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2007/02/06

マリアさまへの祈り - アリの町のマリア その5 -

メルセス会で洗礼を受け、ゼノ修道士との出会いから蟻の町に通うようになった北原怜子さんは、子どもたちだけでなく、心が必要だった蟻の町の人に愛を持って接しました。

その活動の影にはマリアさまへの祈りがありました。子どものバタ車(大八車)を押していて重さに負けそうになったときも(他の子どもたちが現れて手伝ってくれました)、子どもたちの机を買うためにくずを拾い始めたときも、旅行にいく約束をしたものの費用をためる期間がなかったとき(知り合いが空き缶を譲ってくれました)、マリアさまにお祈りをして乗り越えてきました。

このうち、もっとも感動的だったのは、机を買うために自ら一匹のアリとなってくず拾いをはじめたときのことです。近所の人に「なにも大学教授のお嬢さんが、くずひろいまですることはないのに」と言われたのです。誰だって後ろ指は指されたくありません。真っ赤になりながら北原怜子さんは「ああ、マリアさま、助けてください」と祈りました。すると、心が静かになり、恥ずかしさが消えたそうです(やなぎやけいこ著「アリの町のマリア 愛の使者 北原怜子」ドン・ボスコ社、p.107)。

余命があまりないと知らされて、北原怜子さんがアリの町に引っ越したときもそうでした。東京都が移転先の土地を斡旋してくれる話が持ち上がったのですが、購入金額に隔たりがあり交渉は難航しました。そのときも、北原怜子さんは祈り続けました。

「み旨ならば、アリの町が八号埋立地へ移れますように。そのためでしたら、わたくしの命も喜んでお捧げします。マリアさま、どうぞこの祈りを、天主さまにお取り次ぎください」(p.183)

風邪をこじらせてさらに具合が悪くなっても、ロザリオを手に北原怜子さんが祈り続けました。そして、ようやく交渉は合意しました。そのとき、都の担当部長の机には北原怜子さんが執筆した「蟻の街の子供たち」(聖母の騎士社) があったそうです。部長はこの本に感動し、関係者を説得してくれたのでした。

祈りは届きました。そして、その四日後、アリの町のマリア北原怜子さんは帰天されました。

人が苦しいときに救いをもたらすのは、すべてをゆだね、祈る心だと思います。それは、何もせず、ただ闇雲に祈るのではないでしょう。「人事を尽くして天命を待つ」と言いますが、すべては良きことであることを信じ、できるかぎりのことを行い、心から祈ることで救われるのだと思います。<')))><

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