡単な設定で可能、Wikiは可能性がある。メールと付箋は手計算になるので絶望的
CMSとの同期
BTS>>>メール、スプレッドシート、付箋、Wiki
BTS以外は運用を決めて手作業でやるしかない。
ワークフロー
BTS>>>付箋、スプレッドシート>メール、Wiki
BTS以外は運用を決めて手作業でやるしかない。付箋とスプレッドシートは承認印欄を作成すればそれらしくなる。
権限
BTS>メール>スプレッドシート>付箋>Wiki
BTS以外は不可能。
その他の候補:
これ以外の良い候補として、カード型データベースがある。きちんと構築すれば、BTSにかなり近づけることができる。ただ、自由度は高いがBTSの方がこなれていて使いやすいでしょう。
« [TiDD] チケット駆動開発の生産性 | トップページ | 昔のXPのスライド・論文公開 »
「チケット駆動開発」カテゴリの記事
- One fact in one placeとチケット駆動開発 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.21)
- マルチスレッド処理と進捗管理・配員・作業分割/割り当て- Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- カプセル化と組織パターン - Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- [#TiDD] ポケモンGOにチケット駆動開発のポイントを学ぶ(2018.05.01)
- [#TiDD] プロジェクトを成功させるチケット管理(2017.07.02)
コメント