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棚卸をしていびつな人になる - まつもとさん@SS2008 -

6月に行われたソフトウェアシンポジウムのキーノートスピーチの一人目は、Rubyのまつもとゆきひろさんによる「技術者の幸せとは何か?-エンジニアサバイバルガイドー」という講演でした。

Rybyのテクニカルな話がない、なんとも贅沢なこの講演は、3K(きつい、帰れない、給料が安い)とか7K(さらに、規則がきびしい、休暇がとれない、化粧がのらない、結婚できない)などと幸せそうに見えない日本のエンジニアのために、日本で一番幸せそうに見えるまつもとさんの経験をもとに話していただこう!という企画のだそうです。

ものづくり軽視や理系軽視、そしてプログラミング軽視によってこんなことになってしまいましたが、嘆いていてもはじまりません。社会は変えられないが、自分の境遇は変えられます。すでに右肩上がりの時代は終焉し、みんなが幸せになれないほどのパイはありません。激化する生存競争の中、受け身ではなく戦略を持って行動しなければ幸福になれません。

そんなお話の後、マクドナルドでアルバイトをされていたころに経験された「インベントリー」(倉庫の棚卸)を紹介されました。大雑把にあやしくまとめてしまうと「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」のような内容です。自分の利点・欠点、変えられるもの・変えられないものをはっきりさせること。自分の幸せはなにかを考え、理不尽なことはの拒否する。自分のことは自分で決める。幸せと無関係なものは重要視しない。ということでした。

棚卸ができたなら、幸せをどう手に入れるかが課題となります。現実を考えると、そうはいってもと考えがちですが、できないと思うからできないのです。たしかに精神論ですが、挑戦なしに結果はありません。目標を決め、戦略を考え、行動しよう!(私の文章だとあやしくなってますね。すみません)

目標というのは、己を知ること、何を目指し、何を目指さないかですが、流動的で構いません。己を知ればぶれないですむし、確信や自信につながります。また、現実との妥協点も見出せ、Win-Winの関係が築けます。

戦略といっても、みんなが成功するわけではないし、運も必要です。しかし、確率を高めることはできます。代替可能でない自分、世界に一人しかいない自分をめざし、差別化をします(ただし、マネジメントの観点ではシングルポイントフェイリュアなので切り捨てられる危険もあります)。

結局、差別化戦略とは「いびつ」になることです。良い点は伸ばし、悪い点を無視する。そんな孫子の兵法(リンク先はWikipedia)のような戦略です。もちろん、能力も必要で、継続する努力も必要です。情報収集や情報整理の能力、コミュニケーション力、機嫌が悪くならないことや、英語力もある程度は必要です。しかし、完全である必要はありません。

当然の権利を要求する自己主張とともに、信頼関係の形成も大切です。ある分野でその組織の最後の頼れる一人として認めてもらうために、問題の解決や調査、たよれる人脈を持つということも大切です。

最後に、4つの言葉でにまとめられました。「差別化重要」、「機嫌重要」、「継続重要」、「行動重要」。

お話しのあとで、「もともとそのような戦略で行動されたか」という質問に対して「私自身はアドホックにやってきました。過去を振り返って戦略としてまとめました。努力といっても、時間はかけたものの、苦痛は感じていません」と正直に言われたのが印象的でした。

発表の概要はこんな感じでした。いびつに生きると言うのは、「チーズはどこへ消えた」とか聖書の「タラントンのたとえ」を彷彿させましたし、実存主義(リンク先はWikipedia)も思い浮かびました。しかし、なんといってもfj.oopsでのオブジェクトアイデンティティの議論(リンク先はまつもとさんの日記:こんな感じの議論がされていました)を思い出しました。

すでに十分いびつな私は、いびつなままにどうやって生きるかを考える必要がありそうです。そこでは、やっぱり棚卸が有効な気がします。講演の中では、自分の価値観や自分の利点を元に差別化を行うと言われていましたが、Win-Winの関係とも言われていました。自分が幸せと思える範囲内なら、周りにあわせることも大事なのでしょうね。

そして、もっとも大切なのは「機嫌重要」なのでしょう。人とのコミュニケーションが必要な仕事なので、怒ってやるよりも喜んでやる方が良いに決まっています。講演の中でも「機嫌が悪いと『情けは人のためならず』の反対になる、ネガティブ・ループバックに陥る」「周囲に不利益であり、自分に不利益になる」と言われていました。やっぱり、仕事は楽しくやりたいですね。

(「情けは人のためならず」というのは「情けは人のためならず、巡り巡って我のため」が全文です。人にやさしくすると、いつか自分に返ってくるということです。)

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