リーンソフトウェア開発~CMM/CMMIの利用~
第8章:使用説明書と保証書では、大企業においては改善プログラムと闘う代わりにそれらを利用するようにすべきと書かれています。CMMとCMMIのところを要約すると
【CMMにあわせて仕事をすること】
- KPAで問題を発生させていた要因をアジャイル手法は解決する(レベル3以上で認識できる)
- CMMは現在の手法が既知の失敗パターンを解決するかを評価するだけ
【CMMIには用心すること】
- 不運にも、CMMIはソフトウェア開発の領域を超えた多くの領域を網羅するように設計されている
- 10年間の試みの結果世界一の兵站になったが、リーン思考を30の原則や方針として再挑戦している
- リーン原則を軍事調達システムのプラクティスに取り込むことは、気が遠くなるような作業になった
- しかし、その努力をたどることで、リーン原則を採用する確固たる理由が見つけられるだろう
と書かれています(このほかにもシックスシグマを利用すること、PMIには注意することが書かれています)。CMMには好意的ですが、CMMIにはかなり否定的な書き方です。リーン開発の1番目のツールは「ムダを認識する」で、CMMIはムダに大きくなったと言いたげです。CMMIはうまく参照するものだと思うのですが、必要なところを抜き出す努力がまず無駄ということでしょうか。
ちなみに、この少し前には、
【ムダの最小化をうまくやること】
- 不要な文書が廃止できないなら、なるべく上位レベルで作成すること
- 計画をリリースレベルで保持すること(この程度はどの道やらなければならない)
- 要約文書を作成すること(普通の人が短時間で理解できるなら、じゃまされないですむかもしれない)
- コーディング完了後に設計要約文書を保守用に作成する(2度手間になるから)
と書かれていて、リーンソフトウェア開発を組織のルールにあわせる工夫が必要なようです。
先日、日本の技術が米国で発達してCMM/CMMIになったような説明を聞きました。リーンも元はトヨタですから、日本発の技術を組み合わせるために、日本人が苦労すると言うのもおかしな話ですね。
#思いつきで書いてますので、説明の順番がむちゃくちゃですみません。
« SEA関西SPIN:ソフトウェア開発プロセスの研究動向について | トップページ | 街角の風景 »
「パソコン・インターネット」カテゴリの記事
- [Windows10]コア限定で古いソフトを動かす- Wave SplitterでLPのCD化 –(2021.05.05)
- MacBook Air に3,180円で64GB増設 - 安いSDアダプタ発見! -(2016.06.18)
- 買って良かったキーボードPC(WP004)購入記(2016.04.02)
- Twitterはどこへ行くのか?(2015.04.13)
- 簡単すぎるネットワークカメラQwatch - TS-WLCAM -(2013.09.28)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- Visual IoT 開発ツール Node-RED が盛り上がってきた - 新刊2冊 -(2017.10.14)
- 決定をできるだけ遅らせる -「現場で役立つシステム設計の原則」深読み -(2017.10.07)
- [#UAS] Ultimate Agile Stories の寄稿5本を一挙公開!(2016.09.14)
- Jenkins、Chef、Redmine、Dockerで業務効率アップ 10倍速の開発・運用ツール(日経BPムック)(2015.05.17)
- [#Redmine #TiDD] 日経SYSTEMSにRedmineの紹介記事を寄稿しました(2014.10.13)
「私のアジャイル」カテゴリの記事
- One fact in one placeとチケット駆動開発 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.21)
- マルチスレッド処理と進捗管理・配員・作業分割/割り当て- Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- カプセル化と組織パターン - Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- Greedy algorithmと2割8割の法則 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.12)
- 「任せて、任せず」「魚を与えるのではなく"釣り"を教えよ」(2021.08.16)
「ソフトウェア」カテゴリの記事
- One fact in one placeとチケット駆動開発 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.21)
- マルチスレッド処理と進捗管理・配員・作業分割/割り当て- Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- カプセル化と組織パターン - Software Processes are Software, Too -(2021.12.20)
- 論文研修会(導入編)- 論理的思考のすすめ -(2019.12.01)
- デブサミ関西でNode-REDとペンギンと勇気の話をしました #devsumiB(2018.10.28)
「プログラミング」カテゴリの記事
- Greedy algorithmと2割8割の法則 - Software Processes are Software, Too -(2021.12.12)
- 論理的に考え伝える – SEA関西「開発現場で役立つ論文の書き方のお話」 -(2021.05.09)
- 論文研修会(導入編)- 論理的思考のすすめ -(2019.12.01)
- スクリプト言語入門 - シェル芸のすすめ - 第2回クラウド勉強会(2019.01.27)
- デブサミ関西でNode-REDとペンギンと勇気の話をしました #devsumiB(2018.10.28)
「本」カテゴリの記事
- Visual IoT 開発ツール Node-RED が盛り上がってきた - 新刊2冊 -(2017.10.14)
- 決定をできるだけ遅らせる -「現場で役立つシステム設計の原則」深読み -(2017.10.07)
- [#UAS] Ultimate Agile Stories の寄稿5本を一挙公開!(2016.09.14)
- Jenkins、Chef、Redmine、Dockerで業務効率アップ 10倍速の開発・運用ツール(日経BPムック)(2015.05.17)
- ソフトウェアと制約と自由 - 「納品」をなくせばうまくいくを読んで -(2014.08.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント