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2010/12/27

ヨブ記を書く - 瀬戸内寂聴さんの語る遠藤周作さん -

NHKこだわり人物伝で、瀬戸内寂聴さんが遠藤周作さんのことを語られました。遠藤さんに神父を紹介されながらも仏門に入った寂聴さんを、何も言わずに受け入れられたそうです。

そんな寂聴さんが奥様から聞かれた話として、死への不安を抱える遠藤周作さんのことを語られました。

70歳で長時間の手術を受け、術後の苦しみの中で、遠藤周作さんはこう言われたそうです。

「ただ、ただ、一生懸命に小説を書いていただけだ。それなのにどうして神様はこんなつらい病気をを与えたのだろう」

妻の順子さんはこういわれたそうです。

「ヨブを見て御覧なさい。神様はあなたにヨブを書かせるためにこの病気を与えたかもしれない。」

ヨブというのは信仰のあついヨブのことが書かれたヨブ記のことで、何度も苦しい目に合いながらも、神への信仰を貫いたことで知られています。遠藤さんはそう言われて

「そうか、呼ぶがあった。俺は、これからヨブを書くぞ!」

と言われ、元気になられたそうです。ヨブ記で元気になる遠藤さんの信仰もすごいですが、慰めたりせずに前向きにならせた奥さんもすごいですね。寂聴さんは最後にこう言われました。

「結局それは書けませんでしたけどね。」

これは事実ですが、真実は違うと思います。遠藤周作は復活を人の心の中に死んだ人が生き返ることだと言っていました。遠藤周作さんはヨブ記を書くことはできませんでしたが、寂聴さんの心の中にヨブ記を書いたのだと思います。そして遠藤さんは、それを聞いた人たちの心の中に永遠に生き続けているのだと思います。

人生にはいろいろな苦しみがあります。時には耐え難いことも起こります。私には遠藤周作さんのような立派な証を残せないかもしれません。でも、自分なりのヨブ記をただ、ただ一生懸命に書くことが、私なりの証なのだと思いました。

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2010/12/19

しるしを求めよ

昨日は久しぶりに茨木教会でミサに与り、そのあと高槻教会で聖書の分かち合いに参加しました。

寒い時に温かいお茶をいただくと、だれでもホッとします。ミサで御聖体をいただくと。そんな「ホッ」を感じます。考えれば1ヶ月もミサに与れませんでしたが、それだからこそ余計に「ホッ」としました。

聖書の分かち合いでは、ミサの福音「イエス・キリストの誕生 」(マタイ1・18-24)を分かち合いました。いろいろな話題が出ましたが、一番印象に残ったのは

「夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。 」

というところです。本当に正しいなら、別れ後のマリアの後のことを考えるのではないかという意見がありました。これは、当時のユダヤの律法に照らして正しいということなのでしょうね。律法を守りながら、石打ちの刑にあわない形で別れるということなのでしょう。

もう一点、気になったのは天使が

「その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」

と、言った後に

『このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。』

とされていることです。ユダヤ人のために書かれたマタイ福音書が旧約聖書との関連を強調するなら、異なる名前を示す必要がないのではないか、と思いました。福音書の直前の部分では、「アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図」として、旧約聖書の流れがなぞられていて、イエス・キリストこそ救世主であると強調されています。それなのに、なぜここで違う名前が語られるか、よく分かりませんでした。

そして気づいたのは、これがマタイ福音書の最初の章であるということです。そこでは、マタイ福音書の大切なメッセージがこめられていると思いました。

イエス・キリストこそ救世主である。ヨセフは律法を守る人だったが、天使がそれと異なる新しい答えを示した。それは律法を守ることではなく、「主は救い」という名をつけて民を罪から救うことだった。そして神が我々共におられた3年間の記録が、この書物である。

すごいと思いました。そして、第1朗読の言葉

「主なるあなたの神に、しるしを求めよ」(イザヤ7・10-14)

にある「しるし」とは、奇跡であるだけでなく、神のご計画であり、それを示した書物が福音書だと思いました。

<茨木教会のミサの予定>
12/24(金) 19:00 主の降誕 夜半のミサ
12/25(土)  9:30 主の降誕 日中のミサ
12/25(土) 16:00 聖家族
12/26(日)  9:30 聖家族
12/26(日) 14:00 English Mass(英語のミサ)

(聖書の引用・リンクは、日本聖書協会 新共同訳)

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