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Ruby勉強会@関西

はじめてRuby勉強会@関西に行ってきました。会場は京都女子大。
そこで、開会に先立って注意がありました。怪しい行動、ものめずらしげにきょろきょろしたり、じろじろみないように。最初から大うけでした(^_^;

今日の発表は以下の3件でした(詳細は以下に書きます)。

  • YARV について by 笹田耕一さん
  • RGSS 解説 by サイロス誠さん
  • Ruby 初級者向けレッスン by かずひこさん

それぞれ内容も充実していて、とても楽しめました。

【YARV について】
未踏ユースプロジェクトで「スーパークリエイター」に選ばれた笹田耕一さんが開発されているYARVの解説でした。YARV は処理の遅いインタプリタ言語といわれ続けてきた Ruby を高速に実行することを目的に開発が進められている Virtual Machine です。

これまでもYARVのようにコンパイルによって処理速度を上げる試みはあったそうですが、実行できる命令数が少なく互換性が低いなど実用的ではなかったそうです。

2004年1月から開発を開始されたYARVはバイトコードを実行するスタックマシンで、今まで逐次実行していた構文木を、あらかじめスタックマシン用のバイトコードに変えて(コンパイルして)おく仕組みです。パーサ、ガベージコレタに関しては既存のものを利用して、Evaluater、コンパイラを開発されているそうです。

YARVはRubyに組み込んで使う形で、Rubyができることは全部できる、基本処理2倍、JIT5倍、AOT10倍を目指しているそうです。様々な最適化がされており、ループは早い20倍ぐらいにもなり、ベンチマークではPerl,Python,Gauche,Rubyよりも速いようです。ただ、処理によって速度が異なり、数値表現、記号処理はおそいので、遅くなったアプリケーションもあるようです。高速化のアイデアはあるそうですので、今後に期待しています。

Rubyはメソッドが再定義可能で、例外、eval、など動的なところがやっぱり難しいようです。それでも、これらの普通のプログラムは動くそうで、なかなか互換性が高いですね。しかし、標準ライブラリにはトリッキーなところがあるようで、そういうところは不安定になるそうです(残念!)。

VMを書いたDSL(ドメインスペシフィック言語)、プロファイラをはじめとする最適化や今後の実装など、技術的に色々と面白そうな話題がたくさんありそうだったのですが、あまり詳しく聞けなくててちょっと残念でした。

階乗、IO、文字列処理(正規表現)、オブジェクト、例外は速くならないそうですが、トータルで1.5倍くらいにはしたいそうです。正規表現が遅くてもif文とループの組み合わせにすれば速くなるわけですから、正式版が待ち遠しいです。

【RGSS 解説】
Rubyist Magazine の記事「Rubyistが知りたいかもしれないRGSSの世界」を書かれたサイロス誠さんによるショートプレゼンテーションでした。

RGSSはRPGツクールXPのゲームエンジンでRuby Game Scripting Systemの略で、名前の通りRubyで書かれています。Rubyなので、カプセル化、継承:直感的、Rubystは取っ掛かりが楽だそうです。

スプライト、ウィンドウ、ゲームパッド、付属エディタ、構造体クラスという長所がある反面、速度が遅い、開発環境が有償(約10,000円)という短所があるそうです。

デモでは、基本的なデモのほか、シューティングゲームのように、スプライトごとに違う速度でスクロールするデモはかっこよかったです。あと、KOFでもデモされていた「ハッカーの顛末」は笑えました(怒り狂うハッカーにアドレスを聞かれて、正直にアドレスを教えたら、クラッカーが自爆したという、、、わかりますよね?)。

【Ruby 初級者向けレッスン 】
Rubyの神の国松江から来られた、かずひこさんによるレッスンで、今回は「例外処理」でした。このレッスンは一通りRubyを習った人向けです。
色々な例外を発生させる、例外のrescue、例外オブジェクトの代入、トレースバック、else節
ensure節、と習いました。

大体は知っている内容でしたが、グローバル変数から例外情報を取り出したり、(1/0 rescue 2)のようなrescue修飾子の使い方は知りませんでした(忘れてた?)。
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元気のあるコミュニティで、懇親会の参加者も多くみなさん大変だったと思います。講演者の方、スタッフの皆様に感謝します。

あきぴーさん、こんなもんで良いでしょうか?

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コメント

呼ばれて出てきました。あきぴーです。
楽しそうな雰囲気、そして知的刺激の多い内容知ると、出たかったです。くやしい~。

Rubyが最近元気ですけど、どこから火がついたんでしょうか?
我々エンタープライズ系は、RonRから発火したと思うのですが、オープンソース系の人たちから見ると、別なのでしょうか?
先日の勉強会で、最近はエンタープライズ系よりも組み込み系のほうが活気がある、という話を聞きましたが、確かにJavaや.NETは仕事はあるけれどあまり知的刺激はないのです。むしろ、Rubyの方が技術的に面白そうなのです。

次回こそは参加します。。

コメントありがとうございます。

ほんとに良かったですよ。若い人が多いので、少し心配でしたが、マニアの人から初心者までが一緒にわいわいやっている感じで、懇親会も楽しかったです。

マニュアルにはRubyが生まれたのが1993年とされていますね。わたしが初めてRubyを見かけたのはPackシリーズというフリーウェアCDの本でした(作者としてもらっていました)。このころはまだfjを読んでいる人など、知る人ぞ知るという感じでした。

わたしがRubyを使った論文をはじめて書いたのが99年で、すでに名前ぐらいは知っている人が多かったと思います。SS2001でまつもとさんにキーノートをお願いしたときには、すでに色々なライブラリができていて、海外でもRubyの本が書店の平棚にあるようでしたから、20世紀末にはすでにブームが始まっていて、RonRで大ブームになった感じではないででしょうか?

このごろは、授業でも普通に使われているようですし、その辺も元気さに影響していると思います。

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