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[TiDD] プログラマの敏感期 - モンテッソーリ教育からTiDDを考える -

「敏感期」とは、もともと生物学で使われる用語です。すべての生物の幼少期に、一定のことに対して感受性が特に敏感になる短い時期のことを言います[1]。マリア・モンテッソーリは、これをヒントに教育に利用しました。

これをモンテッソーリ教育(リンク先はWikipedia)と呼び、日本ではパズルやビーズなどの教具を使った幼児教育法として知られています(たとえば(a+b)という2項式の2乗や3乗を理解するための木製のパズルなどがあったりします)。

モンテッソーリ教育では、「敏感期」で高まる発育の力を教育に役立てます。小さな子供が砂の山を作っては崩し作っては崩しを繰り返したり、歩道のブロックを平均台のようにしてよろけながら何度も歩いたり、などというように、「敏感期」の子供は、成長に必要なものを選び取り、集中し、没頭します。

モンテッソーリ教育で有名な相良先生によれば[1]、「敏感期」の子供は恋をしているように、喜び輝くそうです。そして、敏感期を通じて精神は成長し、能力を獲得するそうです。

海外ではモンテッソーリ教育が高校でも行われているように、このような「敏感期」は大人にもあると思います。いわゆる「はまる」とか「マイブーム」のような状況です。

興味の対象の関連資料をあさるように探したり、時間を忘れてプログラミングに没頭する。まるで取り憑かれたかのようにやり遂げたその時に得た知識は、しっかりと身についてその後も役に立つ。コンピュータ好きな人なら、そんな「敏感期」を一度は経験していると思います。

敏感期を迎えるには、環境が大切です。Wikipediaによれば、知的好奇心が自発的に現われるよう、子供に「自由な環境」を提供することを重視しています。つまり、「自由」の保証をすることで「敏感期」を育むということが、モンテッソーリ教育の理論です。

モンテッソーリ教育では「秩序感」を大切にします。いらいらさせずに発達するには、いつもと同じように安心して作業のできる環境を整備することが大切です。清潔で、教具が調えられ、教室が見渡せるそんな環境が整えられます。

この観点でチケット駆動開発(TiDD)の特徴を見てみると、ぴったりとあてはまります。

モンテッソーリ教育 TiDD
自由な環境 自分の意思で選択       自発的にチケット発行(やらされ感がない)
秩序感 思った通りにできる    スケジュール作成の面倒くささがない
見通せる 整理され、どうなっているかわかる    担当チケット、全体のチケットを見ることができる
教具 お仕事を通して学べる    仕様から業務知識、ツールの利用を通して管理方法が学べる
安心感 安心して作業できる    作業の抜けがない(付箋の効果)

このようにTiDDの環境を整えたなら、プログラマーは敏感期を迎えることができます。その脳は冴え渡り、ミスが減り、生産性も向上します。TiDDはプログラマの能力を引き出す開発法なのです。

今度パネラーをするXP祭り関西2010の講演では、TiDDによってプログラマが敏感期を迎えたプロジェクトの話をする予定です。

[1] 相良敦子, お母さんの「敏感期」 モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる, ネスコ・文芸春秋, 1994.

(モンテッソーリ教育ねたはライトニングトークスで話したかったのですが、締め切られたのでブログにしてみました)

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