プロジェクト型でない開発 - XP祭り関西2009 その2-
XP祭り関西2009の2番手は土屋さんの「マネジメントから自律へ」でした。
日ごろの開発はプロジェクトとしてやっているが、実はプロジェクトの前提にあっていない、とのこと。確かに、ゴールも明確にではないし、人もゴールに合わせて集めるのではなく、そこにいる人でやっています。そのために、毎回ドメイン知識の学習や、最適解の模索に多くの時間を使っています。
プロジェクトは形式知を元にゴールを目指しますが、プロジェクト型でないので、共通の目標を持つチームが暗黙知で迅速な対応をする方が良い。技術を磨くと言いますが、磨くとは削ることで、それは無駄をなくすこと。アジャイルのライトウェイトとも一致するとのこと。それは、仕事に合わせて人を集めるのでなく、人がいるところに仕事が運ばれてくるようにすることで実現できるようです。
プロセス改善の目的は良い物を早く作ることで、アジャイル開発ではない。PDCAサイクルにアジャイルのプラクティスを取り入れて、短周期で、回せばよいとのこと。アジャイルかウォータフォールかの議論ではなく、実際の問題に合わせて良い物を取り入れることが現実的な改善であると思いました。
ところで、同じ人の所に仕事が来るというモデルですが、これはかなり効果が上がると思います。昔ながらのプロジェクトでは、途中で人をどんどん追加して、製造が終わるとどんどん減らします。これは、大きな負担だと思います。人が入るたびに説明をするのも大変ですし、担当に合わせて最低限の説明をしているつもりが不十分だったり、議論の度に背景の説明が必要になります。せめて、工程単位、できれば早い時期から同じ人間で開発できれば、非常に効率よく開発できると思います。
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