ねじ止めの基本からソフトウェア開発を考える
最近引っ越しをした関係で、家具を少し買い換えました。
通信販売でしたが、組み立てもお願いしていたので様子を見ていると、、、、
ほとんど何も考えていません。説明書を見て、電動ドリルで端から止めるだけです。
もちろん、傷がつかないように毛布をひいたり、丁寧に扱ったりはしているのですが、
- 仮止めする
- 対角線にとめていく
という歪みを取りながら組み立てる手順がありません。電動ドライバーが空回りするまで一気にねじ止めするだけです。元々のつくりのせいもあるのでしょう が、出来上がったものも、あっちがずれたり、こっちがずれたり、やっぱりそれなりです。通販の組み立ては運送屋さんがやっているので、まあ、仕方ないかと も思っていました。
しかし、家具やさんで買った商品の組み立ても同じでした。床に傷がつかないようにフェルトを貼ってくれただけで、基本的に端から一気にねじ止めするだけで す。それを見てて、怒りを感じるよりもなぜか悲しくなりました。世の中全体が、基本的なことを忘れてしまい、効率ばかりを考えているような気がしたからで す。
ソフトウェア開発を考えても、同じように効率重視がまかり通っていないでしょか?
私がソフトウェア業界に入ったころは、「安全側に倒す」プログラミングを教えられたものでした。たとえば、if文を書く際にも判定条件をどう描くかによっ て予想外の結果が生まれます。ループの終了条件をある値なら終了と記述していれば計算誤差によって無限ループになる可能性もあります。そこで、ある値未満 (あるいは以下)の間繰り返すように書くことで問題が起きにくくなるのです。このほかにも、コーディングスタイルを統一するとか、処理時間やデッドロック を考慮するとかなど、色々な基本技術がありました。
いろいろな会社の人の話を聞いていると、最近は開発環境が整っているので、新人でも得意なフレームワークなら何万行も書けたりするようです。しかし、本当に大丈夫なのか、プロジェクト全体で品質は保てているのか、他人事ながら心配をしてしまいます。
考えてみると、覚えないといけないことが多すぎるのかもしれません。結局、「教育の問題」などと言われて、ついつい目標に*だけ*向かってコードが書かれ ているのが現状でしょうね。最近は売れる本しか出版されないのもこのような状況も後押ししているかもしれません。「ここを見て勉強しろ!」と言えるWeb ページがあれば良いのかもしれませんが、もっと本質的なところで何か忘れているような気がしてなりません。
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