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来年はバランスの年に

今年一年を振り返ると色々ありましたが、無理やり分けると二つの考えの対立(あるいはせめぎあい)に思えます。

  • トップダウン、ウォーターフォール、計画駆動、機能指向、性悪説
  • ボトムアップ、ボトムアップ、アジャイル、オブジェクト指向、性善説

上の方には、SOAやアスペクトなども含めます。

この二つに分類すると、バランスが悪くて「ホツレ」が出てきているように思えます。試験があるものの裏技を駆使してごまかすような事件があったり、まとめのWebページが話題になったり、、、

今年のお気に入りの本を上げるなら、「アジャイルと規律」「リーン・ソフトウェア開発」でしょう。これらの本を読むまでは、そろそろウォーターフォールも限界でアジャイルかとも思っていましたが、「アジャイルと規律」はそれぞれの長所・短所を明らかにし、対象や組織の状況によって、段階的に開発したり、部分的に適用するなど、バランスをとるべきであることを述べている、とっても良い本です。でも、よく考えると、すでに同じようなことをしてませんか?

「リーン・ソフトウェア開発」は「アジャイルと規律」では最もアジャイルに分類されている、トヨタ式改善のソフトウェア版です。この本は、ソフトウェア開発の最適化とリスク回避の技術が詰まっている良い本です。でも、具体的にはリスク回避のためのオブション思考以外は、けっこう普通のオブジェクト指向でもあります。

結局、書籍はあるところに注目して書き上げたものなので、すでに色々工夫している人にとっては、けっこう普通のことが載っています。これは、オブジェクト指向を長くやってきた人が、デザインパターンやXPをそういう風に言われるのと同じだと思います。

で、なにが言いたいかというと、上にあげた2冊はバランスに注目している点がすばらしいと言うことです。具体的にああしろ、こうしろとはあまり書かれていませんが、現実の具体的な問題に対して、どのように判断するかが書かれているところが秀逸だと思います。

このようにバランスを考えた本は、20年前にもありました。テストの本で有名なマイヤースの「複合設計」です。機能指向とデータ指向で議論されていた当時、同じようにバランスをとった設計法でした。この本はわかりやすく、その内容を現場でよく使わせてもらいました。まあ、そのあとのオブジェクト指向ブームで、あまり読まれなくなっちょいましたが、、、

来年は、それぞれの要素技術をどう組み合わせてバランスをとるかが重要になるのではないでしょうか?もちろんある技術に特化した議論も進むでしょうけど、現場で実際に使われるようになれば、既存技術とどのようにバランスするかがポイントになると思います。

また、複合設計に対するオブジェクト指向のように、RonR(Ruby on Rails)あたりに吹き飛ばされるかもしれませんが、、、

最後になりましたが、本年もお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

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