「アジャイル開発の勘違い」- JaSST'06 in Osaka -
JaSSTソフトウェアテストシンポジウム'06 in Osakaに行きました。
今回は2日間のイベントで、テストの実務的な内容を中心に、テストのノウハウや形式手法といった技術的な内容から、JSTQBテスト技術者資格制度やIT検証産業協会(IVIA)などの社会動向の情報まで豊富な内容で実施されました。
昨年のスポンサーセッションはテクノロジーセッションに変わり、スポンサーの講演だけでなく、パネルなども取り入れた無料セッションになりました。スポンサーの講演というと商品説明をイメージしますが、JaSSTの場合はきちんと技術的な内容も入っているので、それなりに楽しめます。
このテクノロジーセッションで最も興味深かったのは永和システムマネジメントの天野さんによる「アジャイル開発の勘違い」
でした。
- ドキュメントを書かないのでなく、不要なドキュメントを書かない。これは、決まりだからと思考停止をしないということ。
- 過剰な設計をしないというよりも、効果的な設計がすばやくできるように教育に力を入れる
- 短期に開発できると思われがちだが、短期すぎるものはオーバーヘッドの方が大きいのでには向いていない。早期リリースして、成長させる
- リファクタリングしても品質低下しないのは機能だけで、コードが効率的でなくなるなど品質低下する場合もある
- テスト駆動開発をすればテストは十分だと思われがちだが、テスト駆動のテストコードは設計を目的としているので、品質保証に不十分な場合もある
考えれば当たり前ですが、勘違いしやすいところですね。
このあと、アジャイル開発で失敗するパターンに触れられ、誤った知識、経験不足、無意味な指標(ソース行数)、的を射ない基準などをあげられ、経験のある弊社が支援しますとのこと。うまい!話の展開が抜群でした。
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