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2008/12/20

神は慈しみ深く、人の命は掛け替えのないもの - 待降節黙想会 -

日曜日は待降節黙想会でした。東京教区の幸田和生補佐司教にお越しいただき、「良い知らせとは?」と言うテーマで行われました。講話は先日の列福式の様子とキリシタン時代についてのお話でしたが、殉教の悲しい歴史ではなく、生き生きとした時代について語られました。

日本26聖人の本などを読むと、信仰を守るために潔く殉教した姿が描かれていますが、キリシタン時代の殉教者は、みな命を大切にしており、少しでも生きながらえてイエスの教えを守ろうとしたと言われていました。

1614年に禁教令が出た際、宣教師は追放される者と、信者のために残る者に分かれました。殉教した司祭はその時に残られた方々なので、信者のために少しでも生きながらえようとされたそうです。もちろん、他の信者も少しでも伝えようとしました。殉教を免れたものは、踏み絵を踏んではコンチリサンという痛悔の祈りをして信仰生活を送り、その信仰を代々伝えました。

そのような信仰が明治になるまで伝えられたのは、共同体の力があったからです。誰か一人が裏切るだけでも信仰はそこで途切れてしまいます。共同体で支えあい、育まれた信仰がありました。殉教者は孤独なヒーローではなく、共同体という仲間がいたのです。

私たちは、当時の豊かな信仰生活に学ばなければなりません。殉教者ではありませんが、アルメイダという人がいます。アルメイダは貿易商として来日し、その後イエズス会に入会しました。彼の最初の活動は乳児院を作り、間引かれる子供を救うことでした。これはあまりうまく行かなかったようですが、その後の日本最初のホスピタル(病院)につながりました。この病院では、内科・外科のほか、ハンセン病も扱っていたようです。

戦国時代は下克上の時代です。人の命を奪うことで出世することが当たり前の時代に、アルメイダは病院を通して「神は慈しみ深く、人は掛け替えのない命を持っている」ということを実践しました。病気が治り、命が救われるという現世的なご利益だけでなく、アルメイダによる神の教えの実践によって布教は成功しました。

「人はかけがえのない命を持っている」この言葉は、先日のマザーテレサのTV番組を思い起こさせました。マザーテレサは、もっと効率良い方法があるのではないかとの問いに、一人一人を愛することが大切だと答えたそうです。アルメイダの行いも、同じ思いがあったのでしょう。だからこそ多くのキリシタンが生まれたのだと思います。

今回の黙想会では、新しい試みとして質問シートを使っての分かち合いを試みました。お昼休みに質問を集めて、昼食後に回答をしていただいて理解を深めるのです。直接質問するよりは、質問が出やすいこと、そして時間調整が可能なことで採用しました。

質問シートは講話と関係のあるものから分類して幸田司教にお渡ししました。その際に、講話に関するものからお答えいただいて、時間調整してくださいとお話ししました。つまり、すべてに答えなくても良いことを暗にお話ししました。

すると、幸田司教は重みづけはされましたが、時間内にすべての質問にコメントされました。私は恥ずかしくなりました。一人一人を大切にするお話を聞いておきながら、効率だけを考えて大切にすることを忘れていたのです。

キリシタン時代にはミゼルコルディア、聖体、聖母の3つの信徒団体があったそうです。ミゼルコルディアというのは病院、聖体は聖体奉仕、聖母は教育を行ったそうです。

当時の教育を受けた人には、福音がそのまま響いたそうです。貧しさや厳しさの中で、神の愛は素晴らしい恵みだったと思います。ミサの福音に「あなたがたの中には、あなたがたの知らない方がおられる」(ヨハネ1・26)とあるように、現実の中に神さまがおられたのです。

豊かな現代に生きる私たちは、当時のように福音が響きません。そこで、東京教区では「福音のヒント」を作られているそうです。この福音のヒントを通じて、現実の中に神さまがいることを知り、ともに信仰する仲間作りをし、長い目で霊的に成長してほしい。とのことでした。

黙想会を終えて、海外におられて日本語ミサに中々与れない方にも役立っていることをお話しすると、そういう思いもあって始めたのです。と言われていました。慈しみ深い神に習い、掛け替えのない命を大切にされているのだと思いました。

(聖書の引用は日本聖書協会 新共同訳)

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