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IT技術者を幸せにするには

ITmedia News にショッキングな記事が出ていました。

「日本のIT技術者、幸せではない」──MSの課題
マイクロソフトのヒューストン社長は、新年度の課題として「IT技術者の地位向上」を掲げる。「あまり幸せではない」ためだ。

この記事はマイクロソフトのダレン・ヒューストン社長が、経営方針説明会で話された内容です。同社が「ITスキルの向上を支援していく」前提としてお話された内容です。

この記事は、さらにスラッシュドット・ジャパンでも取り上げられて、多くの意見が寄せられています。批判的な意見の多くは、「技術力をつけても仕事が集中して不幸になるだけ」という、悲しくて、情けなくなるようなコメントでした。

この元記事を読んだとき、最も気になったのは、なぜ幸せでないとされているかです。

「日本のITプロは『社内のPCを購入する』という決定はできても、プロジェクトなどの上位の大きな決定には参加できてないようだ」

この事実の原因が技術力にあるというのは、多くの日本企業に当てはまらないと思います。私が思うのは、日本の企業は組織構造ピラミッド型で、しかも強固であることです。このことが日本企業の強みであり、弱さであると思ってます。

主なソフトウェア危機は、巨大なソフトウェアを開発すること、品質の高いソフトウェアを開発することだと言われています。かつては、バグのないことすなわち信頼性がソフトウェアの主要な品質だと考えられてきました。

しかし、ソフトウェアの機能が高度化するにつれ、ユーザの求めるソフトウェアが開発されているか、すなわちユーザにとっての品質が重要視され、様々なアジャイルソフトウェア開発が提案されてきました。

アジャイルソフトウェア開発が注目される中、日本では導入される企業と、どうも普及しにくい企業に分かれていると思います。導入が遅れる原因は簡単です。技術者がいないこと、そして管理しにくいからです。

管理可能なことでないと実施させてもらえない。それは、当たり前の問題の発生を減らします。これ派大きなメリットである反面、独創的なアイデアや社員のやる気をなくします。

構造化プログラミングからオブジェクト指向に、ソフトウェア開発のパラダイムはシフトしてきました。これは、トップダウンでの開発には限界があり、ボトムアップな要素を入れる必要があったこと、開発を効率化する再利用には、小さなオブジェクトの組み合わせが有効であったからだと思います。

IT技術者を幸せにするには、ソフトウェア開発で生じたようなパラダイムシフトが、組織にも生じる必要があるのかもしれません。トップダウンで管理されるのでなく、自律的で協調的な高度なITエンジニアを育成できる組織が求められていると思います。

それは、上の記事にある教育的なことも含むでしょうが、重要なのはITエンジニアが自立的に行動する組織文化ではないでしょうか?

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コメント

> 上の記事にある教育的なことも含むでしょうが、重要なのはITエンジニアが自立的に行動する組織文化ではないでしょうか?
政治家になれと?

社内の政治家ですよね。企業によっては、部門あるいは会社を分けるなどの力技が必要かもしれませんね。会社によりますが、、、

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