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必然から生まれたチケット駆動開発 - XP祭り関西2009 その3-

XP祭り関西2009でもっとも興味深かったのはチケット駆動開発(TiDD)です。関連する発表としては中西さんの「ゼロ機能リリースのもうひとつの側面」とあきぴーさんの「チケットファーストでアジャイル開発!」がありました。

中西さんの発表はサブタイトルが「ワーキングスタイルを変える開発基盤をまず構築しよう」ということで、開発を始める際に機能のない(ゼロ機能)ものをリリースできるようにビルド環境を整えるという「ゼロ機能リリース」で、どのような環境を整えれば良いかというお話でした。

具体的には

  1. Tracなどのチケットを用いて、要求から発生するタスクや、バグの管理をする
  2. 構成管理ツールでバージョン管理する
  3. ビルドを自動化する

の3点でした。

まず、1.はチケット駆動開発をしようという意味で、チケットファーストにすることで

  • 無駄が排除できる
  • コミュニケーションプロセスが改善できる
  • 成果物による進捗管理できる
  • 問題が早期発見できる(問題の大きさではなく滞留時間で管理できる)

という効果を述べられました。

次に、2.の構成管理については、メインラインの開発からリリース(メンテナンス)ラインのブランチをリリースごとに起こしていくことや、機能追加、バグ修正、コードのクリーンアップなどタスクレベルでコミットすること、を話されました。

最後の3.ビルドの自動化では、システムの要のテストであるスモークテストは日中のビルドで行い、細かな回帰テストはナイトリ・ビルドで行う、また、必要にプライベートシステムビルドを行うとのこと。

Q&Aでは、チケットに関する質問がありました。マイルストーンは3カ月程度、チケットはなるべく小さく2時間単位でも良いが、分類する必要がある。管理者が閉じることができるマスターチケットと、各開発者が閉じられるタスクチケットに分類すれば、分類してレポートできるようになるとのこと。

これらの一連の自動化を見ていると、新しいことなのに当たり前のような、凄く良いアイデアのようなのに「そうしなければならない」という印象を受けました。

それは、あきぴーさんの発表で意味がわかったような気がします。あきぴーさんのサブタイトルは「チケットに分割して統治せよ」で、TiDDの歴史、背景と効果、経験を語られました。この中で、「TiDDはWeb2.0のようなもの」と言われました。古い技術を使って新しいことをするという意味で言われていたのですが、これが実はTiDDをよく表していると思います。

上に書いたように、TiDDはある意味「当たり前のことをしていったら、こうなった」という印象があります。でも、何か新しく、開発の苦しみを和らげてくれそうな魅力を感じます。

その意味を考えているうちに、かつて川端さんにお願いしたソフトウェアシンポジウムのチュートリアルを思い出しました。このセミナーはXP入門ということでお願いしたのですが、実際はEclipseの実習が中心でした。これは、少人数でソフトウェア開発に向き合うと、ツールを中心に効率化を図るしかないということを意味しているのだと思います。

TiDD(チケット駆動開発)は、その背景の思想から生まれたものではなく、ツールを用いながらプロセスを改善していったら、必然的にそうなったものだと思います。かつての方法論が、背景の思想を元にツールを開発したために実践する際にやりにくい点が生じたのに対し、実践している中で生まれた方法論は、その体系をきれいにまとめられれば従来にない力を発揮できると思います。

今後、そのあたりをまとめたいと思いました。

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コメント

XP祭りの感想はすごく読みやすかったです。
チケット駆動開発は、「ツールを使ってプロセス改善していったら自然にアジャイル開発になった」プロセスなのかもしれません。

一つだけ修正を。

(誤)XP祭り関西2009でもっとも興味深かったのはテスト駆動開発(TiDD)です

(正)XP祭り関西2009でもっとも興味深かったのはチケット駆動開発(TiDD)です

早速のコメントありがとうございます。
うわぁーやっちゃいました!最初のところじゃないですか。直しておきました。

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