純粋主義者の解釈
今日はベーム先生の「アジャイルと規律」のお話をします。
この本はサブタイトルに「ソフトウェア開発を成功させる2つの鍵のバランス」とあるように計画駆動型開発(とりあえず従来型のウォータフォールをイメージしてください)とアジャイル開発に対し、両者のホームグラウンドと長所短所を説明し、どのように俊敏性と規律のバランスをとるかを説明しています。
この前半部分に「純粋主義者の解釈」として以下のようなことが書かれています。
- XPの一部を少しずつ採用して始めようと考えないでください.XPの部品は精巧なスイス時計のように調和しているからです
- アジャイル手法の利点は,既存のものから選択して適用することも,自分で新しく創造して適用することも可能なことにあります。
- SW-CMMレベル3に100パーセント準拠していなければ入札できません
- CMMIをひととおり解釈していれば,自分が一番良いと考える順序で自分のプロセスを改善することができます
こんな議論を聞いたことはありませんか?
たしかに手法の普及には宗教的な盲信に聞こえる断言も有効ではあります。しかし、私のように魅力を感じるものの、どうもうまくいきそうにないような気がする場合、多分、それはうまく行かないと思います。まあ、問題がないときは大丈夫なのでしょうけど、何か問題が生じたとき、あるいは、問題の兆候に気づいたとき、対応できなくなってしまいます。
このようなことを考えていた時に川端さんと小林さんからソフトウェアシンポジウムに論文を共著共著で出すお話があり、上記の観点を入れさせていただいた論文が「効果的なXPの導入を目的としたプラクティス間の相互作用の分析(PDF
)」です。
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